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第2196話
どぜう ◆3F8jIdnlW2
投稿日: 05/03/20 19:35:01 ID:7pUhVj/v
「カンコの異常な愛情
−または如何にしてウリは悩むのを止めニホンにねだるようになったか−」
1.
きーんこーんかーんこーん。
地球町小学校の終業のベルが鳴りました。
つれづれなるまま下校していく生徒たち。
その中を突っ切って「やいやいやいやい、ニホン!」
と、がに股で風切り現れたのは、そう、例のごとく例によってカンコくんです。
「ん、なに?」と、
最近ちょっぴりカンコ君のパフォーマンスに飽き気味のニホンちゃんですが、
ご近所付き合いは大切ね、と、背後のカンコ君に振り返りました。
相変わらず理由もなく堂々としているカンコ君、仁王立ちになりながら、
「ウリのラブリィチャーミィな竹島パンツを、
機会があったら盗ろうと企ててるニホン!
ニホンのデリカシィのない言動に、ウリのハートはボロボロニダ!
さあ、今日も謝罪汁!そして賠償汁!!
…と、云いたい所が、ニダ。
今日はニホンにビッグなプレジェントを用意したニダ!」
と、背後から取り出しましたるパネルを、
ニホンちゃんの前にどん!と置いたのでした。
2.
「ニホンの家でが主催してる愛・地球町博に置いてやってもいいニダ!
何と云ってもウリとニホンはニッカン友情の間柄!
末長く賠しょ…ゲフゲフン、友情をはぐくむ運命ニダ!!」
ダンボール製のパネルには、殻を剥いたゆで卵みたいな女の人と、
マフラー姿の男の人が並んで描かれていました。が、
マフラー男の顔は何故か切り抜かれています。
「カンコ君?これ…何?」
「冬ソナパネル、ニダ!これであなたもヨン様になれる!ニダ!!」
こう云っちゃなんですが、愛・地球町博には、日之本家の科学技術の結晶とかが、
これでもかっ!とばかりに注ぎ込まれているのです。
曰く、二足歩行ロボやら、リニアモーターカー、etc、etc…
百歩譲るとして、愛・地球町博のカンコ家のブースは、かなり多めに取られています。
ブースの広さでは他のお家の誰よりも大きいのです。なのに。
あのさあ、カンコ君、判ってないよ。ダメダメだよ。
みんな結構気合い入ってるんだよ。
ランカ君なんか去年の怪我が治ってないのに一生懸命作ってるんだよ。ブース。
大体なんでマフラー男の顔を切り抜いちゃうの?!
冬ソナのメインターゲットはおばさまなのよ。マフラー男目当てなのよ。
それを…ああもう…
と、油断すると口を突いて出そうになる言葉を、
奥歯で噛み砕こうと努力するニホンちゃん。
相変わらず、ニダニダ、と自信満々のカンコ君。
云わなきゃ駄目かな?そうだよね。うん。ちゃんと云おう。
と、口を開こうとした、その時でした。
3.
「や、やあ。ニホン。こんな、ところにいたのか」
と、わざとらしーく登場したのは、アーリアちゃんとゲルマッハ君でした。
「あの、その私も、今日は、ニホンに見せたいものがある、んだ」
と云いながら、二人は校庭の傍においてあったカートを引っ張り出してきたのです。
「こ、これなに?」
「あー、あのその。た、『体験のしずく』と名付けた…
愛・地球町博で使う…つもりだ」
「へえー!やっぱり二人のトコの車はかっこいいなあ…」
と、うっとりした様子で涙滴状のカートを撫で撫でするニホンちゃん。
ああ…ニホンの手が…
と、妙に熱っぽく呟いたアーリアちゃんはほっておいて、ゲルマッハ君が、
「ちょうどいい、三人一緒にこれからニホンちゃんの家へ行かないか?」
と、提案しました。予定通りです。問題ないんです。
「あ、ああ。愛・地球町博の準備もあるし…」
我に返ったアーリアちゃんがそう促すと、
「あー、そぉう?なんだか悪いなあ〜」とか云いながらニホンちゃん、
満更でもないご様子です。
「ま、待てニホン、ウリ」
「すまんが、カンコ。このカートは三人乗りなんだ」とゲルマッハ君。
「そ、そんな風には見えないニダ!ちゃんと乗れるスペースが」
抗議しようとしたカンコ君ですが、
す、と前へ出たアーリアちゃんの目を見て、
ひぃ、としゃくり上げたまま二の句が継げなくなってしまいました。
「いいかカンコ?『日之本家におけるドイツ年2005-2006』が
4月から開始されるんだ。我等とニホンがお近づきになる絶好の口じ…
もとい、お近づきになる機会なのだ、邪魔をするな?判ったか?」
言葉尻は押さえてありますが、空色の瞳が熱く燃えています!危険です!
そのまま蛇に睨まれた蛙のごとく、動けなくなってしまったカンコ君を置ぎ去りに、
三人を乗せた『体験のしずく』は、あっと言う間に視界から消えてしまったのでした。
4.
「オッパ?カンコオッパ?なにしてるニカ?」
虚脱状態のカンコ君に話しかけたのは、
ウサギの世話から開放されて、家に帰ろうとしたチョゴリちゃん。
「ウリは、ウリは…」と、チョゴリちゃんに呆然と訴えるカンコ君。
「?」
「ウリは所詮、ただのお隣さん、ニカ…」
と、泣き崩れるカンコ君。「『ただ』の幼なじみニカ…」
哀れ、おいおいとマフラー男にしがみついて泣き崩れ始めたカンコ君を、
たっぷり一時間はチョゴリちゃんはあやさなければならないのでした。
どっとはらい
解説
どぜう ◆3F8jIdnlW2
投稿日: 05/03/20 19:37:11 ID:7pUhVj/v
水温む春のどぜうです。解説です。目が鼻が、花粉が。
あー、愛・地球博。韓国館、ガラ空きらしいですね。
今更冬ソナのパネル、しかもジウ姫じゃなくて、
マフラー気分を味わいたいんでしょうか?ファンの方々は。
理解に苦しみます。
元ネタは愛・地球博韓国館とドイツ館の展示概要でつ。
あとは日韓友情年と日本におけるドイツ年、でつ。
4月からですよー。
・キミもヨン様気分
ttp://www.sponichi.co.jp/osaka/ente/200503/19/ente178057.html
・日本におけるドイツ年
ttp://www.doitsu-nen.jp/index_JA.html
・愛・地球博ドイツ館
ttp://www.expo2005.or.jp/jp/C0/C3/C3.12/C3.12.9/index.html
・愛・地球博韓国館
http://www.expo2005.or.jp/jp/C0/C3/C3.10/C3.10.10/index.html
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