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第33話
三毛 ◆wPntKTsQ
投稿日: 2003/11/19(水) 00:39 ID:8cwV58BM
「いたずらっこ」
今さら言うまでもないことですが、ニホンちゃん達は小学生です。
さて、小学生というお年頃は、下らないイタズラに大いに盛り上がる時期でもあります。
たとえば………。
「さーて、今日も元気にお勉強するわよー!」
がらっ!ぼふっ!
意気揚々と教室に入ってきたフラメンコ先生。しかし、戸を開けた瞬間に、間の抜けた音とともに白煙に包
まれます。
「げえっほげほごほがほげほ!」
「やっりぃー!大成功!」
怪しい舞踏家集団のように、全身を真っ白にしてせき込む先生。それを後目に、戸に黒板消しを仕掛けた
マカロニーノ君とロシアノビッチ君がハイタッチします。
「こっ……この悪ガキどもがぁーっ!」
「これはしたり。こんな下らないイタズラに引っかかる先生のほうがマヌケだと思うよ、ボクは」
「そうそう、注意力散漫ってやつだな」
平然と追い討ちにかかる二人。しかし、怒りゲージMAXの先生には一切通用しません。
「問答無用!二人とも今日の宿題は当社比五倍!さらにトイレ掃除と反省文十枚を提出すること!」
「マンマミーア~~………」
「くうっ、魔女のバァさんの呪いか!?……………ところで当社比ってなんだよ…………」
言うまでもありませんが、彼/彼女達は小学生です。
その無駄にほとばしるエネルギーは、楽しい楽しい給食の時間も、とどまるところを知りません。
たとえば…………。
テトラパックの牛乳を、ちうちうと吸っていたエリザベスちゃんの肩を、誰かがちょんちょん、とつつきます。
「?」
ストローをくわえたまま振り向いたエリザベスちゃんが見たものは、セロテープで鼻の頭をつり上げ、両の
ほほを手のひらでむにゅう、と押し潰したタイワンちゃんの顔でした。
「ぶふうぅぅぅぅっ!」
ある意味女を捨てているタイワンちゃんの特別攻撃に、エリザベスちゃんあえなく撃沈。口に含んだ牛乳を
毒霧よろしく大噴射。ものの見事にタイワンちゃんは白く塗装されてしまいます。
「あーっ!なんてことすんのよー!?」
「何おっしゃるの!?もとはといえば、貴女が下らないイタズラするからですわ!」
「我慢しなさいよそれくらい!」
「無茶言わないで頂戴!?あんなブタさんみたいなご尊顔、笑うななんて無理難題ですわ!」
「ぶ、ブタですってぇ!?」
「………………いい加減にしなさいっ!!」
つづき
くどいようですが、みんなは小学生です。
好奇心いっぱいの彼らは、いささかどうかと思われるようなお下劣なイタズラにも、果敢にチャレンジしたりするのです。
たとえば…………。
男の子たちが、なにやらゲームの話で盛り上がっているようです。と、その一団を、怪しくつけ狙う一つの
影。それは、足音を忍ばせ、姿勢を低くして、獲物を狙う猛獣のように、何も気づいていない少年達に忍び寄
ります。
影は、パラ雄君の真後ろにたどりつくと、しゃがみ込んだ姿勢のまま、顔の前で両手を組みます。
組んだ手から、二本の人差し指だけを高々と伸ばすと、慎重に狙いを定め、そして――――。
「ニダッ!」
「はぅぁあっ!?」
ものの見事にクリティカルヒット。魂消る悲鳴。のけぞるパラ雄君。
彼のお尻に、影―――カンコ君が突き出した人差し指が、深々と突き刺さっていました。よほど刺さりどこ
ろが悪かったのでしょうか。パラ雄君の顔色は、蒼くなったり赤くなったり紫色に染まったりと、非常に苦しそ
うです。
…………そう。カンコ君は、いわゆる「かんちょー!」をかましたのです。
「カ、カ、カ、カンコ…………お、おのれ…………」
「ウェー、ハッハッハッハ。ぼんやりしてるからニダー!」
尻に帆かけて遁走するカンコ君なのでありました。
「ニダハハハ、うまくいったニダ。さて次は…………ん?」
カンコ君の目がニダリと光ります。その視線の先にいるのは、ニホンちゃんを囲んで談笑する女の子たち
でした。
「ちっ、ニホンは椅子に座ってるからかんちょー出来ないニダ。生意気ニダ。あとで泣かしてやるニダ」
ぶつくさ不平を漏らしつつも、戦闘態勢に入るカンコ君。いつもはイヤな存在感を周りに発散している彼で
すが、こんなときに限っては静かで気配をたてません。
じりじりと女の子たちににじり寄るカンコ君。まだ気づかれていません。やがて有効射程圏内に到達した彼
は、目の前で揺れるショートパンツに包まれた可愛いお尻にロックオン。
(エネルギー充填120%!誤差修正マイナス5!照準セット!ファイアー!ニダ)
「ニダ―――――ッ!!」
「うっきゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
つづき
