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第1996話
熱血君 ◆O4x3A1GrPw
投稿日: 04/09/29 01:50:41 ID:GST/jqfO
「恋せよ乙女」
年頃の娘は恋をしたがるもの、そういうことにはとかく疎い黒髪の
おっとりさんは別にしてクラスの皆も次第にそれを意識してきています。
どちらかというとませているのは女の子、しかもこうしたことは
案外普段は目立たない娘がやるものです。
アジア町のお金持ちブルネイちゃん、お金持ちでも目立たないのは
他の皆があまりにも濃いからです。
それでも最近何か色気が出て来たようです。その服装が次第に派手
になってきました。
「ブルネイちゃん最近お洒落ね」
そういうことには疎い黒髪の女の子が彼女の服を褒めます。
「何かあったの?」
「うん、実はね」
そっと耳打ちをします。するとニホンちゃんの顔が見る見るうちに
桜色になっていきました。
「それ本当!?」
「うん、皆には内緒だよ」
「ええ。それにしてもいいなあ。もう恋人が出来たなんて」
「えっ、恋人!?」
その言葉に鬼太郎の妖怪アンテナの様に反応した皆が一斉に
二人の方を向きました。
「酷いじゃないかブルネイちゃん、僕を放っておいて」
「あんたは黙ってなさい」
マカロニーノ君がまず女の子達にへこまされます。
「それ本当の話!?」
女の子達がズイ、と前に出て尋ねます。
「う、うん」
黙っているつもりだったのに知れ渡ってしまいブルネイちゃん
いささか困惑しています。
(参ったなあ)
それでもここまできたら否定できません。正直に言うこと
にしました。
「うちの人とだけれどね。親戚のお兄さん」
「親戚の人かあ」
「けれど年上なのよね。それっていいなあ」
年上好みの娘達はそれだけでもううっとりしています。
「ふうん、そんなもんなんだ」
今一つどころか二十程そうした話に疎いニホンちゃんはぼんやりと
聞いています。けれどふとブルネイちゃんに尋ねました。
「ねえ、ブルネイちゃん」
「何?」
「そのお兄さんなんだけれど」
「うん」
「六年生の人?それとも中学生?高校生や大学生はないよねえ。幾ら
何でも」
「あはは、ニホンちゃん、お兄さんもう社会人よ。大学は卒業
してるわよ」
「そう、よかった・・・・・・え!?」
「な、何だってーーーーーーーーーーーーっ(MMRでお読み下さい)」
皆それを聞いて思わず絶叫してしまいました。
「どうしたの、ニホンちゃんまで。まるでノスさんの予言を聞いた時
みたいな顔して。町は滅亡しないわよ」
少しキョトンとしています。
「そんな問題じゃないわよ、そのお兄さんって幾つ!?」
「二十三歳」
「何とまあ・・・・・・」
皆それを聞いてもう呆然としています。
「けれど何で皆そんなに驚いてるの?私わからないんだけれど」
ブルネイちゃんはわからない、といった顔をしています。
「当然よ。幾ら何でも歳が離れすぎてるよお」
ニホンちゃんも流石にそれはまずいと思っているようです。
「そうかなあ。十三歳差なんて結構あるよ」
けれどもブルネイちゃんはそう反論しました。
「よくあることじゃない。歳の差夫婦なんて」
「けど」
「大丈夫、結婚はしないから。だったらいいでしょ。今は
フィアンセなの、フィアンセ。他は何にもなし」
「うう・・・・・・」
そこまで言われてはもう反論できません。皆沈黙してしまい
ました。
「だからいいでしょ。あ、皆結婚式には呼んであげるから安心
してね。うちの結婚式って凄い豪華なんだからな」
「うん、それで何時?」
「私が十七になった時よ(にこり)」
「アンビリーバボーーーーー・・・・・・」
思いもよらぬ進んだ話に呆然とする一同でした。恋はそれぞれ、
色々あるものです。
解説
熱血君 ◆O4x3A1GrPw
投稿日: 04/09/29 01:54:56 ID:GST/jqfO
今回のソース。リクエストにお応えしまして。
ttp://www.reuters.co.jp/newsArticle.jhtml?type=worldNews&storyID=6190096
タイトルはモーツァルトのオペラ『ドン=ジョバンニ』のアリアより。
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