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第7話
更科うどん ◆bc/WMtRnlQ
投稿日: 04/06/18 22:48 ID:qtkSPWVV
L'Elisir d'Amore
-愛の妙薬-
「うがぁぁぁあああっ!!」
マヨリカ陶の大皿が唸りをあげて飛んでいく。一枚、二枚、三枚……たくさん。
しかしフラメンコは、舞踏を思わせる華麗な身のこなしであらゆる飛来物を
優雅に回避していく。そして一言。
「まあ、いけないわバスク。落ち着いて」
「うー、うるさいうるさい、うるさぁぁぁい!!」
メゾン・ド・イベリア名物、"フラメンコさんちの姉妹ゲンカ"が今夜も始まる。
そう、これは姉妹の大切な日課なのである。フラメンコはまさに教師の鑑、
たとえどんなに仕事が忙しくとも、妹とのスキンシップを忘れたりはしないのである。
まあ、何のこっちゃわかれへんけども。
「そう、バスクはこーんな魔法の痩せ薬を持ってるのね? ダイエットに興味があるのね?
フランソワーズに貰ったのね? 1滴飲むだけで10kg痩せるとか肌が赤ん坊みたいに
ツルツルになるとか全身の皺がとれるとか癌が癒るとか解脱するとか、いろいろ聞いたのね?
バスクちゃんったら可愛いわ(はぁと」
「…うっ……ううっ……うがぁぁぁあああっ!! 返せっ! 返せよー!!」
「うふふふ、捕まえてみなさい。でもはっきり言うわ。無駄よ(はぁと」
* * * * * *
たたかいすんでよがふけて、姉妹はすっかり疲れきってへたりこんでいた。
そう、これは魔法の妙薬。癌に効くかは知らないが、豆腐と姉妹の絆をつくる
確かな効能はあったのだ。まあ、何のこっちゃわかれへんけども。
「ぜえっ……ぜえっ……」
「いい運動になったかしら? あなたの歳でダイエットなんて、いろいろ成長が止まっちゃうわよ?
ただでさえあなたは……」
「うっうるさい! ……………あのさぁ。姉貴はこういう事、気になったりしないの?」
「えぇー!? めんどくさーい!!」
バスクは床に寝転がる姉を複雑な気分で見つめる。そこには全力でだらける優美な曲線があった。
「完璧」という言葉がかたちを取ったら、この様になるのかもしれない。
そして更に信じられない事に、今の発言は疑いなく姉の本音なのだった。
バスクは思う。今、すべての女性読者を敵に回したね姉貴、と。
さてそのころ、母に虐待を受ける某影の主人公と
天然<丶`∀´>ニダリ成分100%の絆で結ばれた
もっさりぼでぃの兄上様は……
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