元のスレッド
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 20クール目
- 1 名前:更科うどん ◆bc/WMtRnlQ 投稿日:03/11/22 13:50 ID:R/88pBys
- 本ドラマは全くのフィクションであり、実在の国家・指導者とは何の関係もありません。
前スレ
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 19クール目
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1061554997/
- 2 名前:w投稿日:03/11/22 13:52 ID:1K5ecBe0
- 2
- 3 名前:更科うどん ◆bc/WMtRnlQ 投稿日:03/11/22 13:53 ID:R/88pBys
- 連続ドラマ小説「ニホンちゃん」
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=korea&key=994719628
大河ドラマ「ニホンちゃん」
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=korea&key=995270347
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 3クール目
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=korea&key=995710507
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 4クール目
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=korea&key=996515142
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 5クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/cache/korea/kaba.2ch.net/korea/kako/997/997449486.html
愛と憎しみのドラマ小説「ニホンちゃん」 6クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/cache/korea/kaba.2ch.net/korea/kako/998/998497708.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」避難所版 6クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/korea_refuge_old/999011509.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」避難所版 7クール目
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=100320260
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」避難所版 8クール目
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1006483116
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 9クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/cache/korea/kaba.2ch.net/korea/kako/1010/10103/1010376182.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 10クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/cache/korea/kaba.2ch.net/korea/kako/1014/10143/1014327874.html
- 4 名前:更科うどん ◆bc/WMtRnlQ 投稿日:03/11/22 13:54 ID:R/88pBys
- 連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 11クール目
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/korea/1018599620/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 12クール目
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/korea/1021604702/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 13クール目
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/korea/1024846941/
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1024846941/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 14クール目(dat落ち)
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1028225672/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 15クール目
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1032396328/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 16クール目
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1039534514/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 17クール目
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1046677620/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 18クール目
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1053855838/
- 5 名前:更科うどん ◆bc/WMtRnlQ 投稿日:03/11/22 13:55 ID:R/88pBys
- <丶`∀´>このスレの起源は速報板ニダ「韓国逆切れ、日本に制裁措置発動!」
http://kaba.2ch.net/test/read.cgi?bbs=news&key=994649225
<丶`∀´>このスレのミラーニダ
http://members.tripod.co.jp/sute2ch/
<丶`∀´>このスレのHPニダ
http://funshei.tripod.co.jp/
<丶`∀´>イラスト倉庫ニダ
http://page.freett.com/nihon_chan/
<丶`∀´>画像掲示板ニダ
http://cgi.www5b.biglobe.ne.jp/~yo-in/gazou/imgboard.cgi
<丶`∀´>このスレの大辞典ニダ
http://www7.plala.or.jp/nihongatyo/dic/dictop.htm
<丶`∀´>お絵描き掲示板ニダ
http://w3.oekakies.com/p/nihon2/p.cgi
<丶`∀´>このスレの検索エンジンニダ
http://isweb41.infoseek.co.jp/novel/mrcopa/
- 6 名前:更科うどん ◆bc/WMtRnlQ 投稿日:03/11/22 13:55 ID:R/88pBys
- 主な登場人物 (一部抜粋、順不同)
ニホンちゃん‥‥‥‥本編の主人公。可憐で弱気な美少女。
カンコ君‥‥‥‥‥‥ニホンちゃんになにかとちょっかいを出すが自滅する事多し。強きに従い弱きをいたぶる。
アメリー君‥‥‥‥‥クラスの番長。一番大好きの陽気な暴れん坊。
エリザベスちゃん‥‥権謀術数に長けたお嬢様。ちょっと嗜虐的なところがある。
ゲルマッハ君‥‥‥‥金髪碧眼の知性派。マイスター並みの器用な手をもつ。
アーリアちゃん‥‥‥ゲルマッハ君の双子の妹。暗殺者として養成された暗い過去を持つ。ニホンちゃんが大好き。
フランソワーズちゃん‥ワガママいっぱいのクラスの女王様。エリザベスちゃんとの仲は宿敵と書いて友と読む。
マカロニーノ君‥‥‥美女と美食をこよなく愛するプレイボーイ。
ロシアノビッチ君‥‥良家の御曹司のはずが、家が破産して今は貧乏暮らし。小学生なのに呑んだくれる日々。
チューゴ君‥‥‥‥‥クールで不気味な策士。クラスの不良的存在。
タイワンちゃん‥‥‥ニホンちゃんの親友。元気印の拳法娘。チューゴ君に絡まれて困っている。
アサヒちゃん‥‥‥‥ニホンちゃんを困らせることが好きな捏造娘。チューゴ君が好き。
ベトナちゃん‥‥‥‥昔アメリー君とけんかしたときの後遺症なのかどこか影のある少女。
フラメンコ先生‥‥‥五年地球組の担任。情熱的指導で子供たちを導く。
ウヨ君‥‥‥‥‥‥‥ニホンちゃんの弟。姉を心配しつつ見守っている。三年地球組。
ラスカちゃん‥‥‥‥アメリー君の義理の妹。幼さを色濃く残す無垢な少女。三年地球組。
ハプスブルク先生……三年地球組の担任。没落した旧家のお嬢様で、保母さんタイプ。
<丶`∀´>ここに詳しい登場人物紹介があるニダ
http://funshei.tripod.co.jp/about.htm
- 7 名前:更科うどん ◆bc/WMtRnlQ 投稿日:03/11/22 13:59 ID:g5ksTwey
- どうも皆さん初めまして。
当サイトは巨大匿名掲示板 2ch で大好評連載中の
連続小説ドラマ小説ニホンちゃんをまとめたサイトです。
元ネタはこちら
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=korea&key=994719628&ls=100
さて、2ch からこちらにいらした方はともかく、「ちゆ12歳」など、
このサイトの元ネタを知らずにここに来た方には、まず知っておいてもらいたいことがあります。
このサイトにある100話以上小説ですが、驚くべき事に
その全てが(多少の脚色はあるものの)歴史的事実に基づいています。
とても信じられない? では、そんなあなたに質問です。
問題1 サクラのソメイヨシノはどの国が起源でしょうか?
問題2 寿司はどの国が起源でしょうか?
問題3 剣道はどの国が起源でしょうか?
答え 上記問題1、2、3ともに正解は韓国
- 8 名前:更科うどん ◆bc/WMtRnlQ 投稿日:03/11/22 13:59 ID:g5ksTwey
- 嘘だと思いましたか? その通り、上記の答えは全て真っ赤な嘘です。
ただし、これを大まじめで主張している国があります。
それが韓国です。
言っておきますが個人がおかしな電波を飛ばしているのではありません。
韓国のマスコミなどが本気で言っているのです。
例えば剣道などは以下のサイトがとても詳しいです。
剣道の起源は韓国にあり!?
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Acropolis/6963/
これらは氷山のほんの一角にすぎません。
韓国は知れば知るほど訳がわからなくなってくる謎の国です。
興味がわいたなら、2ch のハングル版を覗いてみればどうでしょう?
http://academy.2ch.net/korea/
色々書いてきましたが、このサイトはそんな韓国に対して、
もう怒るのや呆れるのを通り越し、笑うしかねーYO! という立場に立っています。
読んでみればわかりますが、カンコ君に対する東海より深い愛情が感じ取れることでしょう。
それと一応最後に断っておきます。
本ドラマは全くのフィクションであり、実在の国家・指導者とは何の関係もありません
- 9 名前:更科うどん ◆bc/WMtRnlQ 投稿日:03/11/22 14:00 ID:g5ksTwey
- 本スレに掲載するのが微妙な作品や、長文感想や火病は総督府のスレを活用するといいかもしれません。
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」補完・議論用スレ4
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1061482795
- 10 名前:目次制作者投稿日:03/11/22 17:04 ID:OemBCRdB
-
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 19クール目 ログ+目次(第1626〜1713話)
http://members.at.infoseek.co.jp/nihonchanjiten/1061554997.html
- 11 名前:有閑工房 ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/11/22 19:15 ID:cDEBRUB7
- 更科さん 擦れた手乙です!
ありがとです。
- 12 名前: 投稿日:03/11/22 19:27 ID:UxMHRNpS
- 乙!
- 13 名前:KAMON ◆9awzJSYC0I 投稿日:03/11/22 21:20 ID:GhPPThou
- 新スレ乙ー
- 14 名前:七志野 投稿日:03/11/22 22:38 ID:gyFWinNJ
- 乙ノ
- 15 名前:名無しさん ◆O4x3A1GrPw 投稿日:03/11/22 23:37 ID:kuWjMt8p
- 更科うどんさん、有り難うございます。
- 16 名前:ゼロ投稿日:03/11/22 23:42 ID:for7ywKW
- 乙です。
- 17 名前:乙投稿日:03/11/23 11:56 ID:N2p4XDqS
- ポル「おそいですネェ」
ガル「おそいですネェ」
ポル「始まりませんネェ」
ガル「はじまりませんネェ」
ポル「ジチンサイはまだですかネェ」
ガル「まだ見たいですねェ」
ポル「ジチンサイといえば」
ガル「といえば?」
ポル「自沈祭は傑作でしたネェ」
ガル「あれは笑いましたですネェ」
ポル「・・・・・」
ガル「・・・・・」
ポル「まだですかネェ」
ガル「まだみたいデスねぇ」
- 18 名前:七志野 投稿日:03/11/23 14:50 ID:JjE48w1o
- >>17
魚礁作りですか
- 19 名前:北極星投稿日:03/11/23 16:05 ID:VErQCdLx
- >>17
いま書いてます。もうすこし待ってください。
- 20 名前:なー ◆GMi2juaL6k 投稿日:03/11/24 00:20 ID:3Yv27/9m
- >>19
うpしたらageてください、いきなり下がりすぎ。
- 21 名前:転生の翻訳家 ◆XZXZLuCGzk 投稿日:03/11/24 01:56 ID:XSosZkEp
- 消えられても悲しいので上げますの・・・
- 22 名前:ナナッシィ投稿日:03/11/24 10:18 ID:bkCsRO8l
- 北極星さん、もうちょっと時間かかりそうですか?
略式のでよろしければ、私の方で(仮)としてやっておきましょうか?
- 23 名前:転生の現役安崎病質者 ◆vMDm/ZpiU6 投稿日:03/11/24 11:41 ID:FcFiZ/Fx
- 保守
- 24 名前:ab-pro投稿日:03/11/24 12:06 ID:ivCkAdY6
- ある休みの日。
アボジに「社会勉強するニダ」と言いつけられたカンコ君は、アルバイト代
も出るとあって、カンコ君の家が経営する警備会社の訓練場にやって来ました。
「ウリナラの誇る警備会社の一員として訓練を受けるニダ。
それにしても、アボジに教えられた場所に着いたハズなのに、あばら屋し
かあたりに見あたらないニダ?」
カンコ君の言うとおり、そこには60年代に建てられたと思われる、ボロイ
建物しか見あたりません。
困惑しているカンコ君に、もうすぐ冬だと言うのに、ちょっと寒いんじゃな
いかな?と思われる警備員の服を着た人が近づいてきました。
「待っていたニダ。ウリナラの警備会社の訓練キャンプによく来たニダ!」
「ウリがカンコニダ。よろしくお願いするニダ!
ところで、あの建物は一体何ニダか?」
と、好奇心に駆られてあばら屋を指さすカンコ君。
- 25 名前:ab-pro投稿日:03/11/24 12:06 ID:ivCkAdY6
- 「アレは兵舎ニダ。これからカンコ君が寝泊まりするところニダ。さあ、早
速案内するニダ!」
呆気にとられるカンコ君をずるずると引っ張った警備員は、よく見れば屋根
に雨漏り防止用のビニールがかけてあるあばら屋=兵舎に連れ込まれました。
「ここが今日からカンコ君が寝泊まりする部屋ニダ」
そこは、だだっ広くベッドも何も無いみすぼらしい部屋です。
「この定員30名の部屋に一個小隊40名が暮らし、集団生活を学ぶニダ。
一人が与えられる空間は0.7平方メートルだから、荷物は整理するニダ」
「☆△◎◇」
言葉に出来ない悲鳴を上げようとしたカンコ君を、警備員はさらに引きずっ
て、今度は兵舎の施設を案内し始めます。
「ここがトイレニダ。水洗なんて無いから臭いが、我慢することで忍耐力が
付くニダ。あと、このキャンプでトイレはここだけだから、朝は素早く用を済
ませないと先輩方の迷惑になるニダ。まあ、ここで時間の大切さも学ぶニダ」
「風呂はここニダ。定員20名の風呂を一個大隊400人で使うし、温水の
使用も制限されるニダ。戦場では風呂など入れないから、その状況に慣れるこ
とは良いことニダ。
ただ、休みの日は真っ先に銭湯に行くことを勧めるニダ」
「このビニールハウスはトレーニングルームニダ。効率的に汗がかけてよい
ニダ」
そんな身も凍る説明を受けながら、顔面蒼白のカンコ君が何とかこの踏みと
どまっているのは、アルバイト料がでると言う一点だけが理由かもしれません。
しかし!
- 26 名前:ab-pro投稿日:03/11/24 12:07 ID:ivCkAdY6
- 「・・・質問ニダ。ここで訓練を受けて、一体どれくらいアルバイト料が出
るニダか?」
「カンコ君のようなアルバイトの場合は月給2400円ニダ」
「☆△◎◇!!!」
今度こそカンコ君は声にならない絶叫をあげました。何しろカンコ君の一日
のお小遣いは2800円なのですから!
「アイゴー!!!」
やっと声に出していつもの台詞をのたまわったカンコ君。その絶叫に一瞬ひ
るんだ警備員の隙を突いて、脱兎のごとく逃げ出しました。
「!! 新兵が逃げたぞ!捕まるニダ!!」
と、ようやくの事で叫んだ警備員ですが、その顔にはなぜか笑みが浮かんで
います。
「・・でも、本当に捕まえるなよ。適当に逃がすニダ。
・・・さて、それで我が警備会社の危機的状況がカンコ君のアボジに伝わっ
てくれれば上出来ニダ」
そう呟くと、今度はため息。
「もはや忠誠心だけで忍耐と犠牲を強要することは困難ニダ」
一方、そんなこととはつゆ知らず、警備会社の捜索隊を昔キッチョム兄から
教えられた隠れんぼの技術でかわしながら、カンコ君は本当に切実に、大きく
なったらサッカーの代表選手になろうと心に誓うのでした。 END
- 27 名前:ab-pro投稿日:03/11/24 12:08 ID:ivCkAdY6
- ソースは韓国国防部公式ホームページwww.mnd.go.krに掲載された韓国国防費
2003(03.08.25)の翻訳です。
本作では徴兵された新兵の境遇を書きました。
カンコ君のお小遣いの元は、公共勤労者の日当2800円に対し、上等兵の
月給が2400円(月給は誤訳にあらず)で、兵士は家族からの仕送りに依存
している、です。
読んでいると北も南も兵士の境遇にたいした違いはないのかもw
- 28 名前:ab-pro投稿日:03/11/24 12:09 ID:X9LavTiK
- うんこ
- 29 名前: 投稿日:03/11/24 14:12 ID:NBLdBF+H
- ab-pro氏乙でした、久しぶりのカンコ君で藁かして頂きました。
なんか、騙りのゴミもいますが早速工作活動か?
