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第2774話 「指切り」 1/3 投稿日: 2007/07/05(木) 23:23:33 ID:g6jgjGO3
一日の授業が終わり、各々が雑談しながら帰り支度をしている教室で、

「ウリは指切りを無かった事にするニダ! ニホンーーーっ!!」

ランドセルに教科書を詰めていた女の子に向かって、唐突にそう宣言したのは、(自称)極東地区のバランサー―カンコ君
宣言された女の子―ニホンちゃんは、何の事やら分からない様子で聞き返します

「指切りって仲直りの?」
「そうニダ!」

カンコ君、力強い調子で即答してます

「ええっ? だっ駄目だよ、よくないよ」

驚いたニホンちゃんは当然ながら止めようとしますが、

「反対するという事は、ニホンにはやましいところがある証拠ニダ! 是非とも無かった事にするニダ!」
「別に疚しいところはないけど、そこまで言うなら。 でも私は反対したからね」

カンコ君が聞き入れるはずも無く、あっさり流されてしまいます

「ニホンも認めたニダ、これで指切りは無かった事になったニダ。 さっそく謝罪と賠償を……」

お決まりの台詞を言い募ろうとするカンコ君ですが、ニホンちゃんがそれを遮りました

「それじゃあ、現状復帰の原則に則って、前に指切りした時に送ったお饅頭返してね」
「ニダ?」
「もちろん、あの時の物をそのまま返すのは駄目だよ、ちゃんと新しく買って返してね。 それからカンコ君の家に置いてあるう
ちのもの引き取るから、カンコ君もうちに置いてあるもの引き取ってね」
「ちょ、ちょっと待つニダ」
「あ、あと竹島パンツもちゃんと返してね」
淡々と今後実行すべき事柄を言い並べていくニホンちゃん、カンコ君がを止めようとしても止まりません

「何でそうなるニダーーーっ! 指切りを無かった事にすれば、ニホンがウリに謝罪と賠償をするはずじゃなかったニカーーーっ?」

えらい自分勝手な物言いです

「またおかしな事言い出したと思ったら、そんな事考えてたんだ」
「一旦結んだ指切りを一方的に破棄するなどという、非常識極まりない事を言っておきながら何を言っているのか。 指切りを破棄したならば、指切りによって履行された行

為も元に戻すというの当然の事ではないか」

「にゅっ」という擬音が聞こえそうな勢いで、ニホンちゃんの隣に陣取った二人に、自分勝手な物言いを突っ込まれてます

「むっ、タイワン、アーリアどっから涌いたニダ」

カンコ君、酷い言い様です

「人をお前(アンタ)の様な奴扱いするな」

カンコ君、酷い言われ様です

「ともかく、きちんと説明しなかったニホンが悪いニダ。謝罪と賠償を要求するニダ」

二人を相手にする愚を悟ったのか、ニホンちゃんに向き直りいつもの台詞を言い出しました

「最初に反対したじゃない」
「うるさいニダ。指切りを無かった事にした事を無かった事にするニダ」

ニホンちゃんも反論しますが、カンコ君には効果がありません
そんな押し問答を続けている内に、ニホンちゃんの雰囲気が変わって行きます
「ねえ、カンコ君は汚いのは嫌いよね」
「? 当然ニダ、ウリほどのきれい好きは他にいないニダ」

カンコ君、分かってません
ニホンちゃん、徐々にカンコ君に近づいて行きます

「一度、口をついて出た言葉はそう簡単には取り消せないのよ」
「何が言いたいニダ」

カンコ君の顔を覗き込むようにして、ニホンちゃんはこう言いました

「吐いたつばは飲むなってことよ」
「二、ニダ(汗)」

ちゃんちゃん

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