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第1103話
! ◆IMFmcOu.
投稿日: 02/07/10 22:27 ID:7s65lrx+
親愛の情
ニホン「あつぅ〜・・・・」
梅雨の合間に照りつける太陽が、まるで真夏のようにニホンちゃんの白い肌に照付けています。
もう夏です。夏には子供たちの大好きな、楽しいことがたくさんあります。
プール開き、海開き、花火大会、そして夏休み。
ニホンちゃんもそんなことを考えながら、お母さんから頼まれたお使いの帰り道をスキップしながら歩いていました。
ニホン「ただいま!」
母「お帰りなさい、ご苦労様。あ、トルコちゃんが来てるわよ。」
ニホン「え?トルコちゃんが来てるの?!」
つい先日まで行われていたWCカードゲーム大会で、トルコちゃんはニホンちゃんの家とカンコ君の家両方にお泊りしながら試合をしていました。
成績は地球町内3位!
とても優秀な成績です。ちなみにニホンちゃんもカンコ君も、トルコちゃんと試合をしてどちらも負けてしまいました。
楽しかったWCでの事を思い出しながら応接間に行くと、トルコちゃんがニコニコと迎えてくれました。
トルコ「ニホンちゃん!この間はありがとう!お陰ですごく楽しかった。」
ニホン「ううん、こちらこそ。私も楽しかったよ。でも、どうしたの?お泊りした時に忘れ物でもしちゃった?
それなら電話してくれれば届けたのに・・・。」
トルコ「違うの。今日はお礼を言いたくてきちゃったの。
あ!そうそう、うちのタシャルおじさんから日ノ本家の皆さんにお礼の手紙を渡してくれって言われてたんだ。」
ニホン「え?うれしいな〜。」
トルコ「はい、これ。私もおじさんがなんて書いたか知りたいから、ニホンちゃん読んでみてよ。」
ニホン「え、恥ずかしいけど・・・。じゃ、読むね。」
差し出された封筒の中には、次のような心のこもった手紙が入っていました。
「親愛なる日ノ本の皆様へ
我らが姪トルコに対して
日ノ本家の皆様からいただいた友情及び温かいおもてなしに感謝いたします。
日ノ本・トルコ家両家間の友好関係が一層発展することを願いつつ、
ニホンちゃんをはじめ日ノ本の皆様が
近い将来我が家に訪問して下さることを心よりお待ちしております。
2002年7月1日 トルコ家
タシャル」
ニホン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・(グスッ」
トルコ「へ〜、おじさんやるな〜。短いけどなかなかいい文章、ん?ニホンちゃんどうしたの?」
ニホンちゃんは感激して少し涙ぐんでしまいました。
「たかが手紙くらいで」、と思う方もいるとは思いますがこれにはわけがあります。
というのも、ニホンちゃんのご近所の2,3の家は、日ノ本家がいくら親切にしても「謝罪だ!賠償だ!」と何かにつけて怒鳴り込んでくるのですから。
そういった家々に重ね合わせるとトルコちゃんの家の人々がまるで天使のように見えるのです。
こういったお人よしなところはニホンちゃんの長所でもあり、また短所でもあるのですよね(w
ニホン「ありがとう、トルコちゃん。タシャルおじさんにもよろしくお伝えください。」
トルコ「うん。わかった。これからもよろしくね、ニホンちゃん」
ニホン「こちらこそ!」
トルコちゃんと話していると自然とニッテイお爺さんやパパから聞いた話を思い出され、そしてニホンちゃん自身が経験したトルコ家の人々との思い出がよみがえってきます。
むかし、ロシアノビッチ家と日ノ本家が大喧嘩になったとき、ニッテイお爺さんの勝利をトルコ家の人々が自分たちのことのように喜んでくれたこと。
トルコちゃんの家のお船が難破してしまったときに、日ノ本家の人々が必死に助けたこと。
そして、中東町のイラン君とイラク君が喧嘩になったときには、イラン家にお使いに出ていたニホンちゃん助けるため、巻き添え覚悟でトルコちゃんが迎えに来てくれたこと。
どうして助けてくれたの?と尋ねるニホンちゃんに「昔、パパがニホンちゃんの近所で助けてもらったお返しよ。気にしないで。」と何事も無かったかのように答えたトルコちゃんの笑顔。
今でもニホンちゃんは、友人とのお付き合いで辛い目に会う度に、そのことを思い出しては立ち直るのです。
