Agnus Dei, qui tollis peccata mundi: dona eis requiem. 傷ついた妹を抱き上げる人影。その表情は心の底からの怒りを浮かべる。 瞳の奥にある怒りは、一体どこに繋がっているのだろうか。
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi: dona eis requiem. 家の行く先を滔々と語る父親。眺める子は表情に憧れと敬慕を漂わせている。 力を持つ事に、男の子はどうしてそこまで拘るのだろう。
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi: dona eis requiem. 子供には過ぎた道具を自慢げに見せびらかす。開き直りは誇りへと変化した。 扱いかねるその誇りが、どうして幸せを生むのだろうか。
Lux aeterna luceat eis, Domine: Domine: Cum sanctis tuis in aeternum, quia pius es. Agnus Dei, dona eis requiem. 私は遠くそれを眺める。何もできない両手を眺め悲しいけれど途方に暮れる。 祈り疲れて心は折れ、いつしか瞼も閉じるのだろうか。
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi: aeternam dona eis Domine, et lux perpetua luceat eis. 労わりも罵倒も同じ口から出てくるのに、私たちはどうしてこう不器用なのだろうか。 心をよぎる抽斗の奥にしまった物を、私は今日も打ち消している。