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第77話 pecotan 投稿日: 2007/01/25 21:58:00
『ブスの瞳に・・・恋なんかできるかニダ!』

 日之本家のハイテクノロジーなトイレを体験し、甚く感心したフランソワーズちゃん達は、終日、ニホンちゃんと敷地内にある神社・仏閣の散策、ねずみっ子遊技場での遊興、アキバでお買い物をした後、満足げに家路についた。
 その帰路のバス(註)中での話、「ここがヘンだよ日之本家」を談笑しているなかで、「美人とブス」が話題になったとき、カンコ君が靴を履いたまま座席に立ち上がって悪態を付き始めた。(註:座席は向かい合っているタイプ。)

 「アイゴー!ブスは最低ニダ!ブスは性格悪いニダ!ブスはみんな整形するニダよ。」
 今回はカンコ君、最初から火病状態で飛ばしまくる。
 アメリー君たち男子はニヤニヤするだけだが、居合わせた女子たちが黙っているわけがない。
 「女性蔑視です。到底、紳士とは言えない言動ですわね。」 
 「それに、土足のまま椅子に上がるなんて、文明人としての礼儀がなってませんわ。」
 「靴紐がきちんと結んでないです。だらしない、猿か土人にしか見えませんです。」
 エリザベスちゃん、フランソワーズちゃん、アーリアちゃん等の叱責が続く。
 あわてて、カンコ君以外の男子は笑いを噛み殺すのに懸命になり、一方、妹のチョゴリちゃんは兄の隣でうつむいてしまった。
 「・・・オッパ;;」
 すると、一瞬、言葉を切ってカンコ君が座席にしゃがみそうになったので、さすがに、妹の気持ちを感じ取り後ろ冷たくなったのかと思いきや、足を伸ばし座席の上で飛び跳ね始め、侮蔑の言葉をさらに重ねたのである。
 「ブスは、前世に罪を犯したからブスに生まれてきたニダよ。反省し整形しるニダ!」
 乗り合わせた女子たちは、完全に白い目となりカンコ君を睨む。
 チョゴリちゃんは、両手で顔を覆いシクシクと泣き出してしまった。
 心の中で、「止めてニダ!妹として恥ずいニダ〜。」と叫ぶ。
 カンコ家の男の考えが男尊女卑で、女を顔と若さで露骨に差別するのは今も昔も変わらない。
 「チョゴリ、ウリがこんなに男らしく女子にモテモテの児で、お前も幸せニダよ。」
 矮小な自分を省みることなく、鼻息荒く根拠のない自信を吐く性根も変わらない。
 「それに、お前もプチ整形して瞼が二重になって良かったニダ。ホルホルホル。」
 「うえ〜ん!」
 とうとう、チョゴリちゃんは人目をはばからず大声で泣き始めた。
 「どうしたニダ?また、チョッパリに差別されたニダか!」
 何故泣くか分らぬ妹に困惑し、矛先を違えて憤るカンコ君であった。

 「もう、最低!」
 翌日、タイワンちゃんから事情を聞いたニホンちゃんは、顔をしかめる。
 「まあ、馬鹿チョンのカンコ君に、思春期にある少女のデリカシーとかを理解してくれと言っても、はなっから無理なんだけどw・・・(溜息)」
 それが何度目なのかは分からないが、話を聞いた他の女子と同様に「絶対、カンコ君とだけは結婚しない。」とニホンちゃんは誓った。

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