トルコ「でね〜、今回の事で家中が大騒ぎ・・・・・・・ってお〜い、ニホンちゃん。起きてる??」
ニホン「えっ?」
思い出に浸りすぎたニホンちゃんの顔を覗き込んで不思議そうな顔をしているトルコちゃん。
彼女にニッコリ微笑むとニホンちゃんは言いました。
「トルコちゃんありがとう・・・」と。
何事か理解できないトルコちゃんも、ニホンちゃんの笑顔につられて思わず笑い出します。
しかし、アノ男の魔の手がすぐそこまで近づいていました・・・。
ゆっくりと談笑していたトルコちゃんがまずその不気味な気配に気づきます。
トルコ「あれ?庭のほうが騒がしくない、ニホンちゃん?」
ニホン「え・・・・、確かに・・・」
トルコ・ニホン「ま、まさか・・・!」
二人で庭に面した窓に近づいてみると、日本池の向こう側からキムチ色の声で何事かを叫ぶ少年の姿が見えました。
トルコ・ニホン「カ、カンコ君!」
慌てて庭に飛び出した二人に、カンコ君は容赦なくカプサイシン風味の罵声を浴びせます。
カンコ「こら!ニホン!トルコ!ウリをないがしろにするとはどう言う事ニダ!今回のWCはウリが特別にニホンの家を誘って入れてやったニダ!
ニホンはおまけみたいなもの、それなのになんでトルコはニホンにお礼にいってウリには無いニダ!?」
トルコ「あ〜、先にニホンちゃんのところに行こうと思って・・・、でもなんであんたがそのこと知ってるの?誰にも今日ニホンちゃんの家に行くって教えてないのに。」
カンコ「ククク、このカンコ様を甘く見ないで欲しいニダ。こういうことに協力しる奴はたくさんいるニダよ・・」
カンコ家の家影から、お下げの髪の毛とめがねの縁が少し覗いています。
カンコ「なんにせよ、今回の件はジェーンブニホンの責任ニダ!ウリとトルコの仲を妬んでトルコを誘惑したニダ!」
ニホン「ええ!」
トルコ「どうしてあんたといい仲にならなきゃいけないのよ!!」
カンコ「照れなくてもイイニダよ、トルコ・・(ニダニダ)ウリとブラジャーの喧嘩の時に助けてくれたニダ。
アレはウリに好意を持ってる証拠ニダ。可愛そうにニホンにだまされたニダね?待ってろ、今助けてやるニダ」
トルコ「アレはね、町内会で決まったから仲裁に行ったの!!」
しかし、そんなことカンコ君はきいちゃーいません。
すでに陶酔モードに入っているカンコ君の恐ろしさは読者の皆さんはご存知でしょう。
「どぼーん!」
いきなりニホン池(東池)に飛び込みました。
しかし、ニホンちゃんとトルコちゃんがいくら待ってみても、カンコ君は浮いてきません。
一時間、二時間と時間は過ぎていきます。
待って現れないカンコ君をあきらめて、二人はまた仲良く家の中に入って行きました。
いつの間にか、あたりはうっすらと暗くなっています。
夏の匂いのする湿った風が、庭を吹き抜けていきました。
その後、行方不明だったカンコ君はロシアノビッチ家の池の岸辺で発見されましたとさ。
ロシアノビッチ「ん?カンコ、お前また断りナシに人の家に入ってきやがったな?」
カンコ「ぁぁああいごぉぉーーーーーーーう」
解説
! ◆IMFmcOu.
投稿日: 02/07/10 22:35 ID:7s65lrx+
ソースは例のトルコ観光大使の感謝広告です。
ニホンちゃんの世界なら少し感傷的に書いても許されるかな?と思い書きました。
カンコ家にはまだ無いみたいですね?
どんなつもりで、トルコの観光大使が感謝広告を出したのかはわかりませんが、
素直にうれしかったのです(w
>トルコ観光大臣が日本に感謝広告を乗せた
>
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/korea/1026138517/
ネタくれた方に感謝。
読みにくい悪文ご容赦くださいませm(__)m
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(*^ー゜)b Good Job!!
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( -_-) がんばりましょう
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