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第1157話
XSF
投稿日: 02/08/02 02:30 ID:Z3MnM5wa
『夏休みのとある一日 夜討ち朝駆け』
(1)
暑い夏。夜になってようやく涼しくなったとはいえ、それは昼間に比べてのこと。
蒸し暑いことには変わりありません。
「暑いなぁ。」
そうつぶやきながらニホンちゃんは机に向かって本を読んでいます。時計の針は深夜0時40分ごろをさしていました。
「サクラ。入るぞ。」
そういってニホンパパがいきなりニホンちゃんの部屋に入ってきます。
いくら親とはいえこんな時間に女の子の部屋に入ってくるなんて。ただでさえ難しいお年頃。ニホンパパ嫌われちゃいますよ。
「パパ、こんな時間にどうしたの?」
ニホンちゃんが問いかけます。
「うむ。実は非常に重大な決定をしたからお前にも教えておかないといけないと思ってな。」
現在、日ノ本家では4種類のお札が流通しています。
福沢諭吉の1万円札。新渡戸稲造の5千円札。夏目漱石の1円札。と、もう1つ。本当に存在しているのかイマイチ不安の二千円札。
ニホンパパがいうには、近頃、誰かとは言いませんが、お隣さんのとある人々がお札をカラーコピーして使うので問題になっているそうです。
それに対抗するため新しい紙幣を作るとのことでした。
「それに新紙幣をつくれば景気対策にもなるからな。」
ニホンパパつい本音が・・・・・・。
(2)
それにしても、ニホンパパこんなことをいつの間に決めてのでしょうか・・・・・。
あまりにも突然だったのでニホンちゃんはニホンパパの説明をただ聞いているだけです。
ニホンパパによると5千円札は小説家の樋口一葉。千円札は細菌学者の野口英世。
1万円札の福沢諭吉は現行のままでデザインを変えるそうです。
「2004年度から実施するぞ。」
そういってニホンパパはまた他の人に伝えるためにさっさと出て行ってしまいました。
いままで秘密にしていたのでしゃべりたくてうずうずしていたようです。
「パパ、シシローおじさんといっしょにこんなこと考えていたんだぁ・・・。」
ニホンパパが去った後でこうつぶやきます。
「う〜ん。なんかしっくりこないなぁ・・・・。」
「福沢諭吉さんがのこったのはシシローおじさんが慶応大の出身だからかな?」
ニホンちゃん、お財布からお札を出して後数年で別れることになるお札を眺めてみます。
「今の人選も結構いいと思うんだけどなぁ・・・・。」
「それに新しいデザインを作るんだったら、どんなデザインがいいのか私にも聞いてほしかったなぁ・・・。」
お札を見ながら、換えられるとわかって初めて今の日ノ本家の紙幣の人選がとてもよく考えられたものだということを実感したニホンちゃんでありました。
(3)
そのころ・・・・・。
「きー!! 何でこんな時間に発表するのよ!!!」
ニホンちゃんと同じく深夜になってこのニュースを知らされたアサヒちゃんは大忙し。
「なんとしてでも朝刊に間に合わせるのよ!」
半ば自分に言い聞かせるように気合を入れます。
アサヒちゃんの部屋はまるで戦場のよう。はたしてこのニュース朝刊に間に合うのでしょうか。
00:41 政府、紙幣を一新 04年度から、偽造防止で
00:34 ★紙幣一新、偽造防止が狙い デザインも判明
00:26 ★紙幣を一新へ 2004年度から
http://www.kyodo.co.jp/k2ad.shtml
紙幣デザイン、04年度に一新 野口英世、樋口一葉登場
http://www.asahi.com/business/update/0801/017.html
千円、五千円札紙幣一新へ
http://news2.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1028217104/l50
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