暇人が。
- 30 名前:転生の翻訳家 ◆XZXZLuCGzk 投稿日:03/11/24 17:33 ID:XSosZkEp
- えっと、突っ込みどころとしては・・・アメリカから輸入した二段ベッドを使っていると思うの
でも、お疲れさまなの
- 31 名前:北極星投稿日:03/11/24 18:08 ID:z0XxI7Lu
- 11月のこの時期、涼気が和らいでぶりかえす暑さをアメリカでインディアン・サマーといいます。
乾いた秋晴れが何日もつづくのです。
その秋の休日、手入れの行きとどいた芝生のうえで、その老人はリクライニングチェアに座って日光
を浴びていました。
歳の頃は80前後、すさまじい重圧を周囲に発散している老雄でした。髪も眉毛もすっかり白くなっ
たものの、往年の荒鷲のような迫力を失っていません。しなやかな長身は乾いた革鞭のようです。膝
に毛布をかけて、彼は瞑目していました。
周囲ののどかさとうらはらに、その瞼は神経質にぴくぴくふるえました。ときおり身体に硬直がはし
り、威厳ある貌に気むずかしげな表情がうかびました。
南部風のジョージアン・パラディアン様式のポーチは秋の陽気につつまれており、なだらかな芝生を
風が撫でていきました。
しかし老人だけは半睡のなかでひとり悪夢の世界に没入しているのです。老人の腕を、ちいさな少女
の手が揺すりました。
- 32 名前:北極星投稿日:03/11/24 18:09 ID:z0XxI7Lu
- 老人はぴくりと震えると、神像のように重々しく瞼をひらきました。その声はすでに平静です。
「ラスカか。どうした?」
「あのね、お義祖父さまにね、お客さまなの」
ラスカちゃんは口ごもり、老人を上目でうかがいながらやっとこれだけ云いました。いまだに剣呑さ
を漂わせたこの義祖父は苦手なのです。
「客だと?」
「あ、うん。ふたりだよ。アジアのおじいさん」
「通せ。紅茶でも持ってこい」
「あ、うん」
ラスカちゃんはこの場から逃げるように、ぱたぱた走っていきました。
まったく、歳はとりたくないものだ……
老人はいまいましそうに舌うちしました。
数年前に脳溢血でたおれて以来、車椅子にたよらなければ外出できない身となりました。頭脳はいま
だ明晰なのに、なんとなく出不精となり一日庭で過ごしていると、脳裏にうかぶのは過去のことばか
りなのです。
老いを彼は憎んでおり、年寄りめいた自分が癪に障ってなりません。
「けっ、くだらねえ」
若いころの無頼な口調で吐きすてました。
アメリー・アンクルサム。
地球町の保安官にして、史上最強の帝国を創りあげた《覇王》はいまだ健在でありました。
- 33 名前:北極星投稿日:03/11/24 18:09 ID:z0XxI7Lu
- 「やあやあ、アメリーさん。お元気そうでなによりです」
真っ黒に日焼けしたアジアの老人がはいってくると、勧められもしないのに勝手に鋳鉄の椅子にかけ
ました。
「タイワンか。久々だな。どうした?」
「いやなに。天気がいいもので、散歩がてらアメリーさんの顔を見たくなりましてな。あ、これお土
産です。みなさんでたべてください」
タイワンさんは大声でしゃべりながら月餅の包みをテーブルに置きました。
「ふむ、もらおうか。――ところで、もう一人はどうした? 客は二人と聞いていたが」
「えっ?」
タイワンさんは怪訝そうにふり返りました。
「ありゃ、どこに行った? おかしいですな、正門までは一緒だったのですが」
「哀号ーーーーーッッッ!!」
そのときです、怪鳥のような絶叫が周囲をゆるがしたのは。
- 34 名前:北極星投稿日:03/11/24 18:10 ID:z0XxI7Lu
- 「ここはどこニダーーッ!? ウリはこんなところに来た憶えないニダ。これは犯罪ニダ誘拐ニダ拉
致監禁ニダーー!! ニッテイに謝罪と賠償と教科書の修正と竹島と対馬と九州と四国と沖縄の割譲
と未来永劫の従属を要求……」
「ああまた発作がでたか! すみませんなお騒がせして。ちょっと落ち着かせてきますから」
別荘の横手の茂みのなかで、エラの張った老人が伊勢海老よろしくのたうち回っていました。
「哀号! 哀号!! 哀号ーーーッッ!!! 誰かウリを助けるニダ。両班様の危機に駆けつけない
とは怪しからんニダ。ウリのために生命を捨てることを命じるニダ!」
「ああわかったわかった。とぅー、とうっとうっとうっとうっとうっ」
鶏をあやすように近づき、背中をさすってやると、憑き物が落ちたようにしなびた老人になりました。
「落ち着け、チョーセン。だれもお前を誘拐などしていない。儂といっしょにここまで歩いてきたで
はないか。思いだせ」
「ニダ? あ〜〜、なんだって〜〜〜?」
大声でチョーセンさんは訊きかえしました。彼はめっきりボケたうえに耳まで遠くなっているのです。
「ここ、まで、散歩、して、きたと、いってるんじゃ!」
「とんでもねえ、あたしゃ神様だよ」
「いつのまに檀君になった? まあいい。ほらこっちに来い」
手をひいてポーチに戻り、白ペンキを塗ったティーテーブルに着かせてやりました。
「ほら、紅茶でものんで落ちつけ。――どうも申し訳ありませんな、最近のこいつはどうも忘れっぽ
くなりまして」
「…………」
「あ――」
騒ぎなど意に介さず、老保安官アメリー・アンクルサムは目を瞑っていたのです。
- 35 名前:北極星投稿日:03/11/24 18:10 ID:z0XxI7Lu
- 眠ってはいません。内部に沈潜し、宝石の欠片のような記憶の断片を拾いあつめているのです。リク
ライニングチェアが前後にゆれました。薄く眼をひらくと、ひざ掛けから右手を抜いて、太陽にかざ
しました。
そして誰に聞かせるともなく、
「傷が痛む」
と、云いました。
「傷が?」
「ああ。寒くなるとしくしく疼いてならん。とくにこの右掌がいかんな」
彼は、物珍しそうに自分の右掌を眺めていました。すさまじい引き攣れが蜘蛛の巣のように走り、ま
ともに指を曲げることができません。
「ニッテイに右掌を砕かれた古傷さ」
「ニッテイ様の……」
「ああ。俺はな、奴と闘ったころの夢をみていたよ」
柘植の茂みでツグミがチ、チ、とさえずりました。アメリー・アンクルサムは右掌を撫で、懐かしそ
うに過去を回想しました。
「まったく、秋が深まると奴の夢をみる……それもきまって懐に飛びこまれて、一太刀浴びせられる
瞬間なのさ。まったく忌々しいといったらありはしない。あの男は、剣を抜かせれば影のように素早
かった! 俺は何度となく死を覚悟したよ。いまでも自分が生き残ったのが不思議でならん。運がよ
かったのか、正義は勝つということか」
「正義……」
「そうだ。そうしたほうが都合もよいしな」
「本当に、そうでしょうか」
「ん?」
- 36 名前:北極星投稿日:03/11/24 18:11 ID:z0XxI7Lu
- 「儂は、ニッテイ様が気の毒でなりません。皆あのお人を誤解しております。本当のあの人は、優し
くて清廉で、素晴らしいかただったというのに。一度敗けただけで、なぜ人格まで否定されねばなら
んのですか?」
タイワンさんはつもりにつもった鬱憤を吐きすてました。ニホンを訪ねたものの門前払いされた屈辱
がよみがえりました。
「やむを得まい。敗けるとはそういうことだ。それに、あの戦乱の責任の一半は、奴にもある。あの
……《魔人》と手を組んだのだからな」
「う……」
唇をかんで、タイワンさんは黙りこみました。
《魔人》アドルフ・ハーケンクロイツの名前は地球町の絶対のタブーです。その固有名詞は語られま
せん。
「お前はニッテイの弟分だったからな。納得できぬのも無理はない。もうひとりの弟分はだいぶ逆だが」
このとき、はじめてアメリー・アンクルサムはチョーセンさんを見ました。恍惚のひとは月餅を両手
に抱えこんで、がつがつ食らいついています。
「ここにニッテイを呼べればよかったのだが、あいつも早逝したものだ。――たしか64歳だったか。
老けこむ歳でもあるまいに、わからぬものだ」
「まったくです。葬式のときは儂の膝くらいしかなかったお孫さんも、見違えるように大きくなって」
「おお、あの娘か。俺の孫のところにもたまに遊びに来る。将来が楽しみだな、あれは」
「なにをいわれる」
老人ふたりは、顔を見あわせてくすくす笑いました。
- 37 名前:北極星投稿日:03/11/24 18:11 ID:z0XxI7Lu
- 「哀号ーーーーーッッッッッ!!!」
これまで大人しくしていたチョーセンさんが、ふたたび発作をおこして立ちあがりました。椅子が転
がり、信じられないように空の一点を指さし、絶叫しました。
「か、勝手に新スレが立ってるニダーーーッ!! >>1は前スレで1000getしてないニダ!! 許せな
いニダこれはニッテイの陰謀ニダーー!! 国連で訴えてやるニダつきまとってやるニダ何百回でも
話を蒸しかえしてやるニダこの暴虐を永遠に教科書に……」
「ああ、わかったわかった。ほら、この指は何本だ?」
タイワンさんが相手の肩をさすりながら、右手の人差し指と中指をたてました。
「に、二本ニダ」
「そうだ。それではこれは?」
「ろ、六本」
「そうだ。よくできたじゃないか!」
晴れがましそうにタイワンさんが背中をたたくと、チョーセンさんは照れ笑いしました。
「ニ、ニダ」
「そら、もっと月餅をたべるといい。まだたくさんあるからな。それにしても、お前は同人板から来
たのか。あそこは1000getしたものだけが新スレを立てられるという鉄の掟があると聞くが」
すっかりおとなしくなって、チョーセンさんは紅茶を注いでもらいました。
- 38 名前:北極星投稿日:03/11/24 18:11 ID:z0XxI7Lu
- (ニッテイよ、俺が見えているか?)
老保安官アメリー・アンクルサムは、チェアに身体をしずめると、静かに天をあおぎました。黄色を
おびた午後の陽差しが鎖形の光線となって、ほそめた眼に差しこみました。
(お前が死んで以来、俺は気が抜けたようだ。まったく、さっさと置いていきおって! 俺はまだまだ
死なんぞ。倅も孫もボンクラばかりだ。俺がいなくなったら地球町がどうなるかしれたものではない。
俺とお前以外のだれが地球町を治められる?)
寂しげな頬笑みがその顔をよぎりました。
(……俺は、お前に保安官をゆずっていいとさえ思っていたのに……)
空気の匂いをかぎながら物思いにふける老保安官のすがたは、満腹した老虎のようにおそろしく、孤独
で、そして物悲しいのです。
孫どもが、かつての俺たちのように争うことになるかもしれんぞ……。
アメリー・アンクルサムは戦乱の予感に戦慄しながら、いつまでもニッテイを悼むのでした。
「とんでもねえ、あたしゃ神様だよ」
チョーセンさんがぼそりとつぶやきました。
完
- 39 名前:北極星投稿日:03/11/24 18:13 ID:z0XxI7Lu
- 地球町第1世代による地鎮祭です。
ついでに地鎮祭の最長記録を自己更新しておきました。
- 40 名前:黄鉄鉱投稿日:03/11/24 18:18 ID:czPr+dpi
- おひさしいです、黄鉄鉱です。
北極星さん、地鎮祭乙です。
ただいま作業中。総督府のほうへ移りまつ
- 41 名前:朱豆 ◆SG1HA/GGpc 投稿日:03/11/24 19:12 ID:Qal9d6s2
-
学校帰りの二ホンちゃんがむこうから歩いてきます。何か食べてますね。
「途中のお肉屋さんで買ったんです。おいしいからつい買い食いしちゃうんですよね」
お家では作らないのですか?
「ママのもおいしいけど、お肉屋さんのは一味違うんです」
そんなにおいしいんですか。
「ええ。あと変わった御利益があって、台風の前にはよく売れるそうですよ」
「姉さんいいな〜。俺は買えなかったよ」
ウヨ君がやってきました。売り切れたのですか?
「カンコの奴が『これには○肉を使うニダ!』とか『キムチが入ってないニダ!』とか暴れてたんだ」
それはお店の人がかわいそうですねぇ。
「店のオヤジさん、カンコをボコボコにしてたよ。あの騒ぎじゃあ買えないよ」
「カンコ家で作ったのをもらったがあるんですけど、キムチの味しかしないし、何より辛すぎて・・・」
「・・・それは二ホンの舌がおかしいニダ・・・謝罪と・・・・・・」
いつのまにかボロボロのカンコ君が。あ、白目をむいて倒れてしまいました。どうしましょう。
「こんなバカ、ほっとけ」
「うーん・・・介抱してもうるさいだけから、見なかったことにします」
そう言うと、日之本家の姉弟はいってしまいました。
自業自得ですから、カンコ君はほっておくことにしましょう。
「・・・キムチを添えて・・・おいしくいただくニダ・・・・・・」
- 42 名前:朱豆 ◆SG1HA/GGpc 投稿日:03/11/24 19:14 ID:Qal9d6s2
- 地鎮祭が終わったので、コロッケ祭を。
略式+キムチコロッケで作ってみました。
内容はありきたりですけど。
失礼いたしました。
- 43 名前: 投稿日:03/11/24 19:17 ID:sOWymzsK
- 地鎮祭乙でございます。
ふっと劉備と曹操を思い出しました。
三戦板でネタ探ししてこよ・・・
- 44 名前:更科うどん ◆bc/WMtRnlQ 投稿日:03/11/24 19:21 ID:yZ1M7aQT
- 地鎮祭&コロッケ祭乙です。
>国連で訴えてやるニダつきまとってやるニダ何百回でも
>話を蒸しかえしてやるニダこの暴虐を永遠に教科書に……
('A`)
- 45 名前:ナナッシィ投稿日:03/11/24 21:11 ID:rBTfzR+G
- 北極星さん、地鎮祭乙です。
渋いアメリーさんもさることながら、神様のチョーセンさんに笑わせてもらいますタ。
この遺伝子は、素でドリフをやるカンコ君に見事引き継がれているわけですねw
朱豆さん、コロッケ祭乙です。
でも、下校中の買い食いはいけないと思います!w
- 46 名前:ab-pro投稿日:03/11/24 23:50 ID:8HR1OjL5
- 皆様乙です^^
やっと賑やかになってきましたね。
突っ込まれどころですが、くだんのHPには写真付きで、すし詰めで
布団で寝ている韓国兵の写真が載っています^^
75センチのマット二つに3人が寝ています。
これらの60年代から70年代に建てられたあばらや兵舎は、韓国軍
の全体の38%を占めるそうです。
もっとも、韓国国防費2003はIMF危機以来、経済が回復しても
減額されたままの国防費の少なさを国民に知らせ、国防費の増額を訴え
るために製作されていますから、悲惨に場面がふんだんに盛り込まれて
います。
プライドだけは高い韓国で、ここまで窮状を自ら訴えるのは珍しいこ
とですね^^;
- 47 名前:転生の翻訳家 ◆XZXZLuCGzk 投稿日:03/11/25 00:02 ID:ysUu+xBz
- >>46
はう・・・それはさすがにかわいそうなの
あれもマットレスが薄くて、バネが弱くてひどい代物ですけど、すし詰めよりましですの
・・・ということは、フォーレストガンプなんかの営舎のシーンは、韓国人にとっては天国なの・・・
- 48 名前: 投稿日:03/11/25 00:41 ID:X8SQi2mC
- 拉致事件だのJAP発言だのチョナンカンだのはどのように描かれてるの?
