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第1725話 ヤマトタケズ ◆r5m21u0gDo 投稿日: 03/12/09 00:00 ID:rmDuE3hN
☆ ☆  ほしはすばる  ☆ ☆ 1/ 

 今日、ニホンちゃんたちはアメリー君んちのハワイ棟屋上で冬の星座を観測してます。
 ご存知の通り、アメリー君の家は大きくて建物が沢山あり、アメリー君の家族や従業員が
入居しているのですが、その最上階のほとんどはワスプブルク家出身の人しか住めません。
でも、このハワイ棟は比較的最近アメリー君ちの所有となったのでそんなことはありませんし、
ニホンちゃんの親戚も大勢居るし、温水プールもあるので、彼女はここが大好きなのです。
「わーっ!みてみて、タイワンちゃん、シリウスー!」
「ゲルマッハくーん、アーリアちゃーん、ふたご座だよーぅ」
この2・3日でめっきり寒くなりましたが、無邪気に彼女ははしゃいでいます。
「どうだい、町内じゃ、ここが一番、星がよく見えるだろー?」
いつものアメリー君の自慢はスルーしてみんな冬の夜空を楽しんでいます。

 そして、今使用している望遠鏡にもその名前を付けているくらいニホンちゃんの一番のお気に入り、
「…すばる、きれい、、、」
「ほんとに美しいですわね」「プレアデス星団でしたかしら」
「410光年の彼方にある若い星々の集まりだったかな、アーリア」
「若くて美しい集団なんて、まるで今の君たちのようだねぇー」
「おれは地球町の端にある大危険崖にも“はぶる望遠鏡”を持っててさあ」
『聞いてねえって!』、、、、みんな楽しそうです。ところが、
2/4

「ウーリはゆくぅー トンがぁった頬のままぁでぇー♪」彼です。カンコ君です。
「げっ!」「このカプサイシンでつぶれたダミ声は...」いっせいにみな歌声の方へ向き直ります。
「天知る 地知る 謝罪汁、、、ウリだけ仲間ハズレにしたことを反省するニダ!」
「だって仲間じゃないもん」と、みな心の中でツッコミましたがそれを口にすると更にややこしい
ことになることをみな経験上知っているので、とりあえず宥めにかかります。
「ごめんね、カンコ君。きっと忙しいんじゃないかと思って、、、」
「君は博学だから、いまさら初歩の天体観測で勉強なんて必要ないんじゃないかなって思ったんだ」
もちろんホントはみな星空の情緒に浸りたくて、暗黙の了解で彼には声をかけなかったのですが...
「ニダ?よろしいニダ。」
あっという間に上機嫌に成りました。単純ですね。
「無識なニホンたちに天文学のイロハを教えてやるニダ。」
BKAOOOOOOOOM!!
タイワンちゃんの必殺の右ブローが炸裂しました。GJ!
カンコ君は彼女のバックに流星群を見、その直後、走馬灯のように自分の生まれてから今までの、、、
「はっ!つい...」正気に戻るタイワンちゃん。
ぐゎしゃっ!!顔面から弾道飛行を終えるカンコ君。
3/4

 カンコ君の頭部からどくどくと湧き上がる赤い液体がハワイ棟屋上に拡がって模様を描いてゆきます。
「あ...きれい...」 
そう、それはまるでカンコ君の...
『ムクロノ花ガ咲キマシタ』
「勝手に人を殺すんじゃないニダッ!!」
「わ、生きてた。」
さすが、あっという間に回復しました。
「っていうかカンコ...おまえって....」アメリー君が問います。「..ヒトか?」
彼の常識ハズレの生命力がアメリー君に「ひょっとしたらこいつは今俺たちの頭上に拡がる星々のどれかから降ってきたんじゃなかろうか」
と妄想させたようです。
「ではウリの講義を始めるニダ。」(あーあ)
「実は動いているのは星ではなくて地面の方ニダ。なんとこの惑星は球体をしていて回っているニダ。」(はいはい)
「だから南半球では太陽は西から昇って東に沈むニダ。」(バカボンかよっ!!)
「そして大宇宙は無限に拡がってるニダ。だからウリのような大きな望遠鏡での観測が不可欠ニダ。」
(カンコって望遠鏡、持ってたっけ?)(さあ、デンパ望遠鏡なら確実に持ってるだろうけど...)
「そこ!聞こえてるニダよ。よろしい、見せてつかわすニダ」
と自分の望遠鏡をセットし、みなに覗かせます。
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「星は遠くに在りすぎてそこを出発した光がウリナラに届くまでにキムチが酸っぱくなる位かかるニダ。」
「あれ?このカンコ君の望遠鏡...」覗いたニホンちゃんが首をかしげ、マコロニーノ君に替わります。
「ほんとだ、少しヘンだねえ。」「おかしいですわねえ。」エリザベスちゃんやフランソワーズちゃんも同様の反応です。
 カンコ君はお構い無しに講義を続けます。今日のは抗議ではなくて講義です。

「つまり天体を観測するという事は、過去を見ることと同じ事ニダ。」

『ああっ、それで!』みんな一斉に納得の表情です。
「な、みんなどうしたニカ?」
不振がるカンコ君に、みんな声を合わせて叫びます。

『だからカンコ(君)の望遠鏡は歪んで見えるんだ。』

「 ア ・ イ ・ ゴ ォ  ー − ‐  . .  」

  ちゃん ちゃん

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