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第2022話
無銘仁 ◆uXEheIeILY
投稿日: 04/10/19 18:07:47 ID:a8/KUDSn
「偉大な文字」
カンコくんは自宅の表札が気に入りません。アボジが表札を取り替えてしまったからです。
美しいハングルをあしらった木の表札が、今では無機質な英文字のプラスチックです。
「もう我慢ならないニダ。ウリナラの誇りを汚す者はアボジとて容赦しないニダ!」
カンコくんはとうとう、アボジに直訴することにしました。
「いいかカンコ、時代は国際化ニダ。ウリナラもいつまでも我がことだけ考えているわけに
いかなくなったニダ。表札はお客さんに配慮したスミダ」
アボジは努めて冷静に話しましたが、初めから沸騰寸前のカンコくんに通じるはずもありません。
「表札だけじゃないニダ。風呂をバス、台所をキッチンというのはやめるニダ」
「あくまで表向きニダ。ウリナラではウリナラの呼び方をするとしても、
町内の皆さんにはそのままでは通じないから、表記を変えたに過ぎないニダ。
お隣でも普通にやっていることニダ」
とうとうカンコくんは怒りに任せてがなり始めました。頭のどこかがおかしくなったようです。
「ウリには優れた文字を使う権利があるニダ! 家訓にも書いてあるニダ!
ウリナラの文化を保って豊かな暮らしをする権利があるはずニダ!
人権侵害事案として討議しる! 反省しる! 謝罪しる! 賠償汁!」
あまりに慌てて叫んだので、最後の「しる」を「汁」と発音してしまっています。
アボジは我が子の狂乱に困り果ててしまいましたとさ。
もっとも、我が子にハングルの価値を教え込んだのはアボジなのですが。
※ソウル市の路線バスとハングル学会が元ネタです。
最初はまともな主張なのに、どうして途中から電波になるかね……。
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