またある日。 もう何回目かわからないくらい、あの犬はやってきました。 いつものように歩き回り、いつものように 洗濯物を見上げたあと、いつものようにどこかへ行くかのように見えたのですが、この日は違いました。 夏の南風のいたずらでしょうか、白い靴下が芝生の上に落ちていました。 ちょっと短めで、ひよこのワンポイントと つつましいフリルがついている靴下は、持ち主が少女であると断定してもいいでしょう。 犬はなにげなく近寄り、すばやく くわえると、あっという間に駆け出していきました。 〜 WE WILL ROCK YOU (その2) 〜