- 49 名前: 投稿日:03/11/25 05:41 ID:lw5HEQCX
- http://propellant.fc2web.com/chosen-netsuzou/chosen-04.html
TBSの石原発言の捏造事件をわかりやすくマンガ化してるぞ。
- 50 名前:無銘仁 ◆uXEheIeILY 投稿日:03/11/25 18:37 ID:1LnM3Lmy
- 「果てしなき闘争 第一章」
地球町に、夏がおとずれた。
校庭には陽炎が立ち、木々にセミが歌う夏がやってきたんだ。
オレたちにとっては噴きだす汗と挌闘しながら、夏休みを待ちわびる毎日だ。
夏休み一週間前の日曜日、オレは町の南にある大きな池のほとりに来た。
この一帯は夏でも気温が全然上がんなくて、町民に不気味がられてる。
その日も肌寒いくらいだったよ。ユーロ地区の子が集まってて、輪の中心で
アメリー君とエリザベスちゃんが手製の地図を掲げて、こう言った。
「これを見てくれ。俺は池の中心に島があるのを見つけた。涼しいから
遊び場にもなるし、探検すれば夏休みの自由研究にもなるだろ」
「先に見つけたのはわたくしです。成金風情が偉そうな口を利くのはその辺に
した方がよろしいのではありませんこと」
少々険悪な空気が漂っている。ふたりの痴話喧嘩にもあきれたもんだ。
「なんだよ、そんな言いかたがあるか。もうやめだ、俺は俺で勝手にやらせて
もらうぜ。お前も好きにしろよ」
アメリー君はそう吐き捨てると地図をほうりだし、場が静まりかえった。
するとエリザベスちゃんもむくれたまま返した。
「もう知りませんわ。あの島は大きな魚がたくさんいて食べ物にも困らないし、
みんなで使おうと思っていましたのに」
オレはとりあえずふたりをなだめた。それより気になったのは島のほうだ。
濃い霧がかかってて何にも見えやしない。その日は、それでお開きになった。
- 51 名前:無銘仁 ◆uXEheIeILY 投稿日:03/11/25 18:40 ID:1LnM3Lmy
- 夏休みが始まり十日ほど過ぎた。オレは犬を連れてあの時の池に来ていた。
防寒着の中で頬が上気しているのが、自分でもわかる。血が騒いでるらしい。
オレの先祖は町内でも名の知れた船乗りだ。あちこちの海を荒らし回ったって
いうから、海の男ってよりガラの悪い海賊のようなもんだけどな。
今日はみんなと約束して、あの霧の島を目指す競争をすることになってる。
父さんが職を見つけて家計に余裕が出来たから、準備もばっちりだ。
オレは勝ちたかった。
実は何日前だったかに、町の北にある似たような池で予行演習をしたんだ。
けど、そこでちょいとばかしやらかしちまってね。
アメリー君が最初の丘に登れなくて、オレはそこを上手く越えた。
そこで油断したのかもしれない。立ち往生している間に抜かれて、結局
アメリー君に一番乗りを取られてしまった。オレは地団駄踏んで悔しがった。
このためだけに、何日も準備してきたからさ。
もっとも、しもやけを作ってきたネーデル君や峰から滑落してひざをすりむいた
スウェーデン君に比べれば、オレはまだましな方だったけど。
そんなことがあって、今度は絶対に勝つという決意を固めてきていたんだ。
- 52 名前:無銘仁 ◆uXEheIeILY 投稿日:03/11/25 18:41 ID:1LnM3Lmy
- オレは背中の鞄から地図を出そうとした。
「おはよう、すごい格好だね。――あれ、その犬はどうしたの」
のんびりした声に、張りつめた気が緩む。ベルギー君だった。
後ろにはアメリー君やフランソワーズちゃんもいる。厚着なのは氷点下に
備えるためで、この犬は父さんのだ、とオレは言った。寒さにも強く、冒険には
うってつけの犬だと。すると、そろって慌てたような顔をされた。
そういやあみんなかなり軽装だ。もしかして、それであの島へ行くつもりかな。
「やあ諸君、遅れてすまなかった。家庭内不和に巻き込まれてしまってね」
前回は来なかったゲルマッハ君が、声を張りあげた。他のみんなが迎える。
このところ両親が仲たがいしてたみたいだけど、ようやく落ち着いたんだろうか。
「ところでベスはどうしましたの。自分から言いだしておきながら遅れて来る
なんて、あたくしをおちょくってるのかしら」
「待った。あそこにいるのがそうじゃないのか」
アメリー君が指さしたのは池の少し奥まったところ、島に向かって氷の道が
のびてる場所だ。馬に乗った女の子が、島の方をうかがってる。(つづく)
- 53 名前:その一投稿日:03/11/25 23:37 ID:VG4X1KTy
- 「木枯らしに抱かれて」
今日も紫苑ちゃんはアラブ組の皆と喧嘩をしています。パレス=シナ君との喧嘩に彼等が助太刀
したからです。
「おとといいらっしゃい」
猛者怒で退け逃げ帰る彼等の背にこの言葉を浴びせました。整っている筈の彼女の顔はとても
荒んでしまっています。
そんな彼女に誰も声をかけられません。何を言っても聞き入れないし彼女の家はこの町に不気味
な程隠然たる力があるのです。
「私に言いたい事があるなら言えばいいのよ。聞くだけは聞いてあげるわ」
本当は黒く翡翠の様に綺麗な瞳が赤くなっています。その光は本当に血で塗られたようです。
「誰も言わないのね。どうせ私は一人で生きて一人で暮らしていくしかないのよ」
眼は黒に戻りました。けれど暖かさの消えた暗く哀しい瞳です。
「・・・・・・・・・」
その瞳を見て皆何も言えません。彼女の家のこれまでの歴史を良く知っているからです。特に
欧州丁の皆は。彼等にその責任があるのですから。
「紫苑ちゃん・・・・・・」
ニホンちゃんはそんな彼女を見るのが嫌でした。何とか彼女のその荒んだ心を和やかなものに
してあげたいと考えていました。
「けれどどうしたら・・・」
どんな尊い教えも無駄です。彼女の家は一つの教え、モーゼの書のみを絶対としているのですから。
- 54 名前:その二投稿日:03/11/25 23:39 ID:VG4X1KTy
- その時ふと一冊の本が目に入りました。以前親戚のオタ君が彼女にくれた本です。
「これは・・・」
手に取りました。そして中にあるある人の言葉が目に入りました。
「ひょっとしたら・・・・・・」
ニホンちゃんはその本を持ちました。そして決心しました。
今日も喧嘩を売りに来る相手以外は紫苑ちゃんに近寄りません。彼女は冷たい目
で周りを見ています。
「紫苑ちゃん、ちょっといい?」
ニホンちゃんが来ました。そして一冊の本を差し出しました。
「・・・仮面ライダー?ニホンちゃんとこの特撮物ね」
「うん、よかったら読んで」
紫苑ちゃんは特に考えずその本を受け取りました。
- 55 名前:その三投稿日:03/11/25 23:40 ID:VG4X1KTy
- 「いいわ。私こういう話が好きなの。悪い奴を完膚なきまでやっつける話がね」
笑いました。仮面の様に喜びの見られない表面だけの笑いでした。
「・・・最後までじっくりと読んでね」
そう言うとニホンちゃんは去っていきました。
「・・・・・・貴女も・・・去っていくのね」
紫苑ちゃんはポツリと言いました。寂しくて、哀しい黒い色の瞳でした。
- 56 名前:その四投稿日:03/11/25 23:41 ID:VG4X1KTy
- 翌日の放課後紫苑ちゃんはニホンちゃんを呼びました。木の葉の散る公園の
片隅です。
「本・・・読んでくれた」
ニホンちゃんが尋ねます。
「ええ、読んだわ」
そう言うと本を出しました。
「貴女の言いたい事は解かってるわ。最後の方のホンゴウって人の言葉でしょ」
「ええ」
紫苑ちゃんは口の端を歪めて笑いました。
「お笑いね。『愛』ですって?愛や心が無ければ町は復讐と恨みに支配される
ですって?とんだジョークね」
そう言って本をニホンちゃんに投げ返しました。
「私の家の事書いてたわね。次なる子孫の為の大いなる愛って。そんな事
言ってるから貴女の家はあんなコメディアンにいいように言われるのよ」
「紫苑ちゃん・・・」
彼女の言葉はまだ続きます。
「はっきり言わせてもらうけれどね、私は貴女のそうした甘ちゃんなところが
大嫌いなの。貴女みたいな事言ってたらうちじゃ今頃お葬式よ」
「・・・・・・・・・」
ニホンちゃんは何も言い返しません。紫苑ちゃんだけが激昂して言い立てます。
「・・・・・・けれどね」
紫苑ちゃんはふと言葉を止めました。
- 57 名前:その五投稿日:03/11/25 23:43 ID:VG4X1KTy
- 「馬鹿にしないでよ・・・・・・。そんな事・・・私にだって解かっているのよ・・・・・・」
紫苑ちゃんの瞳が急に滲んできました。
「私だって好きで喧嘩ばかりしてるんじゃないのよ!この猛者怒だって生きていく為に、
もう二度とあての無い放浪の生活送らない為に身に着けたのよ!あんな奴等にいじめられる
のはもう沢山よ!」
黒い鍵十字、鎌と金槌の紋章。彼等に受けた傷はまだ癒えないのです。
「そして・・・やっと手に入ったおうちを守る為に・・・。私だって皆と仲良く笑って
暮らしていきたいわよ!」
泣き出しました。涙が零れて彼女の整った白い頬を伝います。
「パレス=シナだって、アラブ組だって言いたい事があるのは解かってるわ。けどね、
けどね、あのおうちが無くなるのは嫌なのよ!折角気の遠くなる程さまよって手に入れた
安住の家なのよ!」
言葉と涙が止まりません。
「もう喧嘩なんてしたくないわよ!けどどうしろっていうの!?あの家が無かったら私
は生きていく事が出来ない、またあんな奴等に怯える毎日はもう二度と嫌なのよ!」
もうそれ以上言葉が出ませんでした。ただただ泣き続けるばかりです。
「紫苑ちゃん・・・・・・」
ニホンちゃんはそんな彼女をそっと両手で抱き包んであげました。振袖が濡れるのも
構わずに抱き締めました。二人の背に薄い茶色の木の葉が一枚、また一枚と落ちてきました。
そして紫苑ちゃんの震える肩をそっと暖めてあげました。
- 58 名前:名無しさん ◆O4x3A1GrPw 投稿日:03/11/25 23:48 ID:VG4X1KTy
- パレスチナ問題です。今回はここを参考にしました。
ttp://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Desert/1670/
ニホンちゃんが紫苑ちゃんに貸した本です。ここで藤岡弘、氏
の言葉に思うものあってこの作品を書きました。こうした心も
両国にもある筈ですし早く皆が笑えるようになれたらいいのですが。
ttp://www.kisousha.com/info/rider/
藤岡氏の言われている事は理想論に過ぎないです。しかし愛を忘れたら
本当にどうしようもないのではないのでしょうか。
国際風刺ならばこの問題は避けられません。あの地に真の安住が訪れる
その日まで。何時かあの地に住む全ての人達が笑って暮らせる日が来て欲しい、
紫苑ちゃんみたいな、パレス=シナ君みたいな悲しみはもう沢山です。
北極星さん、地鎮祭面白かったですよ。
- 59 名前: 投稿日:03/11/27 22:21 ID:Ig24zu6x
-
∧_∧
<丶`д´> ホゼン…
( つ日)
(⌒_)__) ┳━━━┳
⊂===⊃.┃ .┃
- 60 名前:その一投稿日:03/11/28 00:17 ID:8V7cLfmP
- 「弱点」
モンゴル君は大人しいですが力持ち、馬に弓は誰にも負けません。
「まあうちでは歩くより馬に乗るからね。大した事ないよ」
彼の得意なのは他には相撲。これは強い、とにかく強い。武道十八般を身に着けんと
日夜修練に励むウヨ君ですらかないません。今日はニホンちゃん家で相撲のリーグ戦が
行われています。
「・・・負けました」
「いや、何だかんだ言っても僕は五年生だしね、勝って当たり前だよ」
褌姿の両者が土俵を出て互いを誉め讃え合います。真の武術を知る者達ならではの場面です。
ところでモンゴル君の家の相撲は長い歴史があります。ニホンちゃん家なんてナラの間の
仏像が出来るより前からルーツがあります。しかしそんなルーツを独自の解釈で無理矢理
自分のものにする人がいます。
「相撲はウリナラ起源、ウヨもモンゴルもウリが倒してやるニダ!」
いつも通りカンコ君がまた電波を飛ばしています。しかし君は大昔モンゴル君にボロ負け
して彼がニホンちゃんに交際を迫った時子分になっていましたよね。
「そんな昔の事ケンチャナヨニダ!」
そうですか。これもいつもの事ですね。
- 61 名前:その二投稿日:03/11/28 00:18 ID:8V7cLfmP
- このいつもの発言に思いっきり空気を悪くする一同。しかしカンコ君はそんな事
お構いなしです。
「おいカンコ、また馬鹿な事を言っていると・・・」
ウヨ君が詰め寄ります。しかしカンコ君は引き下がりません。
「フン、勝負は土俵で決めるニダ!」
この時点での皆の予想。
カンコ・・・1
ウヨ・・・・179
「面白い、では土俵に上がるとしよう」
ですが次の試合はモンゴル君対カンコ君です。ウヨ君の出番はもう少し後。
「あ、そうだったか」
ウヨ君控え席に戻ります。
「まあカンコがやられるのをゆっくりと見るか」
皆の試合予想。
カンコ・・・・1
モンゴル・・・179
ここまでくると立派ですね。さて試合開始。
「はっけよおーーーい、のこった!」
シシローおじさんが軍配を持っています。
- 62 名前:その三投稿日:03/11/28 00:19 ID:8V7cLfmP
- 土俵の中央で組み合う両者、しかし力の差は歴然としています。忽ちカンコ君
劣勢に追い込まれています。
(けれどこのまま勝ってもいまいち面白くないな、こいつまた馬鹿な事言ったし)
モンゴル君考えています。カンコ君のキムチ臭い口臭が漂ってきます。
(このキムチ野郎相変わらず・・・そうだ!)
