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第35話 大洞商会 投稿日: 02/07/12 00:47 ID:iRrBG2Fj
試作品
「リヤカー」

ニホンちゃん家はまさにハイテクの塊です。
でもローテクな物がないわけでもありません
ニホンちゃんが細々と作っている、リヤカーまさにローテクの塊です

「お姉ちゃん、どうしてそんな時代遅れな物を作るんだよ、そんな物作っても
 ちっと儲からないしトラックの方が便利だし、いまは経費削減の時代だよ、
 そんな無駄な事はやめるべきだよ」

ウヨ君のいう事ももっともです今は車全盛の時代なのです。
いくらニホンちゃんが神業的職人芸を駆使して作っても売れるのは年に数台程度です。

そんなウヨ君にニホンちゃんは諭すように話し掛けます

「ウヨ、世の中にはたくさん売るよりも大切な事があるのよ
 少しだけ昔の事だけどね、お父さんにアフリカ町に住んでる人の為にリヤカーを作ってくれないかって
 頼まれた事があったわ、そこで私が。
「本当に役立てたいのならば設備や機械を持っていって向こうで指導しないと」
 ってお父さんにいったら
数日後アフリカ町に住んでる男の子がリヤカーを作る為の研修生にやってきたわ
でもその男のは、これがまた不器用で何度教えてもだめ。
もうあきらめようと思ったある日、就業後倉庫の隅でもくもくとリヤカーを磨く彼があったの。
帰るように異様と思ったとき,
彼は熱い思いを口にしたの
「水を運んだり、小作の人が使ったり,病人を運んだり、リヤカーを役立てたい。自分の国に広めたい」
そんな彼の言葉と思いにもう一度、もう一度リヤカーが役立てるかもしれないと思ったの」

「で その人はリヤカーの作り方を憶えたの?」

「もちろん、きっと今でもアフリカ町でリヤカーをつくってるわよ
 もしまた、おしえて欲しいって子が来た時の為にも技術を絶やしたらいけないの」

姉の話を聞き、ウヨ君はもう、それ以上文句は言いませんでした。

おしまい

ケイブンシャ発行「コロンブスのゆで卵」を参照にしました。
あとこちらも
http://www2u.biglobe.ne.jp/~rearcar/Main-ie4.htm
http://www.3ac.co.jp/thu/takumi/10d3c001.html

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