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第24話 書き人知らず ◆PWTa2EFE 投稿日: 2004/09/08(水) 21:01
〜 火星 戦いをもたらす者 〜 (その1)

がさがさ。 がさがさ。
朝っぱらから、黒服に身を包んだ怪しげな集団が電信柱の影で、なにやら蠢いています。 
熱心にメモを取る黒服。
測定器のようなものをにらみつける黒服。
デジカメで連写しまくる黒服。 
仕事は終わったのでしょうか、納得顔の黒服集団は、三々五々と散っていきました。

次の日、ニホン家に訪問者がありました。
「町内会のものです。 お宅さんのゴミの分別状況を確認しましたが、全く問題ありません。
相変わらず見事な分別ですな。」
そういい残し、町内会の人は去っていきました。

「ゴミの分別って、面倒なのよねぇ〜。」
次の日の学校では、いやに所帯じみた話で盛り上がっています。
「全くだね。 けど、しょうがないよ。 ニホンちゃんの家がゴミだらけになったら、俺は嫌だな。」
「アメリー君の家は広いからいいけど、うちは狭いから・・・。」
「パパが言ってたけど、ニホンちゃん家は抜き打ち検査を減らすってさ。」
「ニホンちゃんの家なら私も安心ですわ。」
エリザベスちゃんの言葉に、皆、うんうんといいます。 ニホンちゃんの信用ってかなりあるんですねぇ。

「ウリの家も信用してほしいニダ。」
生ゴミの如きキムチ臭をふりまくカンコ君、ニホン家には負けられるか、とばかりに口を挟みます。
「別にお前の家だけを信用してないワケじゃないさ。 ほかのみんなもチェックされてるんだから、
気にするなよ。」
アメリー君のとりなしで、カンコ君も機嫌を直しました。
「ならいいニダ。 昔はちょっとやばいこともしたけど、今は無問題ニダ。」
「昔?」
ニホンちゃんの何気ない問いが、この事件の引き金をひくことになるとは、誰が想像できたでしょうか・・・。
 〜 火星 戦いをもたらす者 〜 (その2)

「ペットボトルと生ゴミの始末で、ちょっと試しただけニダ。」
無問題だ、といわんばかりのカンコ君ですが、敏感に反応した人がいました。
「ルール違反。」 エリザベスちゃんの冷い声が響きます。
「カンコ君、それはまずいよぉ〜。」 ニホンちゃんも弁護できません。
アメリー君はといえば、不機嫌そのものに押し黙っています。
「い、いや、違うニダ。 家の人が勝手に実験したんだ。 ウリは知らなかったハセヨ?」
「知らなかったの。 ふ〜ん、そうですか。」
嘘つくなゴルァ な表情でエリザベスちゃんは、アメリー君に問いかけました。
「どうして差し上げましょう?」
「正直に言ったんだから、いいじゃないか。」 アメリー君、意外に冷静です。
「カンコ君、私信じてたのよ。 カンコ君のお家は、そういうことをしないって。」
「ウリナラの技術はニホンごときには負けないニダ。」
論点が全然違います。 ニホンちゃんのトホホ感あふれる表情を見て、カンコ君はお決まりのセリフを
用意していたのですが・・・

「あまりしゃべらないほうがよろしくてよ。 後で、たっぷり話していただきますから。」
純白のハンカチをあてたエリザベスちゃんの人差し指が、カンコ君のアゴを押し上げます。
「その時まで、とっておきなさい。 ま さ か 嫌なんて、申しませんよね?」
エリザベスちゃん、とてもにこやかです。 目以外は。
「わかったら返事なさい。 耳ついてますよね?」

まあまあと、アメリー君が割って入ってきました。
「正直なのはいいことじゃないか。 な、みんな?」
「そうよね。」
ニホンちゃんの発言をきっかけに、絶対零度から室温へ、あたりの空気がゆるみました。

「オレもクラスのみんなも、正直者って好きだってさ。 ところで、お前って、正直者だよな?」
ぽん、とカンコ君の肩にアメリー君が手をのっけます。 その力の入れ具合を知っているのは、
二人だけなのでしょう。

解説 書き人知らず ◆PWTa2EFE 投稿日: 2004/09/08(水) 21:05
皆様、ご存知のネタですので、いまさらソースなんざ(←手抜き

試作をチェックしていただいたお二人には、改めて感謝を。
ちょっと訂正しましたが、
一番変わったのは題名だったりします(w

どうもしかし、このネタ続くような気がしますねぇ・・・

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