カンコ君のまわしから手を離します。そして褌の帯を取り引っ張って離しします。
びたーーんという音が。
「アイゴォーーーーーーーーーーッ!」
カンコ君思わず絶叫し飛び上がります。そこに大きな隙が。
「今だっ、喰らえっ!」
モンゴル君怒りの上手投げが炸裂。土俵から吹き飛ばされるカンコ君。
「勝負あり!」
シシローおじさんの嬉しそうな判定。モンゴル君見事な勝利です。
「お見事です。けれどどうして褌を引っ張ったんですか?」
ウヨ君の問いに対してモンゴル君にこりと笑って言いました。
「いやあ、カンコの奴はいつも辛いものばかり食べてるだろ。だから痔になってる
だろうと思って」
「成程、そういう事だったのですか」
「アイゴオオォォォ・・・・・・」
土俵の下でお尻の穴を押さえ苦悶の表情を浮かべているカンコ君でした。
- 63 名前:名無しさん ◆O4x3A1GrPw 投稿日:03/11/28 00:20 ID:8V7cLfmP
- 今回のソースはこちら。
ttp://ucc.media.daum.net/uccmix/news/economics/industry/200310/23/moneytoday/v5311335.html?u_b1.valuecate=1&u_b1.svcid=02C&u_b1.objid1=12317&u_b1.targetcate=1&u_b1.targetkey1=12349&u_b1.targetkey2=5311335
まああれだけ辛いものばかり食べてたらね。相撲はこちら。
ttp://www.sumo.or.jp/museum/culture/history/rekishi.html
ttp://www.city.itabashi.tokyo.jp/icief/twin/mongol/sumo/sumo.htm
ttp://members.at.infoseek.co.jp/koreawatcher/docs/ka21.htm
毎度の事ながらどう見てもウリナラ起源ではないですね。
あと下がっていたのであげました。
- 64 名前:七死投稿日:03/11/29 08:12 ID:EqdAYNVG
- >>63
おもしろかったです
- 65 名前:リュー君好き好き ◆ckAGo604zE 投稿日:03/11/30 06:26 ID:7tBErReD
- アイデアないので保守保守
- 66 名前:目次170投稿日:03/11/30 12:58 ID:wSK5jlFi
- 連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 19クール目 ログ+目次(第1626〜1713話)
http://members.at.infoseek.co.jp/nihonchanjiten/1061554997.html
地鎮祭
>>31-38
コロッケ祭
>>41
第1714話「アルバイト」
>>24-26 ( >>27 解説)
第1715話「果てしなき闘争 第一章」
>>50-52
第1716話「木枯らしに抱かれて」
>>53-57 ( >>58 解説)
第1717話「弱点」
>>60-62 ( >>63 解説)
- 67 名前:siki投稿日:03/11/30 23:19 ID:BDEqRbZA
- 「感謝するべき?」
ニホン「チュウゴ君に感謝することはあっても、カンコ君に感謝するようなことは・・・・」
カンコ「その口答えはなんだニダ、ニホンに色々与えたのはウリにだ
感謝しるならウリにしる」
ニホン「・・・・・カンコ君って、ストローみたいなものなのよ」
カンコ「ニダ? それはどういう意味ニダ」
ニホン「あれば使うけど、無ければ無いでかまわない
一気に飲みたいときはむしろ邪魔、カンコ君ってそんな存在なのよ」
カンコ「アッアイゴー」
おしまい
- 68 名前:その一投稿日:03/12/01 00:13 ID:VX8bNtaX
- 「新ユニット」
今までお笑いバンドとしか思われていなかった二ダーズもチョゴリちゃん中心になってから
町でも指折りの人気グループになりました。それを見てアメリー5もラスカちゃん中心となり
キュート=ビート=クラブバンドやtATuと共にどのバンドも女の子中心となっているのが
最近の地球町のバンドです。
これに対してチューゴ君も考えがあります。今まで自分が中心だったのを香ちゃんに変える
ことにしたのです。
「兄さんも案外ミーハーね」
「五月蝿いアル、そうでなければ人気が出ないアル」
何か香ちゃんの突っ込みがきついみたいですね。
「大体何でこんなに楽器使わなくちゃいけないのよ。面倒だわ」
「それが戦略アル。オリジナリティを出していくアルよ」
「だったら兄さんがメインで演奏したらいいじゃない。うちの楽器は兄さんの方が上手いんだし」
「女の子が演奏するところに味があるアル。男がやっても人気なんて出ないアルぞ」
「だから僕は脇役なのか」
マカオ君、いたんですね。それにしても今日のチューゴ君は何かマネージャーみたいです。
「ユニット名も決めてあるぞ。『チューゴ樂坊』アル」
得意満面の兄に対し妹の容赦ない突っ込み。
「前のユニット名はどうなったのよ」
「諸般の事情で使えなくなったアル・・・」
「・・・兄さんのミスじゃない、それって」
「・・・たまにはそういうこともあるアル」
「そういったミス多くない?最近」
「そういえばそうだよね、戦略家気取ってるわりに」
マカオ君も突っ込みに参加します。
- 69 名前:その二投稿日:03/12/01 00:14 ID:VX8bNtaX
- 「曲もニホンさん家のが多いのは気のせいかしら」
「気のせいじゃないよね、『世界に一つだけの花』なんて」
「・・・気のせいアル」
チューゴ君の対応は実に苦しいです。
「そもそも『チューゴ家のモー娘。』ってまんまじゃない。ちょっとは捻ったら?」
「独創性ないなあ」
「・・・それは禁句アル」
「大体兄さんって他人には突っ込むの好きなのに自分はわりかし隙ない?」
「アメリーさんみたいだな、ほんと」
「・・・一緒にするなアル」
段々立場が弱くなります。
「とにかく練習するよろし。ライブの日はすぐアルぞ」
「はいはい、わかりました。その替わりお小遣い奮発してよね」
「僕も」
「・・・お母さんによく言っとくアル」
なにはともあれライブは成功しました。あらゆる楽器を器用にひきこなす香ちゃんに皆聞き惚れて
います。歌も大人気でした。
「うまくいったアル。やはり香を中心にした僕の作戦勝ちアル」
打ち上げの楽屋で乾杯する三人。特にチューゴ君は得意満面。
「ニホンの家で紅白にも出るアルぞ」
ふふふと笑う兄に妹の容赦無い声。
「じゃあお小遣い上げてね」
「・・・わかったアル」
最後まで立場の弱いチューゴ君でした。
- 70 名前:ローズ戻れ!名無しさん ◆O4x3A1GrPw 投稿日:03/12/01 00:18 ID:VX8bNtaX
- 中国の人気ユニット『女子十二樂坊』を。女の子は香ちゃんしかいなかったので
彼女を使ってみました。
ttp://www.platia-ent.co.jp/artist/jyosi.html
ttp://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/aug/o20030816_30.htm
ttp://happy.woman.excite.co.jp/beauty/chinese/profile.html
今『中国のモーニング娘。』として売り出し中です。紅白にも出ますよ。
ttp://kotonoha.main.jp/12-girls-band/news/000228_kohaku.html
しかし僕の作品って芸能関係多いな、風刺ものなのに。かなり寝かして有閑工房さんの
作風に影響されて色々チェンジしてみたけれどどうかなあ、なんかtATuの時とあまり
変わっていないような。
- 71 名前:KAMON ◆9awzJSYC0I 投稿日:03/12/01 00:30 ID:/uEHBSpu
- アイディア枯渇中・・・。
代わりにと言っては何ですがニホンちゃんのドット絵制作中・・・。
- 72 名前:unknown_J投稿日:03/12/01 10:14 ID:1VEVjiNE
- いつのまにか新スレだったのですね。
1>>ご苦労様です。
- 73 名前:わむて投稿日:03/12/02 04:26 ID:D9iIgV1Z
- 南からに西に向かって、東海大地震の予感
- 74 名前:その1投稿日:03/12/02 06:37 ID:kzdbqnlO
- 「でもでも」
今日は日曜。学校はお休みです。でも朝早くから……
「アイゴォォォォォォ!」
カンコくんの家からカンコくんの決め台詞(?)が轟きました。
何があったのでしょう?
「いい加減にするニダ!」
怒鳴りつけているのはカンコくんのパパです。
「ゲンパツ電池は安全ニダ! 絶対安全ニダ!」
「でもでも!」
「※%#F*¥+&#!」
カンコパパ、意味不明の叫び声をあげています。
でも、さすがに本気でファビョーンできないらしく、カンコくんをズルズル
と外に押しだそうとしているだけです。一方、パパが本気にならないことを
知っているのか、カンコくんは必至に応戦しています。
「ニダニダニダニダァァァ!」
「ウグッ! グフッ! ガフッ! ゴフッ!」
身長差の関係でカンコパパの顎のあたりが酷いことになっています。
さすがにカンコパパ、ブチ切れです。
- 75 名前:その2投稿日:03/12/02 06:38 ID:kzdbqnlO
- 「本気でいい加減にするニダ! だいだい、その服はなんニダ!? そんなにゲ
ンパツ電池が嫌いニダか!?」
カンコくんの服はたまたま黄色いシャツに茶色のズボンという黄色系でした。
でも、カンコくんの家では、この服の色そのものがゲンパツ電池反対を意味し
ているようです。
「しばらく頭を冷やすニダァァァァ!」
カンコパパ、渾身の力でカンコくんを家の外まで押し出し、ピシャリと玄関
を閉じてしまいました。
「あなた……」
パパの後ろには心配そうなカンコくんのママの姿があります。
「そんなにしなくても……服のことだって…………」
「ウリは一家の大黒柱ニダ! 家長ニダ! 家長に逆らう子供はカンコ家に不
要ニダ! もし入ってきたら、あの服をぜんぶ剥いてしまうにだ!」
その声は、外にいるカンコくんにも聞こえました。
◆
「ぶれいく〜♪ ぶれいく〜♪ あなたのま〜ちの〜ぉ♪」
「かいたい〜♪ かいたい〜♪ ひ〜とやくかいたい〜ぃ♪」
- 76 名前:その3投稿日:03/12/02 06:38 ID:kzdbqnlO
- ニホンちゃんの家から出てきたのは、我らがニホンちゃんとタイワンちゃん
でした。
実はタイワンちゃん、昨日、ニホンちゃんの家であった『リトーキおじいさ
んの会』の忘年会にちゃっかり紛れ込んでいました。リトーキおじいさんは大
人の事情で参加していませんが、今月(12月)といえば、タイワンちゃんの
家で恒例となった『日本語能力検定』がある月。ここぞとばかりにタイワン
ちゃんは日本語の勉強を理由にニホンちゃんの家を訪問、そのまま忘年会に参
加し、お泊まりしちゃったのです。
「でもタイワンちゃん、去年一級取ったっていってなかった?」
「あっ……え〜っと……ほ、ほら! 勉強してないと忘れちゃうでしょ?」
何語で話しているの?――という問いはタブーです。
それはさておき。
「それよりニホンちゃん、今日、どうする?」
「あのね――」
と答えようとした、その時です。
二人は曲がり角を曲がり、見てはいけないものを見てしまいました。
- 77 名前:その4投稿日:03/12/02 06:39 ID:kzdbqnlO
- 「でもでも!」
カンコくんです。
しかも、何も着ていません。
全裸です。
股間には可愛らしい(ピィィィ)をプラプラさせながらガンガンガンと、自
分の家の玄関を叩き続けています。
ニホンちゃんとタイワンちゃんは目を点にして凍り付きました。
それでも二人とも花も恥じらう女の子です。
「「キャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」」
二つの悲鳴が地球町にこだましました。
ハッとなったカンコくんは、股間をおさえながら必至に弁明します。
「ち、違うニダ! これは抗議ニダ! アボジが服をぜんぶ剥いてしまえって
言ったニダ! だから、だからこれはアポジに対する――アイゴォォォ!」
“でもでも”は程々に、というお話しでした。
とっちぱれ。
- 78 名前:補足投稿日:03/12/02 06:54 ID:kzdbqnlO
- 以下を見て突発的に書いてしまった愚作です。お納めくださいまし。
扶安住民裸デモ
ttp://korea.hanmir.com/ktj.cgi?url=http://news.media.daum.net/society/affair/200312/01/SpoSeoul/v5616443.html
核反対裸デモする扶安住民
ttp://korea.hanmir.com/ktj.cgi?url=http://news.hanmir.com/photo_news.php%3fd%3d031201%26f%3dyh0014d9%26p%3d13
他の元ネタはこちら。
「台湾の声」:李登輝さん、「日台共栄の夕べ」へ祝辞
ttp://www.emaga.com/bn/?2003110088066655001548.3407
「台湾の声」:【報道】「日台共栄の夕べ」
ttp://www.emaga.com/bn/?2003120002510653001369.3407
台灣在住日誌 2003/11/29 : 星期六
ttp://antonylittleroomld.hp.infoseek.co.jp/side-j/
- 79 名前:わむて投稿日:03/12/02 11:15 ID:IUTIIIak
- 京都なのです!!偉い人にはそれがわからんのです!!!!!
- 80 名前:わむて投稿日:03/12/02 13:37 ID:W0F3akgu
- ___
<_葱看>、
/ I .((ハ)) i \
ノゝ゜ヮ゜ノハ
uiYつ⊂(・∀・)
.〈|: _>
∪∪
- 81 名前: 投稿日:03/12/02 18:56 ID:2UeGUf8G
- >>74-77
良作乙。
- 82 名前:わむて投稿日:03/12/02 20:20 ID:OLtv4vSj
- トリップ付いてない人は如何するんですか?
- 83 名前:わむて投稿日:03/12/02 21:15 ID:G1HDWAsh
-
∧ ∧
〜′ ̄ ̄(-人- )つ 友達になろう
UU ̄ ̄ U
- 84 名前:わむて投稿日:03/12/03 02:16 ID:qeekxtRX
- 今日、地震雲とかいうのを見た
- 85 名前:わ む て投稿日:03/12/03 13:01 ID:Pg3mmsEC
- ∩∩
<|: '''>_
<_葱看〉,
/ i lレノ)))ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/人 il.゚ ヮノヽ< もう少しでかおりん祭りを追い抜ける
U U \________
- 86 名前:トリプル投稿日:03/12/03 16:42 ID:f6NuxnvY
- >>84
どこでだ?方角は?