突然の奇襲に悲鳴をあげたのは、インドネシアちゃんでした。直接的な被害は、パラ雄君ほどではないよ
うです。ただし、精神的には被害甚大のようですね。お尻を押さえて、つむじ風のように振り向いたその顔は
紅葉のように真っ赤っかです。
「ウェー、ハッハッハッハ~!」
呵々大笑するカンコ君。が、その表情が一瞬のうちに凍り付きました。
彼を睨み据えるインドネシアちゃんのつぶらな瞳に、みるみる涙が溢れてきたのです。
…………そして。
「ふ………ふえっ……………ふえぇぇぇぇ~~ん!」
インドネシアちゃん、大泣きしちゃいました。
さあこれに慌てたのがカンコ君。野郎相手だったら、パンチの一つも貰うか同じ方法でリベンジされるとこ
ろですが、目の前で泣かれるとどうしていいのか分かりません。
「あああああー!泣かしたー!!」
さらに追い討ちをかけるように彼を指さして叫ぶタイワンちゃん。周りにいた女の子たちも、「ひっどーい!」
とか「信じられない!」とか、もう非難囂々です。
「い、インドネシアちゃん………泣かないで、ねっ?」
慌ててニホンちゃんが慰めにかかりますが、インドネシアちゃんはよほどショックが大きかったのでしょう、
ニホンちゃんの声も耳に入らずぴぃぴぃ泣いています。
「ふ、ふん!この程度で泣くなんて信じられんニダ!」
よせばいいのに、虚勢を張るカンコ君。たちまち、女の子軍団から罵声のカウンターが返ってきます。
「…………サイテー…………」
ぼそり、とニホンちゃんが、低い声で呟きました。温厚なニホンちゃんすら怒らせてしまったことに気づいて
固まるカンコ君。そして、さらに。
「ふええ~ん、ふみぃぃぃぃ~ん………ひくっ、えぐっ………え…えっちなのは………」
「ニダ……?」
「えっちなのはいけないと思いますぅぅ~っ!!」
その瞬間、カンコ君の身体が宙に舞いました。恐るべき勢いで、インドネシアちゃんがアッパーをかました
のです。人形のように放り投げられたカンコ君が床に落下する前に、パンチとキックと引っ掻きの連打連打
連打。ほとんどハメ技です。
「い、インドネシアちゃん!?カンコ君死んじゃうよ、やめて!」
「ほっときなさいよ、ニホンちゃん。バカンコにはいい薬だわ」
「そうだな。これで少しは大人しくなればいいが」
「…………自業自得………」
号泣しつつ大技を繰り出しつづけるインドネシアちゃん。いつもの「アイゴー」すら言えずに、空中を舞い続
けるカンコ君。でもそれは、いつもの五年地球組の光景なのでありました。
おまけ
「……………まったくもう!」
ぷんすかぷん、と、フラメンコ先生が怒りながら職員室に戻ってきました。女の子からのたれこみを受け
て、カンコ君におしおきを敢行してきたのです。
「どーしたんですか?フラメンコ先輩」
「ハプスブルク先生……………職場で先輩はやめなさいってば」
「あ、ごめんなさ~い……それで、今日は誰が事件起こしたんですか?」
「……………いつものあの子よ」
「はぁ…………」
「もう聞いて頂戴よ。あの子ってばねぇ………」
「なるほど~。懐かしいですねぇ、かんちょーなんて」
「まあ、今も昔も、子供ってのは変わらないわよね……」
「ホントに。わたしも、子供のころは何度先輩にかんちょーされて泣かされたことか」
「わーっわーっわーっ!!」
「ふぇ?わたし、何か変なこと言いました?」
「…………いいこと?人のいるところで、そんなこと言っちゃだめよ?」
「ダメなんですかぁ?わかりました。…………ところで先輩?わたし、三毛猫亭のアップルパイが食べたい
んですけどぉ」
「こ、この子は………………」
ああ、ガキの頃にやんちゃなんかするんじゃなかったわ、と、心の中で号泣するフラメンコ先生なのであり
ました。
おしまい
解説
三毛 ◆wPntKTsQ
投稿日: 2003/11/19(水) 00:41 ID:8cwV58BM
三毛であります。
今回のネタは、女性にかんちょーしてタイーホされたニダ!という記事です。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/11/17/20031117000048.html
………………………………_| ̄| (((○コロコロ
最近は、ジョークスレ職人が号泣する事件ばっか起こしてるなぁ。
えーと、「Still…」なんですが、もう少しだけ時間下さい。煮詰まってます…………。
では!
アンドレ・ギャニオン「Entrelacs」を聞きながら 三毛 拝
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(*^ー゜)b Good Job!!
(^_^) 並
( -_-) がんばりましょう
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