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第2772話 マンセー名無しさん 投稿日: 2007/06/30(土) 00:18:53 ID:IM63dU5P
「おたがいさま?」

ある日の事、アメリー君、すごい剣幕で日の本家に土足で上がりこみました。

「ア、アメリー君どうしたの・・・」

「どうもこうもないよ。ニホンちゃん。
 …君さぁ、色々キッチョムを批判してるよね。親戚のメグミさんとかカオルさんを家に勝手に上がりこんで攫って行ったって。
 そりゃ僕もヒドイと思ったさ。だけどなんだい。君の家だって同じ事やってるじゃないか!
 そこにいる子は一体何だい。え?」
 
と、アメリー君が指差すのはザイちゃん。

実はザイちゃん、最近溜まってきたお小遣いをアメリー家の「とある人」に渡して、このような悪口をアメリー家で言いふらして廻ってもらっていたのです。
物事を単純明快に?理解したがるアメリー君、それにコロッと騙されてしまい(自分のおうちがやったことも忘れて)日の本家に上がり込んだという訳でした。

「ちょ、ちょっとアメリー君、それとこれでは話が全然ちが・・・」

「違わないニダ!!!」

ここぞとばかりにザイちゃんが叫びました。
こういう時こそ我が人生の晴れ舞台。とっても元気なザイちゃんです。

「ニホンは実は、とっても、と〜〜〜っても悪い子ニダ!!嫌がるウリを無理矢理この家に連れ込んだニダ!!
 ウリはメグミなんかより百倍、いや千倍も可哀想な子ニダ〜〜!!!アイゴー!!!」

ザイちゃん、感極まって泣き出してしまいました。

(つづく)
(つづき)

「・・・」

こういうザイちゃんにはもはや慣れっこのニホンちゃん。
ただし今回はアメリー君から責め立てられるというオプション付のため、どう対応しようか考えあぐねているようです。
アメリー君に一から説明するのもかなり時間がかかりそうです。


「・・・ほら、何も言えない。やっぱり我が家のホンダさんの言ったとおりだ。君はキッチョムを批判する資格なんかないよ!」

鼻息の荒いアメリー君。
困惑するニホンちゃん。
目をキラキラさせてアメリーをみつめるザイちゃん。

三者三様です。
(つづき)

アメリー君は裁定を下すかのようにこう言いました。

「いいかい!僕の目の前でこんな非人道的行為は許されない。僕の内なる正義が認めない。
 ニホンちゃん、君はキッチョムがメグミさん達を返すよう努力すればいい。今までどおりにね。僕もできる所は協力しよう。

 ただし、その代わり!

 ここにいる可哀想なザイちゃんを、キッチョムの元へ一刻も早く返すこと!

 これがフィフティフィフティ、公平って奴さ。
 これが出来なきゃニホンちゃん、君は自分の都合しか考えられない愚か者だよ。
 いいね? わかったね!? 」

アメリー君、言いたい事だけ言ってしまうと、また慌ただしく日の本家を去って行きました。
アメリー君は忙しいのです。
(つづき)

「はぁぁ…またここ暫くアサヒが鬱陶しそうだなぁ…はぁ」

ぶつぶつ言いながら、ニホンちゃんはそれまでやっていた家事に戻りました。

「・ ・ ・ 」

後には

あまりの展開に、白目を向いて、立ったまま硬直してしまったザイちゃんが残されました。


2階で事の成り行きを見守っていたウヨ君がボソッと一言。

「それ、なんてブーメラン?」



おしまい


解説:
リアルタイムなので特にソース要らないでしょう。
アメリーの最後のセリフは作者の創造ですが、論理的にこういう展開しかないような。

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