奇数月26日の法則は外れたが・・・・そうか、ここ10日がヤマということか。
無関係カキコでage。
- 87 名前:わむて投稿日:03/12/03 16:51 ID:nYgpZafi
- ∩∩
<|: '''>_
<_葱看〉,
/ i lレノ)))ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/人 il.゚ ヮノヽ< 時間はたっぷりとある 今日も戦場を駆け巡ろうではないか
U U \________
- 88 名前: 投稿日:03/12/03 21:09 ID:qAcDB64f
- >わむて
自分のHPでやってほしい。
ここは君の落書き帳じゃないんだから。
- 89 名前:その一投稿日:03/12/04 02:13 ID:ZtcM3OL4
- 「そう遠くない未来」
金髪碧眼の少年ゲルマッハ君、常に冷静沈着な彼には欠点は無さそうです。女の子にも人気
があります。ただ生真面目な彼はとりあえずマカロニーノ君みたいなことはありません。
「ただ一つ気になることがある」
ゲルマッハ君家の男の人は髪の毛が薄い人が多いのです。ゲルマッハ君も表向きは気にして
いないふうにしていますが内心気になっているようです。
「そういえば僕も額が少し広いかな」
ソーセージとか肉料理のせいかも知れません。あと整髪料のつけ過ぎも危ないです。
「我が家はオールバックが多い気もするし・・・」
悩みは尽きません。鏡を見て髪を気にする日々。
「何やってんだよ、あまり神経質だとはげるぜ」
そこへアメリー君登場です。実にさりげなく人の気にする言葉を言うところが彼らしいですね。
「・・・大きなおせわだ」
「おせわって・・・ひょっとして髪のことか?」
「だとしたらどうする」
「・・・いや、実は僕も気になっているんだ」
「君もか?」
「・・・ああ。うちも肉をよく食うせいかハゲている人が結構いてな」
話は危険なほうへといきます。やがてクラスの男組全員寄ってハゲの話です。
- 90 名前:その二投稿日:03/12/04 02:14 ID:ZtcM3OL4
- 「俺んとこも親父はげかかってるしな。心配なんだよな」
「お前んとこはハゲた人の次は髪の毛あるだろ?大丈夫じゃないのか」
「間に誰か入るかもしれないだろ」
アメリー君に対し何時に無く深刻な顔で返すロシアノビッチ君。
「・・・だったな、すまん」
「いいってことよ。それにしても何かいい薬ねえかな」
「発明したらノーベル賞あげるよ」
ノーベル=スウェーデン君が言いました。
「そういえばチューゴ君、君のところにいい薬があったと聞いているけど」
「それでもはハゲる時はハゲるアル。うちのマオ大叔父思い出すよろし」
「だったね・・・」
「ストレスや食生活も気をつけたほうがいいアル」
「というとやっぱりゲルマッハ君は危ないね」
「うむ、認めたくはないが・・・」
話が進むにつれて暗い顔になる一同。そこへ真打ち登場。
「皆何の話してるニダ?」
暗い顔で話す皆に声をかけます。
- 91 名前:その三投稿日:03/12/04 02:16 ID:ZtcM3OL4
- 「暗い顔して何の話かと思えばそんなことニダか。そんなのケンチャナヨニダ」
思いっきり笑い飛ばします。
「そう言うが深刻な話だぞ。いずれなるかも知れないしな」
「アメリー君は気にしすぎニダ。ウリにはそんな心配は全く無いニダ」
まあその硬くて無闇に多い髪を見る限り。しかし。
「心配無いって・・・カンコ君、何か特効薬あるの?」
「是非教えて欲しいアルぞ」
いつもは冷静なノーベル君もチューゴ君も身を乗り出します。
「これのおかげニダ」
取り出したるはキムチ壺。
「キムチは完全食ニダ。これさえ食べればハゲなんかならないニダ」
皆いつもの台詞に激しく脱力。
「・・・カンコ、これから言うことを気を落とさずしっかりと聞いてくれ」
ゲルマッハ君が何時に無く真剣で優しい声で語りかけます。
「君の兄は明らかにハゲている。小学生だというのにおばさんパーマなので一見わかりにくいが
あれは明らかに若年性のハゲだ。それも相当深刻な」
「あいつは食生活とかもかなり問題だろうけどな」
ロシアノビッチ君もいつもの酔いはありません。
「ハゲは遺伝する。君も気をつけたほうがいい」
「あと肉だな。御前の家は肉料理多いしな」
「アメリーの言うとおりアル。御前の家は牛や犬を食べすぎアル」
「そ、そういえば・・・」
カンコパパさんは最近髪の毛のことを言うとファビョーーンになりますし親戚にも看板持ったハゲのおじさん
がいます。そして何よりもあの兄。
「アイゴーーーーーーーッ、毎朝起きると毛が大量に落ちているのはそのせいだったニダかーーーーーーッ!」
「・・・それ大当たり」
ノーベル君の言葉がジャストミート。カンコ君の手にごそっと髪の毛がかかります。
「アーーーーイーーーーゴーーーーッーーーー!!」
自分の抜け落ちた毛を見て絶叫するカンコ君でした。
- 92 名前:ローズ・・・名無しさん ◆O4x3A1GrPw 投稿日:03/12/04 02:19 ID:ZtcM3OL4
- とても怖いお話を。
ttp://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Oasis/8675/Ke.html
ttp://www.ikumou-d.com/kiso/kiso02.html
ttp://town.cd/shop/seihatsurei.shtml
ttp://www.geocities.co.jp/SiliconValley-SanJose/7769/rekishi/hage.html
あと将軍様と汁おじさんをネタにしました。カンコ君の未来はどうなるかな。
ちなみにこれのネタ元は前あったスレです。何でもかんでもネタ提供するなよな。
面白いけど。まああの大統領は大丈夫か
- 93 名前: 投稿日:03/12/04 03:25 ID:c/hhl1AO
- >>88
マルチに反応イクナイ
- 94 名前:有閑工房 ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/12/05 16:50 ID:M7xTPLVH
- 『屋根の上のニホンちゃん Reroaded』
どんがらがっしゃーーーん!!!
「あたたたたたたぁーー!」
大きな音と叫び声がニホンちゃんの家から響き渡ります。
「姉さんどうしたっ!またカンコが…あれ?」
ニホンちゃんの悲鳴を聞きつけて木刀片手にニホンちゃんの部屋に駆け込んできたウヨ君
ですが、部屋の中には誰もいません。折からの心地よい風が窓辺のカーテンを揺らしています。
「…姉さん?」
怪訝な顔で部屋の中を見回すウヨ君ですが、不意に窓の外から物音がして、窓から体を
乗り出しました。
「あ……」
そこには屋根から滑り落ちて思い切り尻餅をついているニホンちゃんがいました。
いるのはいいのですが、はだけたスカートから寒さ対策の毛糸パンツが丸見えです。
「うーん、……たけしぃ」
思わず呆然とニホンちゃんのあられもない姿を見ていたウヨ君ですが、はっとなって慌てて
ニホンちゃんのところに行きました。
「ね、姉さん、パン…でなくてなんでこんな所で倒れてるんだよ…」
ニホンちゃん痛みで声にならず二階の屋根を指差します。
「あそこから…落ちたの?」
ニホンちゃんは頷きます。
『そりゃ…パン…でなくて痛いよな…』
ウヨ君は『実の姉』と10回頭の中で唱えて倒れたままの姿のニホンちゃんを助け起こして
ベッドに運び込むと、急いでジミンパパに電話し、医者を呼びに駆け出しました。
- 95 名前:有閑工房 ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/12/05 16:51 ID:M7xTPLVH
- お医者さんと一緒に部屋に入ったときにはパパはうつぶせに寝ているニホンちゃんの手を
しっかと握っていますが治療も何もしていません。
『ほ・か・にすることあるだろ!』
一瞬血が沸騰しかけますが、お医者さんがすぐに診察に入り、パパもウヨ君に出て行くように
促したので黙って出て行きました。
『いいよなパパは・・・』
そこまで考えてはっとして、頭の中で『実の姉なんだっ!』と30回繰り返して自分の部屋に
帰りました。
「さーてさくら、ママがどうして怒ってるかわかるね?」
「ハイ。」
ひと段落着いて同じく真っ青な顔で駆けつけたニホンママですが、そこは母親、子供の前では
パパのように取り乱したりはしません。
「さくらが絶対大丈夫だって言うから今まで屋根に上がるの大目に見てたけど、これで二回目
だよね?」
「うん。」
「パパのカメラも台無しにして、さくらも怪我して、これって大丈夫なのかな?」
「大丈夫じゃないです…。」
さすがにニホンちゃんもしおしおです。見下ろすニホンママの眼差しは冷たいものですが、
うつ伏せのニホンちゃんにはあまり表情が読み取れません。
「ま、今回はさくらも怪我したしあんまり言わない。でも次にこんな怪我したら二度と屋根の上
になんか行かせないよ。」
「……ハイ……」
寝返りもうてず、涙で枕を濡らしながら部屋を出て行くニホンママの気配を感じるしかない
ニホンちゃんです。
- 96 名前:有閑工房 ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/12/05 16:52 ID:M7xTPLVH
- 「でも姉さん、なんでそんなに屋根に上がりたがるのさ?」
ほとぼり冷めてニホンちゃんの部屋にお見舞いに来たウヨ君。りんごを剥きながらニホンちゃん
に聞きます。
「はじめはひなたぼっこしたかったの。でもね、屋根の上からだとキッチョム君のところにいる
子猫ちゃんたちの様子が少しわかるの。だからどうしても上がりたかったの…」
その話を出されるとウヨ君も一言もありません。
しかしそれにしてもニホンちゃんがこの時期に怪我をするのはタイミング悪すぎです。イラク君
のお片付けの手伝いの最中に生卵をぶつけられて泣きながら帰ってきたのはつい昨日のこと。それで
怪我をした訳でもないのに家の中は喧々諤々の大騒動。
今日はカンコ君も同じ目に遭って、アサヒちゃんが寝込んでいるのも構わずにニホンちゃんの部屋
に吶喊かましてウヨ君が追い払ったところです。
「ところで姉さん、どうするの?」
「ん?どうするって?」
「そりゃあお姉さん、屋根に上がるのだよう。」
「あはは、おもしろいの!んーとね、屋根のほうは怪我が治ったらまた上がるよ。」
「いやいきなりはまずいんじゃ…」
「んーでもね、道具の準備が出来たら、多分またやっちゃうと思うよ。私、屋根の上好きだもん。」
そういう所にはニホンちゃんは全く屈託がありません。
とはいえパパやママの信用がないとニホンちゃんのお小遣いにも響くってもんです。
『次は大丈夫。怪我なんかしないもん!』
心密かに誓いながら、不安を押し殺してとりあえず寝入るニホンちゃんでした。
「あ、母さんが言ってたんだけど、母さんのもの屋根に持って上がるなってさ。」
『ふえぇぇーーーん…』
おしまい
- 97 名前:有閑工房 ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/12/05 16:55 ID:M7xTPLVH
- 解説・自爆・五里霧中
お久しぶりの有閑工房です。大人の事情でなかなかROMすら出来ませんが…
つらいのう、わしゃあやっとれんよ。はよう家にネット引きたいのう。
※ あーあ、打ち上げ失敗しちゃったなあ…。なんかいい感じのところに水さすようで
嫌だなあ。こうなったら憲法と自衛隊法改…ウワナニスルヤメ(dom(dom(dom
※ えー、まあ、独自技術のみで宇宙開発っつーのは大変だと言うことで。成功してこの
ネタ作りたかったところだけど、世の中そうは巧くいきませんなあ全く。H2Aは巧くいって
いただけに残念です。頼む日本!踏ん張ってくれ!ウリは祝日には日の丸掲げてるんだ…
って、関係ない?関係ないかなあ?…関係ないよね。
ソース辛口
新聞記事をば→HOTWIRED
http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20031202306.html
北のお友達からも『やーいやーい失敗してやんの!』との励ましを頂いております。
- 98 名前: 投稿日:03/12/05 19:55 ID:dJvEePsp
- (´・ω・`)ショボーンage
- 99 名前:無銘仁 ◆uXEheIeILY 投稿日:03/12/05 22:08 ID:CiCn14h/
- 「果てしなき闘争 第二章」
先日は喧嘩別れしてしまいましたけれど、どうにも気になるものですから、
あの池に様子を見にゆきましたの。氷の道にも入りましたわ。
そうしましたら、わたくしとんでもない発見をいたしました。あの島には化石が
眠っていましたのよ。そう、あの古代の植物からできる化石ですわ。
アメリーが「自由研究に役立つ」と言ったときは半信半疑でしたけれど、
お母様にこの話をしたら、ぜひ調べて来なさいとおっしゃいました。
そこでわたくし、馬と食べ物と防寒着を用意したんですの。
お父様――ブリテン卿の権勢をもってすれば造作もないことでしてよ。
自慢するわけではございませんけれど、時計台の立地を決めるときも、
この権勢が役に立ちましたわ。ユーロ地区中の男どもをわたくしの富と美貌の
前にひざまずかせましたの。そうそう、あの時フランソワーズは、自分のところに
建てたいなんてわがままを通そうとしましたっけ。
あの子、今になってもそのことを持ち出してはねちねちと不平を並べますのよ。
ま、今度の競争もわたくしが勝つのは当然ですけれどね。
「おはよう。ずいぶん手回しがいいね」
誰かと思えばノルウェーがわたくしに声をかけてきましたの。
そのまま少しばかり話していましたら、今度はアメリーが駆けつけてきましたわ。
「またなんてえ周到さだ。あてつけのつもりかよ」
フフ、アメリー、この間のことは水に流してさしあげてもよろしくてよ。
その代わりお父様に借りたこの馬で、ブリテン卿の威信にかけても絶対に
わたくしが一番乗りの栄誉をいただきますわ。
自信に満ちてそう宣言しましたのに、誰もこちらを見ていませんでした。
先日は霧で見えなかった島が、数十メートルの雪山であるのがはっきりと見て
とれたからですの。そのうえ山へと続く氷の道は山あり谷あり、さしずめ
寒冷地獄といったおもむきでしたから。
それを見てベルギーがぽつりと言いました。
「凄い――僕も準備して来よう。そうだ、パトラうわなんだおまえやめrがbjあn」
みな準備不足を感じたらしく急いで走ってゆきましたわ。
さあ、七つの池を制覇したブリティッシュ魂を見せつけてさしあげようかしら。
- 100 名前:無銘仁 ◆uXEheIeILY 投稿日:03/12/05 22:10 ID:CiCn14h/
- ノルウェーの登場は少しばかり想定外でしたわね。わたくしひとりで先に進める
とばかり思っておりましたもの。
さて、とにかくテントを張らなければお話になりませんことよ。わたくしは前回の
経験から勘で張りましたけれど、かれはわたくしより奥に張りましたわ。
図書館で古地図を見て、安全そうな位置を調べたんですってよ。
どちらが正解ですかしらね。
必要な荷を馬に積みなおしてテントを離れたのはよかったのですけれど、
出発した途端に吹雪に見舞われてしまいましたの。全く不運でしたわね。
そのまま進んでおりましたら、今度は馬が足を折ってしまいました。
たしか、深い谷の近くで滑ったせいでしたかしら。
落ちなかっただけでも幸いでしたわ。
吹雪も激しくなるし散々な行程でしたけれど、諦めるなんてわたくしのプライドが
許さなくってよ。ええ、ひとりで荷物を引きずってでも進みましたわよ。
今頃ノルウェーがどの辺りまで進んでいるか考えると気が気では
ありませんでしたわ。
何時間経ちましたかしら。いつしか吹雪がわたくしの視界を奪い、左右はおろか
上下さえ分からなくなってしまいましたの。
風が顔を切り裂き、雪がひざまで積もってきていました。
こんなことなら馬でなく犬を連れてこればよかったのですわ。
そう考えかけましたけれど、人間に忠実で寒さに弱い犬を過酷な労役に供する
なんて、心優しいわたくしには気が引けますのよ。
荷を引く両手が火照り、無感覚が痛みに変わり始めたころ、霞む視界のかなたに
かすかに山頂が見えてきました。あのときの喜びといったら、とても言葉では
表せませんわね。初登頂の栄誉があれば吹雪のひとつやふたつ、どうってこと
ないんじゃありませんこと。
凍てつく指で方位磁針と地図を取り出し、間違いないことを確認すると、最後の
一歩を踏み出しましたわ。(つづく)
- 101 名前: 投稿日:03/12/07 11:13 ID:+bJ+74wm
- レス少ないよね、最近。
- 102 名前:在日の名無しさん投稿日:03/12/07 11:24 ID:eDdQTS7k
- >無銘仁サマ
第三章はニホンちゃんとシラセおぢさんの登場でつか?
