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第61話
iceman
投稿日: 2006/03/20(月) 23:53:24 ID:1bVZHlSv
【剣道ウォーズ】エピソード4 〜サムライと野球〜 @
「どうして、野球の勝負で、剣道の発祥地を決めなければならないのぉ!」
「何でも受けて立つわと、姉さんがカンコに言ったからだよ。」
「・・・でも、何で野球なの?しかも、一対一の決闘って何なの?」
「それは、最近カンコの奴が、野球の調子を上げているからさ。本場のアメリー君宅で、
ずいぶん野球の勉強をしてきたようだよ。」
「そういえば、うちにもちょこちょこ来ていたわね。」
「そんな訳で、かなりの技術を修得して、もはや日米と同等の力があると鼻息が荒いんだ。」
「しかも相手が日之本家でも、ボクなら十二分に勝算があると値踏みして、一対一の勝負を
申し込んできたらしい。」
「あーあ、猪口才にも付け上がっているわけね。それで、仕合方法はどうなっているの?」
「表裏の9回戦で、アメリー家の野球場にゲーム盤みたいな各ヒットゾーン設けて、投手と
打者の立場で勝負。投手が投げたボールを打者がヒットゾーンに打つごとに進塁、透明走者
を採用し、3球打ち損ねたら攻守交代。審判はアメリー君が用意してくれるって話だよ。」
「一応、ちゃんとした感じね。それなら、一対一の仕合というのも分かるけど、相手があの
カンコ君だから、くれぐれも油断しちゃダメよ、武士。」
「僕の野球チームのリーダーに、今後30年の差があると言われたって憤慨し、カンコ家は
火病状態になっているというし、家の名誉に係る大事な勝負だから、何度か練習の手合わせ
をしてから本番をするとかで、なんだか責任重大で緊張するな。」
【剣道ウォーズ】エピソード4 〜サムライと野球〜 A
「しっかりしなさい、武士!」
黄色のチアガール姿で応援するニホンちゃんが、ベンチボックス上から呼び掛けた。
試合はお互いに無得点のまま後半に入っており、武士の頭に練習試合での悪夢がよぎる。
「でも、昨日までの練習試合で、連敗しているんだよ。あのアメリー君も負けているし。」
すかさず、ニホンちゃんの鋭い声が飛ぶ。(両腕を腰に当て、足を20p程開いた構えで)
「それは、貴方が未熟だからよ。」
「どういうこと?姉さん。」
ベンチから仰ぎ見るニホンちゃんの素足にドギマギしつつ、助言を請う。
「武士は、妙に相手を気にし過ぎて、必要の無い所まで体が硬くなっているわ。」
「現にお顔が赤いじゃない。相手応援団が汚い言葉で野次るので興奮しているのでしょ。」
(僕の顔がいま赤いのは、・・・)
「剣の術で言えば、刀の柄は柔らかく、脱力して持つこと。つまり、心身ともに柔軟な構え
でないと、相手の術中にはまり、翻弄されるだけよ。」
(翻弄か、前は目立ちたがり屋の球審に、今は姉さんの・・・)
「緊張と集中とは違うの。達人は仕合に集中すると、周りのことは一切気にし無くなるって
以前話したじゃない。」
「そうそう、気にせずに、もっと足を高く上げて、ウリを応援するニダよ。」
いつのまにか、カンコ君が日之本家ベンチまで来て、ニヤニヤとニホンちゃんの肢体を眺め
ている。
「そしたら、ウリの立派なモッコリをあげるニダ。」(註、モッコリ=韓国語でネックレス)
当然、ニホンちゃんの昇天キックを見舞われ、弧を描くように宙を舞いグランドに戻された。
「いつでも、どこでもHなんだから、もぉ!」
そんな些細な揉め事があった後、武士はニホンちゃんのおかげで緊張が充分解れたのを知り、
「ごめん、姉さん。何だか体が軽くなったよ。姉さんに昔、剣道の練習中に教わったことを
思い出し、無我無心の心持ちで戦ってみる。」
と言って、愛用の黒バットを両手で持ち、七回表のバッターボックスに入っていった。
【剣道ウォーズ】エピソード4 〜サムライと野球〜 B
「チョッパリ、今日で野球も剣道も韓国が宗主国となるニダ。」
アンダースローからの、地面から這いずり上がるボールが、武士に襲いかかる。
「カッコーン!」
迷うことなくフルスイングしたバットは、ボールを高々と打ち返し、右越えの先制ホームラン
を観客席に叩き込んだ。
武士は、これが日本のサムライ魂だと言わんばかりに、塁線上でガッツポーズを見せる。
「アイゴー!打たれたニダ。アボジ、もっと汚く野次るニダ!」
「カッコーン!」
「ア、アイゴー!また打たれたニダ。アジョッシ、ダンボールを皆に配りホームランボールを
グランドに落とすよう指示するニダ!アジュモニは、ボールを足元に転がし負傷させるニダ。」
「カッコーン!」
「何故ニダ?今日もちゃんと注射して来たのに、何故打たれるニダ?」
「・・・分かったニダ!薬の量が足りないニダよ。」
「雨で試合が中断している間に、もう一本、注射打ってくるニダ。・・・」
「カッコーン!」
「ファッビョーン!作戦も薬も効かないニダよ。これは絶対チョッパリの陰謀ニダ〜〜!」
【剣道ウォーズ】エピソード4 〜サムライと野球〜 C
「勝った!姉さん、勝ったよ。」
一時は弟の手を取り、髪とスカートを揺らして歓喜したニホンちゃんであったが、やがて、
思い出したかのように弟に背を向けて言う。
「武士、落ち着きなさい。剣道の心構えが出来ているなら当然の結果です。」
「相手は、術だけを真似て、武道における真の理を学ぼうとしなかった輩ですからね。」
「だけど、良くその境地に至りましたね。私の可愛い弟、小さなサムライさん。」
姉の背は僅かに震えている。弟は溢れ出ようとする涙を押さえようと、天を仰げば、白い
ものが、舞い落ちてくる。
「姉さん、春の雪だよ。」
「綺麗!雲上の先達も、汚名が雪がれて、喜んでいるのかもね。」
「カンコもこの清い雪を見たら、心を洗い直して、日本の伝統や文化をパクら無くなるかも
知れないよ、姉さん。」
「・・・それは、無理じゃない。」
マウンド上には、陰謀だ無効だと、皆で喚き騒ぎながら、太極旗を立てるカンコ家がいた。
後日、カンコ家から日之本家にメッセージが届き、読み上げるニホンちゃん。
「この間は、ウリ達の負けにしておくニダ。まあ、チョッパリも良く頑張ったニダよ。次の
週末は、サッカーで剣道の発祥地を決めるニダ。場所は、チョッパリが半分の半分の半分を
見習うべきゲルマッハ家の球場ニダ。」
「・・・懲りないわ。」
解説
iceman
投稿日: 2006/03/21(火) 00:03:54 ID:1bVZHlSv
≪引用ソース元≫
4は、主にWBCです。
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/ ! '` | '──--' { イェイ!!
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