わくわくです。期待してます。
エリザベスちゃんはチョトひどい目に遭いそう。
後話でニホンちゃんと二匹の子犬の話なぞキボンヌ。
- 103 名前:目次171投稿日:03/12/07 16:32 ID:Fks7mqaC
- 第1714〜1717話
>>66
第1718話「感謝するべき?」
>>67
第1719話「新ユニット」
>>68-69 ( >>70 解説)
第1720話「でもでも」
>>74-77 ( >>78 解説)
- 104 名前:目次171投稿日:03/12/07 16:32 ID:Fks7mqaC
- 第1721話「そう遠くない未来」
>>89-91 ( >>92 解説)
第1722話「屋根の上のニホンちゃん Reroaded」
>>94-96 ( >>97 解説)
第1723話「果てしなき闘争 第二章」
>>99-100
- 105 名前:その一投稿日:03/12/07 23:35 ID:mrRL5hy0
- 「小悪魔なニホンちゃん」
今日はフランソワーズちゃん家でお茶会、クラスの皆が来ています。
「キッチョムの奴だけ来てねえな」
「一度ゆっくり話がしたいアルな」
アメリー君とチューゴ君がカンコ君をじろり、と睨みながら言います。
「アイゴオオ・・・・・・」
二人に睨まれしおしおのカンコ君です。
そんな殺伐とした男性陣をよそに女性陣は華やかです。話題は扇についてです。
「これニホンちゃん家で始まったのよね」
自分の家の扇を手にしつつタイワンちゃんが言います。
「チューゴ家に伝わり改良されそれがまたニホンさんのとこへいったのですわね」
フランソワーズちゃんがそれに応えました。
「欧州丁へ渡ってわたくしの文化に華を添えましたのよ」
懐から色とりどりの羽根で飾られた豪華な扇子を取り出しました。
「この扇はフランソワーズちゃんに教えてもらったのよね」
ニホンちゃんが着物から絹扇を取り出しました。
「如何でして?中々美しいでしょう?」
「うん、わたしのお気に入りなの」
濃い群青の生地に紅い花が描かれています。
「扇って持ってるだけで様になるけど。ただちょっとかさばったりするのよね」
そう言いつつ扇を動かします。それを見てマカロニーノ君がにんまりしだしました。
- 106 名前:その二投稿日:03/12/07 23:36 ID:mrRL5hy0
- ニホンちゃんが扇の先を前髪に当てます。
「ふふっ、積極的だね。けどそんなこと最初からわかってるよ」
右腕にひもをかけます。
「やっとニホンちゃんもその気になってくれたね」
思わず身を乗り出します。
次に扇は口元へ。
「それは皆がいない時に。まあ僕は構わないけどニホンちゃんが」
「?マカロニーノ病気か?」
皆首を傾げます。
「いや、ニホンちゃんが」
「ニホンちゃんが!?」
「?わたし?」
何もわからないニホンちゃん。扇を開いて口を隠します。
「そんな・・・・・・」
それを見てひどく落ち込むマカロニーノ君。
「?どうしたのマカロニーノ君」
何が何だかわからないニホンちゃん。
「ニホンさん、ちょっと」
フラメンコ先生がニホンちゃんに耳打ち。
「えっ・・・・・・」
自分の手の動きが何を意味したか知って顔を真っ赤にするニホンちゃんでした。
作者註:扇言葉の意味
扇の先を前髪に当てる・・・あなたが好きです
右腕にひもをかける・・・・恋人を探しています
口元へあてる・・・・・・・キスして下さい
開いて口を隠す・・・・・・あなたはタイプでありません
という意味です。
- 107 名前:根市はどうかな名無しさん ◆O4x3A1GrPw 投稿日:03/12/07 23:39 ID:mrRL5hy0
- 我が国発祥の扇を。ヨーロッパには扇言葉というものがあったそうです。
ttp://www.kougei.or.jp/crafts/kyoto/sensu1.html
ttp://www.angel.ne.jp/~nanakos/hp800ii.htm
ttp://www.mercros.co.jp/ougi/kinusen/kinusen.html
扇言葉はスペインで流行したようですね。フィガロの結婚の伯爵夫人
みたいな貴婦人が使っていたと思われます。それはそうとあの国扇も
発祥とか言いそうだな、しかし。
- 108 名前:ヤマトタケズ ◆r5m21u0gDo 投稿日:03/12/09 00:00 ID:rmDuE3hN
- ☆ ☆ ほしはすばる ☆ ☆ 1/
今日、ニホンちゃんたちはアメリー君んちのハワイ棟屋上で冬の星座を観測してます。
ご存知の通り、アメリー君の家は大きくて建物が沢山あり、アメリー君の家族や従業員が
入居しているのですが、その最上階のほとんどはワスプブルク家出身の人しか住めません。
でも、このハワイ棟は比較的最近アメリー君ちの所有となったのでそんなことはありませんし、
ニホンちゃんの親戚も大勢居るし、温水プールもあるので、彼女はここが大好きなのです。
「わーっ!みてみて、タイワンちゃん、シリウスー!」
「ゲルマッハくーん、アーリアちゃーん、ふたご座だよーぅ」
この2・3日でめっきり寒くなりましたが、無邪気に彼女ははしゃいでいます。
「どうだい、町内じゃ、ここが一番、星がよく見えるだろー?」
いつものアメリー君の自慢はスルーしてみんな冬の夜空を楽しんでいます。
そして、今使用している望遠鏡にもその名前を付けているくらいニホンちゃんの一番のお気に入り、
「…すばる、きれい、、、」
「ほんとに美しいですわね」「プレアデス星団でしたかしら」
「410光年の彼方にある若い星々の集まりだったかな、アーリア」
「若くて美しい集団なんて、まるで今の君たちのようだねぇー」
「おれは地球町の端にある大危険崖にも“はぶる望遠鏡”を持っててさあ」
『聞いてねえって!』、、、、みんな楽しそうです。ところが、
- 109 名前:ヤマトタケズ ◆r5m21u0gDo 投稿日:03/12/09 00:01 ID:rmDuE3hN
- 2/4
「ウーリはゆくぅー トンがぁった頬のままぁでぇー♪」彼です。カンコ君です。
「げっ!」「このカプサイシンでつぶれたダミ声は...」いっせいにみな歌声の方へ向き直ります。
「天知る 地知る 謝罪汁、、、ウリだけ仲間ハズレにしたことを反省するニダ!」
「だって仲間じゃないもん」と、みな心の中でツッコミましたがそれを口にすると更にややこしい
ことになることをみな経験上知っているので、とりあえず宥めにかかります。
「ごめんね、カンコ君。きっと忙しいんじゃないかと思って、、、」
「君は博学だから、いまさら初歩の天体観測で勉強なんて必要ないんじゃないかなって思ったんだ」
もちろんホントはみな星空の情緒に浸りたくて、暗黙の了解で彼には声をかけなかったのですが...
「ニダ?よろしいニダ。」
あっという間に上機嫌に成りました。単純ですね。
「無識なニホンたちに天文学のイロハを教えてやるニダ。」
BKAOOOOOOOOM!!
タイワンちゃんの必殺の右ブローが炸裂しました。GJ!
カンコ君は彼女のバックに流星群を見、その直後、走馬灯のように自分の生まれてから今までの、、、
「はっ!つい...」正気に戻るタイワンちゃん。
ぐゎしゃっ!!顔面から弾道飛行を終えるカンコ君。
- 110 名前:ヤマトタケズ ◆r5m21u0gDo 投稿日:03/12/09 00:01 ID:rmDuE3hN
- 3/4
カンコ君の頭部からどくどくと湧き上がる赤い液体がハワイ棟屋上に拡がって模様を描いてゆきます。
「あ...きれい...」
そう、それはまるでカンコ君の...
『ムクロノ花ガ咲キマシタ』
「勝手に人を殺すんじゃないニダッ!!」
「わ、生きてた。」
さすが、あっという間に回復しました。
「っていうかカンコ...おまえって....」アメリー君が問います。「..ヒトか?」
彼の常識ハズレの生命力がアメリー君に「ひょっとしたらこいつは今俺たちの頭上に拡がる星々のどれかから降ってきたんじゃなかろうか」
と妄想させたようです。
「ではウリの講義を始めるニダ。」(あーあ)
「実は動いているのは星ではなくて地面の方ニダ。なんとこの惑星は球体をしていて回っているニダ。」(はいはい)
「だから南半球では太陽は西から昇って東に沈むニダ。」(バカボンかよっ!!)
「そして大宇宙は無限に拡がってるニダ。だからウリのような大きな望遠鏡での観測が不可欠ニダ。」
(カンコって望遠鏡、持ってたっけ?)(さあ、デンパ望遠鏡なら確実に持ってるだろうけど...)
「そこ!聞こえてるニダよ。よろしい、見せてつかわすニダ」
と自分の望遠鏡をセットし、みなに覗かせます。
- 111 名前:ヤマトタケズ ◆r5m21u0gDo 投稿日:03/12/09 00:02 ID:rmDuE3hN
- 4/4
「星は遠くに在りすぎてそこを出発した光がウリナラに届くまでにキムチが酸っぱくなる位かかるニダ。」
「あれ?このカンコ君の望遠鏡...」覗いたニホンちゃんが首をかしげ、マコロニーノ君に替わります。
「ほんとだ、少しヘンだねえ。」「おかしいですわねえ。」エリザベスちゃんやフランソワーズちゃんも同様の反応です。
カンコ君はお構い無しに講義を続けます。今日のは抗議ではなくて講義です。
「つまり天体を観測するという事は、過去を見ることと同じ事ニダ。」
『ああっ、それで!』みんな一斉に納得の表情です。
「な、みんなどうしたニカ?」
不振がるカンコ君に、みんな声を合わせて叫びます。
『だからカンコ(君)の望遠鏡は歪んで見えるんだ。』
「 ア ・ イ ・ ゴ ォ ー − ‐ . . 」
ちゃん ちゃん
- 112 名前:ヤマトタケズ ◆r5m21u0gDo 投稿日:03/12/09 00:03 ID:rmDuE3hN
- みなさん、はじめまして! ヤマトタケズと申します。
この「ニホンちゃん」は自分がハン板に来るきっかけとなったスレなのですが、
今までずぅーっとROMしてきました。で、今回が初登校です。
ガイシュツのネタもあるかもしれませんが、チェックしていません。申し訳ない。
ソースといえるほどのソースはなくてごめんなさい。あ、でも「西から昇ったお日様が...」は
ホントにこの間NAVERで主張しているニダー君が居ましたw。
実は本日はこのスレのみなさんにお願いがあってお邪魔しました。
- 113 名前:ヤマトタケズ ◆r5m21u0gDo 投稿日:03/12/09 00:16 ID:rmDuE3hN
- NAVERから派生した
伝説記者オデヨン http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1063871795/
伝説記者オデヨン-接触篇-2 http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1065016426/
スレの下の方、‐接触篇-2 において 三星亭 現代 ◆oUu86N7U2M さんから↓↓こんな↓↓お誘いがありました。
882 名前:三星亭 現代 ◆oUu86N7U2M 投稿日:03/11/19 21:31 ID:iHXBzGB+
│ _、 _
│ ヽ( д` ; )ノ ええっ!? これですか?
│ へノ /
└→ ω ノ
>
、、、まちがえました。訂正します。
- 114 名前: 投稿日:03/12/09 00:18 ID:0Hi32wer
- 倭奴のオナニースレ
ひきこもり2chねらーの自慰史観
自己完結
恥ずかし〜ネ。w
- 115 名前:ヤマトタケズ ◆r5m21u0gDo 投稿日:03/12/09 00:21 ID:rmDuE3hN
- >883 名前:三星亭 現代 ◆oUu86N7U2M 投稿日:03/11/20 11:41 ID:tZWdjELs
>そういえば、笑韓系のメーリングリスト作りましたがどうしましょ?
>公開するタイミングが計りかねている
...で
>884 名前: 投稿日:03/11/20 14:07 ID:R9qJQzms
>>>883
>щ(゚Д゚щ)バッチコーイ!!
となり、
>885 名前:三星亭 現代 ◆oUu86N7U2M 投稿日:03/11/21 15:44 ID:FcxRQ8Md
>ほれ。物好きщ(゚Д゚щ)カモーン!!
>http://zoumou.at.infoseek.co.jp/
っつーことになったわけです。
- 116 名前:ヤマトタケズ ◆r5m21u0gDo 投稿日:03/12/09 00:50 ID:rmDuE3hN
- すみません。sage忘れたため、闖入があったようです。
で、その笑韓MLで何をするかというと、申し訳ありませんが、当該スレの922へ行って確認してみてください。
それでもし、興味の湧いた方は、三星亭 現代 さん の笑韓ML企画にご協力いただけないでしょうか。
自分は笑韓系スレと聞いて真っ先にこのスレが頭に浮かんだのでPRのためここへお邪魔しました。
軽い気持ちで、というといかにも怪しい勧誘のようでナニなんですが、時間的に余裕のある方、
実際に何か行動してみたい方、三星亭 現代 の笑韓MLにすばるべし!
以上、激しくスレ違いのPR、たいへん失礼いたしました。
- 117 名前: 投稿日:03/12/10 18:40 ID:UFzImilC
- クハハ〜!
じぇんじぇん うけない話を完全に無視されたうえ、
スレの流れを止めてしまった アホなチョッパリ ハケーン!!
- 118 名前:禿投稿日:03/12/11 06:46 ID:gAFlS+nj
- 同
- 119 名前:チョンハケーン投稿日:03/12/11 08:26 ID:oypINhBK
- >>117、>>118はチョン
- 120 名前:禿投稿日:03/12/11 15:22 ID:gAFlS+nj
- 同
- 121 名前:有閑工房 ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/12/11 16:13 ID:xoKoqANF
- 『幻蟹大戦?』
地球町でも美食家で鳴らすチュウゴ君。秋になると期間限定で製造するカニパンも町内
で大人気です。ただ町内はおろか中華マンションでもその争奪戦は激しく、なかなか食べる
ことが出来ないのが辛いところでしょうか。
売れ行きを見てチュウゴ君も大もうけしようと考えているのですが、最高と言われる
カニパンは、作る職人と機械がそれぞれ一人と一つしかないため、増産もままなりません。
しかも秋でないといいものが出来ないのです。
「ま、いいものは大量に作れないから仕方ないアル…。」
その分値段が吊上がっているのでまあ良しとしていました。
ところが…
「ねえチュウゴ君、チュウゴ君のところのカニパンなんだけど…」
「何かあったアルかニホン?知ってのとおり朕の家のカニパンは町内一ィィィー!アルが?」
「チュウゴくん、な、何か微妙にキャラが違うけど…まあいいや、あのね、この間買った
カニパンに髪の毛が入っていたんだけど?」
こちらも町内では美食家で鳴らすニホンちゃん、食べ物の衛生管理は町内誰もがびびり上がる
くらいですので、こういう事にはやたらとうるさいです。どうもニホンちゃんの美学が許せない
らしく、珍しくこめかみに青筋が立ってます。
「えっ!そ、そんな筈はないアル!店に出すまでみんな気を使って作ってるアル。ありえない
アル!」
人気商品に関する話だけにチュウゴ君も真っ青になり、ニホンちゃんが持ってきていた
食べかけのカニパンを受け取ると、自主的にその日は休校としたようです。ダッシュで家に
帰ってしまいました。帰り道でハァハァしながら半分食べたのは秘密です。
- 122 名前:有閑工房 ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/12/11 16:20 ID:xoKoqANF
- *
「ぼん、それはありえないアル。これこのとおりワタシ髪の毛ないアル。それに工場の中で
は絶対に帽子かぶって脱がないアル。」
ソシュウ叔父さんはふんぞり返って駆け込んで事情を説明しるチュウゴ君に反論しました。
言われてみればその通り。長い黒髪なんか叔父さんの頭には一本もありません。
「それじゃあ誰の髪の毛アルか…」
チュウゴ君もちょっと困ってしまいました。
「ぼん、そのパン少し食べさせてもらえるアルか?」
「ああ、食べるといいアル。」
そう言っておじさんは一口パンを食べましたが、瞬間に顔が五星紅旗のように真っ赤になり、
怒り始めました。
「アイヤーーー!!!何てことアルか!こ、このパンはぁっっっ!」
「どうしたアルか!」
「まずいっっっ!」
「い、いや、朕が食べた時はそうは思わなかったアルが…イロンナイミデ…」
「ぼん、チュウゴ家の当主として味覚が鈍いのは失格アル。このパンの焼き加減はわずかアル
が焼き過ぎアル。カニパンのミソは微妙な焼き加減に云々…」
当主失格の烙印を押されて非常に腹立たしいチュウゴ君ですが、パン焼きには一家言ある
叔父さんには逆らえず、当座の対策を取るために急いで部屋に引き返します。
- 123 名前:有閑工房 ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/12/11 16:21 ID:xoKoqANF
- *
次の日――
「というわけで朕の自慢のカニパンの偽物が出回っているアル。そこで対策としてパンの袋
のデザインを変えたアル。こっちが本物アル、以後お見知りおきを宜しくお願いするアル。」
商売人の息子だけに慇懃な態度を取らせたら嫌味なくらいに町内一です。
『ふーん…パッケージ変えたのかあ…でもこれってすぐ朴られるんじゃないかなあ?』
自信満々のチュウゴ君を尻目に、朴られまくりのニホンちゃんはその程度で偽物対策が出来れば
安いもんだと思っていました。
案の定翌日にはチュウゴ君の自信失墜とニホンちゃんの予想的中と相成り、偽物も全く同じ
デザインで出回っています。
「アイヤーーーー!なんで朕がこんな苦労しないといけないアルか!」
なんでって、それがチュウゴ家の 伝 統 じゃないですか。
デザイン変更から3日後――
「今度は大丈夫アル。今度は朴られないアル。朕のカニパンにはパンに焼印をしているアル。
その日作った数だけナンバーつけているから安心アル!」
改めてチュウゴ君自信満々です。改めるまでもなくニホンちゃんは冷めた目で眺めています。
『だーかーらー、有効なら私もやってるっちゅーに…』
何だか憔悴するまで偽物対策に奔走するチュウゴ君が憐れではありますが、煮え湯の六ダース
くらい平気で飲まされているニホンちゃん、同情なんてこれっぽっちもしません。
言うまでもなく次の日には同じシリアルナンバーのカニパンが一ダースも出回る始末。
「もうこうなったら朕が直接売り歩くアル。学校なんてモーマンタイ!朕の面子が何よりアル!」
かなりキレまくりのチュウゴ君、その日のうちに人海戦術で露店を作ると、無期限無断銃剣突撃
精神学校休業(つまりサボリ)に突入し、自らカニパンを売り捌きます。
- 124 名前:有閑工房 ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/12/11 16:26 ID:xoKoqANF
- しかし巧くいったのはその日だけ。次の日にはチュウゴ君の家のあちこちに『元祖チュウゴ家
謹製カニパン』、『カニパン本家チュウゴ屋』『チュウゴ公認カニパン』という看板で辻売りが
跋扈し始めます。中にはチュウゴ君のカニパンを見本に並べてはいますが、客に渡すのは偽物という
悪徳辻売りも出る始末。
「ど、どうしたらいいアルか…」
挫折ポーズでしおしおのチュウゴ君ですが、遠目にそれを眺めているニホンちゃんは敢えて助言
はしません。意地悪でもなんでもなく、言ったってやりっこないからです。つか、出来ないから
ですが…。
『がんばってねー。大変だねぇー(^^)。あ、タラバパン焼いてたんだった。帰って食べよーっ
と。』
同じく冬の風物詩を思い出していそいそとお家に帰るニホンちゃんでした。
おしまい
- 125 名前:有閑工房食彩記 ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/12/11 16:28 ID:xoKoqANF
- 解説・珍味・右往左往
※ グルメまっしぐらの上海ガニ真贋ドタバタ事件から。上海ガニの人気の高さにかこつけて、
偽物が最近跋扈しているそうな。何せ朴李上等のお国柄、朴られるのは外国企業とは限りませぬ。
金づるとあらば国禁を平気で犯し、足の引っ張り合いもへいちゃらら(w
※ 産地表示、焼印、専門店販売、すべて効き目なし。レストランでも本物を『今からこれを
料理します』とか言いながら実際は偽物でお客に出したり…などと真贋を巡って骨肉の争いが
展開されとります。偽物の中には食べただけで食中り起こすものもあるそうだから、本物も
ブランド失墜につながる事態だけに頭の痛いところでしょうな。さてはて、謝罪と賠償は一体
誰にするんでしょーか?
ソースとか何とか
↓あ、これね。大閘蟹(上海蟹)9月から11月頃蘇州近郊の陽澄湖産のものが最高なんだとか…
ああそうさ、ウリは食べたことなんてないさ(w
ttp://www.shanghai.or.jp/life/konok/19.html
↓血統書つき上海蟹
ttp://www.sponichi.co.jp/society/photonews/2003/09/05-2.htm
ttp://www.cnip.org/news/46/4638.html
- 126 名前: 投稿日:03/12/11 22:12 ID:zenC9JEq
- こんな美味しい素材、使わない手はありません
【社会】『まだ君を愛しているよ』女子大前で「1人デモ」
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1070446734/ >91
http://japanese.joins.com/html/2003/1208/20031208180328400.html
- 127 名前:siki投稿日:03/12/13 15:02 ID:YK0jvykO
- 中国、カニといわれ真っ先に連想するのは鉛ガニ
自分は、だいぶ病んでいるようです
中国産のカニを韓国で食べるのは止めましょう
- 128 名前: 投稿日:03/12/14 01:05 ID:Abzk8vd+
- >>121〜125
いつも乙です。
目茶面白かったです。
ロシアノビッチ&ニホン家、キッチョム&カンコといいアジア町の住民は
カニパン好きが多いようで。
気のせいかなんか総督府重いぞ・・・。
- 129 名前:目次172投稿日:03/12/14 21:17 ID:mwG+H0lJ
- 第1718〜1723話
>>103-104
第1724話「小悪魔なニホンちゃん」
>>105-106 ( >>107 解説)
第1725話「ほしはすばる」
>>108-111
第1726話「幻蟹大戦?」
>>121-124 ( >>125 解説)
- 130 名前: 投稿日:03/12/14 21:55 ID:dilBqrIY
- おいおまいら!
フセインがとっつかまりましたYO!
- 131 名前:更科がホシュするです ◆bc/WMtRnlQ 投稿日:03/12/16 21:20 ID:cPjFZcOj
-
o 。 ______o O 。 。 °
。 ○ o ○ / ィ ○ o ○
o /ニニニ)⌒ヽ o
o (`ハ´ ) )
○ 。 ○ /○ ○) /|,. o O o
。 o o ∠∠______∠_/ / ○
o .|/ |_/ ○ 。 o O 。
o O / ̄ ̄ ̄/ ̄ o 。
。 ノ / o O
o o ¥ ¥ _ノ) ¥ ¥___ノ) 。 o ○
o <●_●*> <`∀´*> つ o ° o 。
。 o ∪-∪'"~ ∪-∪'"~ 。 。 o °o 。
__ _ 。 __ _ o o__ _ °
__ .|ロロ|/ \ ____..|ロロ|/ \ __ |ロロ| __. / \
_|田|_|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_|田|._| ロロ|_
(;^▽^)ヒイイッ
- 132 名前: 投稿日:03/12/16 22:31 ID:MT70r9fQ
- ワロタ!
プレゼントくれる以前に、いろいろ盗まれそうw
- 133 名前: 投稿日:03/12/17 00:36 ID:cjFs8JH0
- ((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル
- 134 名前: 投稿日:03/12/17 20:13 ID:PZfDzVpB
- 代わりにトナカイを置いていくかもしれない。
- 135 名前: 投稿日:03/12/17 23:41 ID:9E41D1RI
- うわ、悪夢w
- 136 名前:有閑工房 ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/12/18 19:45 ID:CmpPkCGP
- 『銀色のはるかな道』
空が、広い―――。
もう冬だというのに時々吹く風も柔らかに感じてしまう。
「あんまり来ることなかったけど、うちにもこんなに気持ちいところあったんだなあ…」
どこまでも穏やかな海、足元に打ち寄せる波の音、漆黒の水面、そして沈みゆく太陽…。
おじいちゃんの残されたアルバムを眺めていたとき、ここの写真が残ってた。時は
アメリー一家との大喧嘩の真っ最中、数で繰り出されて押されっ放しの状況の中で一矢
報いようと猛特訓をしていた頃の写真…。
負けられないプレッシャーと、もう勝てない絶望感の最中で撮った写真の数々。なのに
おじいちゃんはなぜだか笑っていて、とても優しい目をしている。それはまるで、私が
こうやって昔の写真を眺めているのを解っているかのようだ。
何だか無性にその場所に行ってみたくなり、今こうしてぼんやり海を眺める。ここは
そのおじいちゃんたちの苦しい記憶のあるところ。でもなぜだか景色はどこまでも静かで
優しい。まるでそんな事なんてなかったかのような、私を包む優しい世界。おじいちゃん
はいったいここで何を思い、何を見てたのだろうか。
「姉さん、まだいたの。」
振り返ると心配そうに私を見る武士の顔が茜色に染まっている。
「武士…。ここ、いい所だね。」
武士は無言だった。おじいちゃんが大好きで、お父さんやお母さんよりもおじいちゃん
のところにばかり居たがった弟だ。おじいちゃんの忘れ形見なんて言われてるくらいだから、
私みたいに感傷には浸れないかもしれない。
言葉なく海を見つめる武士は、この先に一体何を見ているのだろう。
- 137 名前:有閑工房 ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/12/18 19:45 ID:CmpPkCGP
- 「武士には何が見えるの。」
思わず私は声をかける。何だろう、この口から自然に滑り出す感覚は…。
「見えないよ。」
「そう…。」
「でもね、聞こえるんだ。」
「何が。」
「じいちゃんが言ってる。戦いたかったんじゃない、守りたかったんだって。」
「そうなんだ。」
「うん。」
よくわかる気がした。小さな頃から散々おじいちゃんの悪口ばかり聞いてきた。でも
おじいちゃんは大好きだった。おじいちゃんのことで泣かされて帰ってくる私を、優しく
抱っこしてくれるおじいちゃんが。
おじいちゃんは人の悪口には何一つ言い返さなかった。それは私から見ても歯痒い位
だった。
どうして黙ったままだったのかずっと悩んでいる。でも、ここにきて少しだけわかった
気もする。
『戦いたかったんじゃない。守りたかったんだ…。』
それは心の声。守りたかったから黙っていた。
どんな事にも、どんな言葉にも。
私たちの家全部が、悪者にならないために。
おじいちゃんが伝えたかった言葉は、私にも聞こえただろうか。そして私は、おじいちゃん
のようになれるんだろうか…。
- 138 名前:有閑工房 ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/12/18 19:46 ID:CmpPkCGP
-
黄昏がやがて去る。残照はとても寂しい。消え入る光は悲しみを誘う。私も武士もそれでも
水平線を眺め続け、寄せる波に耳を傾けた。
空にはいつか月が上がる。
月に照らされ水面が銀色に輝く。
光はどこまでも静かに世界を照らす。
一条の光の道は、どこに続いているのだろう。
それは本当にそこにあるとは思えない眺めだった。
心の中から、ささくれ立った想いを溶かし、満ち足りた気分にさせてくれるような…。
ただ見ているだけでなく、そこを進むことが出来れば、今度は何を感じ、何が見えるのだろう。
『私、こんな空想癖あったっけ。』
自分でもおかしく思いながら、傍らで魅入っている武士の手を取った。
「もう、帰ろっか。」
おしまい
- 139 名前:有閑工房ト・ト・ト ◆WOaKOSQONw 投稿日:03/12/18 19:49 ID:CmpPkCGP
- ※ 解説・月光・千尋波濤
開戦から62年。それを記念する意味で書きますた。抒情詩っぽいのが出ていれば幸い。
姉弟がたゆたっているのは山口県徳山市にある大津島回天訓練基地。空の桜花、海の
回天。絶望的な戦況でそれでも戦った先人に敬意を表すと同時に私たちが進むべき道に
幸多からんことを願って書きました。
この大津島、そんな施設があったとは思えないほどあまりにも穏やかで静かな島です。祖
父が回天搭乗訓練を積んでいたという友人と共にここを訪れたのは2年前の夏。湾口にある搭
乗施設までトンネルを潜って辿り着いた時、表現しがたい感情に襲われ、2時間ばかりそこで
呆然としていました。
死に行く運命を背負った人々がこの海をどんな気持ちで眺めていたのだろうか。
そんなことを考え、今から自分の行く先を考えたときに敬虔な気持ちになりました。行く
機会と時間のある人にはお勧めしたいですなあ。資料館もあるし(関係者っぽい爺ちゃんが
いっぱい居ます。たぶん。)。
※ ソースとか何とか山登れ (重複はご容赦ください。)
↓愛国顕彰ホームページ 名前はアレですが詳しいし写真も豊富。
ttp://www.asahi-net.or.jp/~un3k-mn/index.htm
↓人間魚雷『回天』。開発コードは「〇六金物一型」。こんな名称なのは敵を欺くためだとか。友人
の「『金物』なんてものに乗るために爺ちゃんは訓練してたのか…」という言葉が忘れられません。
ttp://www.asahi-net.or.jp/~ku3n-kym/heiki4/ootusima/ootus.html
↓大津島。瀬戸内の穏やかな島です。訓練施設は他に光市にもあったそうです。回天訓練施設の
建物は今の小学校の位置。搭乗施設までのトンネル、湾内の搭乗塔は今でも残っています。
では諸君、先人に敬意を払い、ケイレイ!
ttp://www.asahi-net.or.jp/~un3k-mn/kai-oozu.htm
ttp://www.geocities.co.jp/Technopolis/5782/index.html
- 140 名前: 投稿日:03/12/19 22:45 ID:A/R3ixNI
- お疲れ。
靖国で桜花は観たことあるよ。
回天もあったかも。
久し振りにもう一度いってみようかなと。
- 141 名前: 投稿日:03/12/19 23:55 ID:CpqyOWsY
- >『銀色のはるかな道』
なつかすぃ……w
今もみんなのうたに載ってるのかな?
- 142 名前: 投稿日:03/12/21 22:58 ID:z5G92T0V
- なんつーか、某氏はなんでこんなにトンチンカンなことしかしないのか。
- 143 名前:もげ投稿日:03/12/22 18:19 ID:SxlXjNP9
- 【政治】韓国人修学旅行生の日本入国ビザ免除、3月1日から…外務省
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1072061904/l50
- 144 名前:火病製作 ◆O4x3A1GrPw 投稿日:03/12/24 04:34 ID:ybK5dGKa
- 「Only you」
今日もカンコ君はニホンちゃんにからんでいます。まあ毎度の事なので皆またか、という目
で見ています。
「全くあいつだけは」
いつものようにタイワンちゃんが出て行こうとしたその時です。不意にニホンちゃんが
言いました。
「もういい!じゃあカンコ君とは絶好よ!」
カンコ君に向かって叫びました。そしてプイ、と顔をそむけて去って行きました。
「ニ、ニダ・・・・・・」
突然のことに呆気に取られるカンコ君、皆もそれは同じです。
その日はそれで話は終わりでした。ですが次の日。
ニホンちゃんはカンコ君と目を合わせようとしません。カンコ君がこちらに来るとプイ、と
顔を向けて何処かへ行ってしまいます。
「ウ、ウリを無視するニダかっ!」
ニホンちゃんに飛び掛ろうとします。しかしニホンちゃんはそれをあっさりとすり抜けて
しまいます。見れば摺り足で動いています。
「ア、アイゴ・・・・・・」
床に飛び込むカンコ君。ニホンちゃんはそんなカンコ君に目もくれず行ってしまいます。
「そ、そんな・・・・・・」
これにはカンコ君我慢が出来ません。何しろ彼はニホンちゃんがいないとあれな人なのですから。
「こ、こうなったら奥の手ニダ・・・・・・」
ウリナラ脳全開で考えます。そして遂に素晴らしい(編者註:脳内ソース)
解決策を考え付きました。
「これでいくニダ、そしてニホンの奴を・・・・・・」
そうこうしているうちに夜が更けました。さあ登校です。
- 145 名前:火病製作 ◆O4x3A1GrPw 投稿日:03/12/24 04:35 ID:ybK5dGKa
- 「ニホーーーーン!いるニダかーーーーーーっ!」
校門にカンコ君の声が響きます。
「なっ・・・・・・!」
それを見た皆一斉に引きます。何とカンコ君はバッテンを書いたマスクを付けて
ピケットを身体に付けて登校してきたのです。そこに書いてある文字は。
『ウリを無視する事は許さないニダ、ここへ来てウリを見るニダ』
『新生したウリの姿を見るニダ』
『ウリの気持ちは何時までも変わらないニダ』
「さあ、ウリを無視する事は許さないニダーーーーーーっ!」
それを見たクラスメイトの反応。
「・・・全くあいつはけはしょうがないな」
クラスの男組が呆れて出て来ました。皆困った様な顔ですが校門のところに
出て行ってカンコ君を宥めてクラスに導いて行きます。
女組は。
「全く何処までもへそ曲がりなんだから・・・」
「少しは素直になればいいのに」
苦笑しつつもニホンちゃんの席へ向かいます。
「・・・・・・いいよ」
カンコ君の姿は当然ニホンちゃんにも見えていました。彼女もクラスの皆の
気持ちがわかっています。
女の子達に導かれ彼女も校門に向かいます。
- 146 名前:火病製作 ◆O4x3A1GrPw 投稿日:03/12/24 04:36 ID:ybK5dGKa
- クラスの皆が見守る中クラスと校門の中間でニホンちゃんとカンコ君の
ご対面です。皆息をこらして見守っています。
ニホンちゃんがスッと近付いて来ました。そしてカンコ君の手を
そっと握りました。
「絶交・・・・・・取り消すわ」
その言葉を聞いたカンコ君、急に顔を崩します。
しかし。
「フン、当然ニダ。ウリに無礼を働いた責任は取ってもらうニダ。
差し当たっては半万年分のしゃ(略」
「だからそこに行き着くからこうなったんでしょーーーが」
タイワンちゃんの延髄斬りが炸裂しました。もんどりうって倒れる
カンコ君。
「まあ予想通りだけれど」
「ほんとにしょーーーがない奴だなあ」
皆苦笑しながらカンコ君を助け起こします。そしてニホンちゃんと握手
させます。
それを遠くから見守る影。
「あの子達もああやって大人になっていくのね」
フラメンコ先生でした。口許に優しい笑みを浮かべています。
「あの子達の担任だから私も頑張れる。さあ今日も行くわよ!」
そう言うと生徒達に声をかけます。
「皆、授業を始めるわよ〜〜〜〜〜っ!」
「はあーーーーーいっ!」
その声に皆元気よく教室に飛び込んで行きました。
製作 名無しさん改め熱血君
構成 冒険王
製作 火病製作
出演者 ニホンちゃん
カンコ君
タイワンちゃん
フラメンコ先生
五年地球組一同
- 147 名前:火病製作 ◆O4x3A1GrPw 投稿日:03/12/24 04:38 ID:ybK5dGKa
- 今回の火病製作提供作品。ソースはこちら。
ttp://japanese.joins.com/html/2003/1208/20031208180328400.html
- 148 名前:(^O^)投稿日:03/12/24 17:47 ID:wg5i1ore
- 良スレ上げ!
- 149 名前:無銘仁 ◆uXEheIeILY 投稿日:03/12/24 19:42 ID:1KkJ8ob8
- 「果てしなき闘争 第三章」
アメリーくんたちがうちの前を通りかかったのは、お母さんの言いつけで
水まきをしていた時だったかな。わたしが声をかけたら、アメリーくんたら、
「悪いけど俺、今日は忙しいんだよ」
なんて言って行っちゃおうとするの。気になるから、何するのって聞いてみた。
そしたらね、南の島で大冒険するんだって。面白そうだからわたしも行きた
かったけど、その頃のうちときたら、とにかく貧乏だった。
「だめだだめだ。うちには余分なお金なんてない。家計に余裕ができたら
お小遣い上げてやるから、待ちなさい。なあお前」
「お父さんのおっしゃるとおりよ。これからはアメリーさんやブリテンさんたちと
お付き合いしていくんですから、少しはがまんなさい」
こんな感じなんだもん。家計簿がまっかっかなのはほんとだけどね。
拝み倒してどうにか半分は前借りできたけど、それじゃ全然足りないよね。
そしたら武士が貯金箱からいくらか出してきて、「これ使え」だって。それから
「念のために持ってけ」って、愛用の木刀も渡してくれた。
言い方はぶっきらぼうだけど、あれでけっこう優しいんだよね。
- 150 名前:無銘仁 ◆uXEheIeILY 投稿日:03/12/24 19:43 ID:1KkJ8ob8
-
ちょっと遅くなっちゃったけど、わたしは南の島に向かったの。
エリザベスちゃんとノルウェーくんは、もうテントを張って出発したらしかった。
でね、あの池って、思ってたよりずうっと寒かった。雪も風もすごいんだよ。
だから風がおさまるまで、近くのオージーくんちで休ませてもらってた。
気が進まなかったけど。
実はねえ、うちはちょっと前からエリザベスちゃんちに嫌われてたの。
アジア地区でうちだけ町内会の役員だったからかなあ。
貧民街の頭目とはつきあうなってことだよね。
エリザベスちゃんのおばあちゃんが大家さんだから、オージーくんのお父さんや
お母さんも、わたしのことあんまりよく思ってなかったみたい。
だけど、オージーくんたらね、全然気にしないんだ。
「来てくれてうれしいダス。さあさあ、あがるダス。ワスはエリザベスちゃんや
ノルウェー君と島の様子見てきたから、何でも教えるダス」
なんて言ってくれたから、わたし、ちょっと目頭が熱くなっちゃった。
そのうち風もおさまったから、武士が持たせてくれた木刀をオージーくんに
あげて、今度はほんとうに氷の道に入っていったの。
いきなりなんにも見えなくなった。暗いからじゃないよ。
明るすぎて見えなかったんだ。雪や氷に反射した光で目をいためたからみたい。
せっかく来たんだからと思って、めげずに前へ進んだけどね。
八合目くらいまでは順調に登ってたかな。ひらけた場所へ出たから、一休み
しようとかばんを開けたの。ところがどっこい、食べ物が残ってなかった。
おなかがぐうぐう鳴って、もう進めそうになかったな。
仕方ないから、ここまでで帰ろうって決めたんだ。でね、用意してた旗を
出してきて、そこに立てたの。旗には「やまとゆきはら」って書いといたよ。
「やまと」っていうのはうちの古いご先祖さまの名前なんだって。
こうすれば、ここはわたしのものって宣言したことになるでしょう。
アジア地区ではいちばんのりだもん、けっこうすごいことだよね。
- 151 名前:無銘仁 ◆uXEheIeILY 投稿日:03/12/24 19:44 ID:1KkJ8ob8
- 帰り道はゆるい下り坂で足どりも軽くって、あっというまについちゃった。
テントを回収してたら、いつのまにか地球組のみんなが集まってきてた。
夏に雪合戦できる所がある、なんて聞けば、誰だって遊びに来たくなるもんね。
でも何かへんだなあ、と思ってよく見たら、なんとフラメンコ先生が。
しまったぁ、って思った。あれを思い出したから。ほら、あれだよ。
夏休みがはじまる前に、先生がくばるじゃない。夏休みのお約束っていう紙を。
「こどもだけであぶない所で遊んではいけません」。
ここ――あぶない所、だよね。
もうすっかり忘れてた。怒られる、と思ったから手近の大きな岩に隠れたの。
だけど陰からのぞいてたら、どうも様子が違うみたいだった。(つづく)
- 152 名前:あああ投稿日:03/12/24 23:34 ID:AZ8Mjwbk
- どう?
- 153 名前:あああ投稿日:03/12/24 23:50 ID:AZ8Mjwbk
- ニホンちゃんの家とカンコ君の家の境目にはちいさな竹がポツンと立っています
ニホンちゃんはその竹に水や肥料をあげていました。
ある日その竹に竹の子が出来ました。ニホンちゃんは大喜び。
すると・・・
「この竹は家の物ニダ!だから竹の子も家の物ニダ!」
ニホンちゃんはびっくり!
「だって今までこの竹に水や肥料をあげてたときには何にも言わなかったじゃない
それを竹の子が出てきたからって突然言われても・・・」
「う、うるさいニダ!今まではニホンに不法占拠されてたニダ!今まで我慢してたニダ!
この竹は始祖の時代から我が家のものニダ!」
そう言うとカンコ君は警備員を雇い、竹の周りに厳重にバリケードを造りました。
まるで要塞です。
感情的になったカンコ君を説得するのをあきらめてニホンちゃんは
大人に決めてもらおうとしました。
「わかったわ。町内会の会議で決めてもらいましょ。」
するとカンコ君は
「い、いやニダ!絶対にいやニダ!」
「どうして?自分が正しいと思うんなら出ても大丈夫でしょ?」
カンコ君の顔はもう漬け過ぎたキムチ色をしています。
「ニホンのくせに町内会の会議なんて100京年早いニダ!謝罪と補償を・・・以下略」
この数日後ウヨ君が竹に登り白に赤丸の旗をつけるという事件がおきますが
それはまた今度・・・
- 154 名前: 投稿日:03/12/24 23:58 ID:MsPElvh4
- >>147
ソースが無残に引き裂かれてしまっている。
> 製作 名無しさん改め熱血君
> 構成 冒険王
こいつらA級戦犯として本スレから追放だろ。
- 155 名前: 投稿日:03/12/25 02:31 ID:kQqPYmr/
- >>154
補完スレでもいらねーよこんなの。
- 156 名前:大里投稿日:03/12/25 14:03 ID:C9UGVbD8
- 竹島・・・
- 157 名前:黄鉄鉱投稿日:03/12/25 14:13 ID:kE5NaS+G
- >>153
- 158 名前:黄鉄鉱投稿日:03/12/25 14:14 ID:kE5NaS+G
- これパンツネタと重複してるって…
- 159 名前: 投稿日:03/12/25 21:12 ID:tnC8Ctmf
- >>153
ガイシュツネタとは言え、まあこっちの方がらしいと言えばらしい。(w
寧ろパンツに定義した方が禿しく謎。
でもそのお陰で尖閣パンツ、北方は確かパンツじゃない、西ではフォークランドパンツでハァハァができる。
・・・つーかニホンちゃんパンツ盗まれすぎ。
しかも全員♂かよ。
でもやはり既存作品の設定は守って欲しいと思う。
因みにこういうレスは補完向けですか?
- 160 名前: 投稿日:03/12/25 22:02 ID:YFVQZ/dG
- ここでブレイク。
「もうアメリー君の食べてあげないよ」
「Σ(AA略)エエッ、そりゃないよ。そんなコト言わずに俺様のを食べてくれよ」
「やだもん。ちゃんとするまで食べたげない。変な病気移るからアメリー君のは
ダメだってお母さんに言われたばかりだもん」
「俺様のが食べられなくて後悔してもしらないぞ」
「その分オージー君のをいっぱいいっぱい食べるからいいんだもん」
「…ち、ちくしょぉぉぉぉぉっっっ(ダッシュで退場)」
BSEネタです。おあとがよろしいようで
- 161 名前: 投稿日:03/12/25 23:40 ID:juQ7lcsx
- ハァハァ……それで一つ得(ry
- 162 名前:あああ投稿日:03/12/26 00:01 ID:8uodFbwA
- >>153
すいません・・・
確かに似ています・・・
でも決してパクったわけではありません
今度からは過去の作品をもっと注意して読んでからにします・・・
- 163 名前: 投稿日:03/12/26 00:03 ID:yBXTh5Mc
- >>162
いや、これでいいよ。
それなりに面白かったしニホンちゃんに公式設定はないんだからさ。
- 164 名前:あぼーん投稿日:あぼーん
- あぼーん
- 165 名前: 投稿日:03/12/28 13:06 ID:8sZzLMPH
- 漏れも何か書きたいんだけどさ、名無しさん祭で台なしにされるんじゃないかと
思うとやる気なくなるんだよね。
- 166 名前:目次173投稿日:03/12/28 13:15 ID:rF2Scf2V
- 第1724〜1726話
>>129
第1727話「銀色のはるかな道」
>>136-138 ( >>139 解説)
第1728話「Only you」
>>144-146 ( >>147 解説)
第1729話「果てしなき闘争 第三章」
>>149-151
第1730話「竹の子」
>>153
第1731話「変な病気」
>>160
- 167 名前:>投稿日:03/12/28 18:46 ID:AIdqULmt
- >166
いつもありがとう
- 168 名前: 投稿日:03/12/28 23:55 ID:m4pZBWcK
- >>166
乙。
助かります。
- 169 名前: 投稿日:03/12/29 03:51 ID:7xQH2W56
- ttp://www.gazo-box.com/wara/img-box/img20031124175132.jpg
- 170 名前: 投稿日:03/12/29 12:13 ID:IWo4+zB5
- 名無しさん消えた? もう来ない?
- 171 名前: