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第1180話
雉虎
投稿日: 02/08/15 20:51 ID:tgYaPqOH
ニホン池の名称は・・・・
地球町にまた夏がやってきました。
地球町に忘れられもしない暑い夏・・・
そうです。夏は地球町にとって決して忘れる事が出来ない季節なのです。
あの地球町全体を巻き込んで行われた第二次町内大喧嘩も終った夏・・・
それも早、幾年が流れました。
そんな夏の暑い日の事です。
モナ子ちゃんから話があるので集まって欲しいと連絡がありました。
ニホンちゃんはいつものお気に入りの白のワンピースと大きな麦わら帽子で
お出かけです。
「ニホンちゃん、今日も元気そうダスな!」
後ろから名前を呼ばれ、振り返るとそこにはTシャツにオーバーオール姿の
オージー君がいました。
「おはよう!オージー君」
ニホンちゃんは明るく挨拶を交わします。
オージー君は辺りを見回しちょっと不思議そうな顔をします。
「おや?いつもの元気娘はいないダスな?」
ニホンちゃんは、にっこりとして答えました。
「タイワンちゃんのこと?」
「そうダス」
ニホンちゃんはちょっと残念そうな顔です。
「うん、昨日、タイワンちゃんに電話して聞いてみたら呼ばれてないんだって。」
「えっ、そうなんダスか。」
何故かオージー君は微笑んでます。
ニホンちゃんは、心の中で思いました。
『久々のお呼ばれだから嬉しいんだろうぁ・・』
でも、決して口に出さないのがニホンちゃんの奥ゆかしさとやさしさなのでしょうね。
「しかし、何の話ダスかね?今日は?」
歩くさなかオージー君が聞いてきました。
ニホンちゃんは小首をかしげながら答えます。
「う〜ん、よくわからないケド。トル子ちゃんはお池がどうとか言ってたよ。」
オージー君も首を傾げます。
「お池の事ダスか・・・トル子ちゃんの家はお池の事を束ねているダスからね」
そうなのです。
実は、地球町は大きなお池でみんなの家につながっているのでした。
そしてトル子ちゃんの家では、そのお池を通って移動した時にみんなが困らないよう
深さの基準を決めたり名前を決めたりするお仕事を手伝っていたのです。
ニホンちゃんとオージー君がトル子ちゃんの家に着いたときはすでにみんな集まっていました。
アメリー君、エリザベスちゃん、フランソワーズちゃん、チューゴくん、ゲルマッハ兄弟・・・
珍しいところでは、ブラジー君やフィンランちゃん、フラメンコ先生・・・
そして我らのカンコ君もいます。
カンコ君はトル子ちゃんの部屋の一番前の席にどっかりと座りいつものニダニダとした薄ら笑いを
していました。
ニホンちゃんはそのニダニダとした笑いが薄気味悪くて仕方ありません。
それもそのはずです。
ニホンちゃんはついこの間に盗まれた竹島ぱんつを家宝とするとして町中に晒されたばかりです。
本来でしたら恥ずかしくてとてもこの場に居られるようではないのですが
そこはニホンちゃん、『町内の一員なのだから・・・』との決意でやって来たのでした。
しばらくするとトル子ちゃんがみんなの前に現れ、おもむろに話を始めました。
しかし、トル子ちゃんはなんか目が虚ろとしています。
「皆さん、今日はお忙しい所、ありがとうございますニダ・・・」
全員が一斉に声を揃えて言ってしまいました。
「「「「「「「「「「「「「ニダ!?」」」」」」」」」」」」」
みんなが驚愕の顔をしている中、カンコ君だけは先頭の席で大騒ぎしています。
「デーハミングクッ!」
もうカンコ君、ノリノリです。
虚ろ目なトル子ちゃんはそんな部屋の中の異常な雰囲気をも関わらず話を続けています。
「本日は皆さんにお知らせする事があるニダ・・・」
「カンコ君より現在のニホン池の名称を東海に変更を!と提議があったニダ・・・」
しかしここでモナ子ちゃんの目に変化が現れました。
トル子ちゃんの虚ろな目に光が戻り、その代わりに涙が溢れ始めました。
「もういや〜、毎日毎日、ニダニダと書かれた手紙は来るし、カンコ君は付き纏うし・・・」
「もうニホン池の名前は白紙に戻すからみんなで決めてください〜」
トル子ちゃんは、一気に言い終えるとそのまま泣き崩れてしまいました。
その場にいた全員の表情が驚愕から怒りへと変わります。
「カンコ、貴様!」
アメリー君がこぶしを振り上げカンコ君に掴みかかろうとした瞬間、カンコ君は言います。
「ま、待つニダ!今、トル子が言ったニダ!ニホン池の名前は白紙になったニダ!」
カンコ君は伝家の宝刀を抜きました。
こう言われてはアメリー君も手出しできません。
カンコ君は全員に向けて言います。
「ニホン池はニッテイがウリを支配している時に勝手に付けた名前ニダ!」
「歴史的に見てもウリの主張した『東海』の方が呼び名は古くこの方が正しいニダ!」
珍しくカンコ君がもっともらしい事を言ったのでみんなは水を打ったように静かになって
しまいました。
オージー君はふと、横にいるニホンちゃんを見ました。
ニホンちゃんは頭を俯き、手は拳を握りブルブルと震えています。
「ニ、ニホンちゃん?大丈夫ダスか?」
オージー君が声をかけた時、ニホンちゃんが突然に立ち上がります。
「ちょっと待って!それは言い掛かりだわ!」
ニホンちゃんは、拳を握り、唇をかみ締め、オージー君が初めてみるような形相です。
「確かにそういう過去はあったけど、ニホン池という名称はニッテイおじい様より」
「はるか昔からそういう風に呼ばれていました。だからカンコ君の言い方は変です!」
カンコ君は一瞬、正論を着かれた様で蒼褪めましたが、すぐにカプサイシン全開で
顔を真っ赤にして言い返します。
「何を言うニダ!ウリの家は半万年の歴史を誇る家ニダ!ウリのいう事の方が正しいニダ!」
「だがニッテイがウリの家に押し入った時にその証拠すべて燃やしてしまったニダ!」
「ニホンはすぐに謝罪と賠償をしてニホン池の名前の変更とツシマの離れを寄越すニダ!」
カンコ君、ここぞとばかりに言いたい放題です。
喧々諤々の泥沼化になるのを察したのかフラメンコ先生が止めにかかりました。
「この話は、また後日にしましょう。それまでにみんな自分自身でどちらの名前が良いか」
「考えておくようにね」
フラメンコ先生はみんなに新しい宿題を与えるような口調で言いました。
そしてみんなを解散させました。
その帰り際にカンコ君は勝ち誇ったような顔でニホンちゃんに言いました。
「まぁ、結果は見えてるニダ。無駄な努力を頑張るハセヨ。チョパッリ!」
ニホンちゃんは、この言葉でカンコ君が更になにかの工作をしていると思いました。
ニホンちゃんは、がっくりと膝を落とします。
アーリアちゃんが慌てて近寄りニホンちゃんを支えました。
「ニホン!大丈夫か、しっかりしろ!」
アーリアちゃんが声をかけてもニホンちゃんは放心状態で何かを呟いています。
「ニホン!どうした?何が言いたいのだ?」
アーリアちゃんがその呟きに耳を傾けると・・・
「もうだめ・・もう戦争しかない・・戦争だわ・・ジエイおじさまに・・連絡を・・」
アーリアちゃんは驚きました。
ニホンちゃんは戦争という言葉を聞いただけでもジンマシンが出来るぐらいの戦争アレルギーの
持ち主なのです。
そのニホンちゃんが自らの口で言っている事に事の重大さを悟りました。
「兄上!大変だ!ニホンが正気を失った!」
アーリアちゃんの言葉で駆け付けたゲルマッハ君とアメリー君に担がれニホンちゃんは家に
送り届けられ、正気を取り戻すまでに3日間かかったそうです。
さてその4日後にまたニホンちゃんが引っくり返る出来事が待っていました。
あの時、混乱した部屋をそっと忍び出る影に誰一人も気が付かなかったのです。
トル子ちゃんの家から忍び出た影はほくそ笑むと
「スクープだわ!カンコ君の家で取材しなくちゃ!」
と言い残し何処とも無く消えていきました。
やっと正気を取り戻したニホンちゃんが学校に登校してきました。
アーリアちゃんとタイワンちゃんがそれに気が付きニホンちゃんに寄って行きます。
「ニホン、もう大丈夫なのか?」
アーリアちゃんの言葉は冷たいですがやさしい問い掛けに笑顔でニホンちゃんは答えました。
「ごめんね、心配かけて、でももう大丈夫よ。」
アーリアちゃんとタイワンちゃんは一度、顔を見合わせいつものニホンちゃんであることを
確信し笑顔になりました。
そして3人は他愛も無い話をしつつ廊下を進んでいる時、ニホンちゃんは一枚の壁新聞に
目が止まりそしてまたガクガクと震え出してし、ついにはまた倒れてしまったのです。
駆け寄ったアーリアちゃんとタイワンちゃんが目にした壁新聞にはアサヒちゃんの文字で
こう書かれていました。
「東海(日本海)に出漁する底引き網漁船のカンコパパに聞いた。」
おしまい
ソース
http://www.iho.shom.fr/links/listms.htm#top
(IHO加盟国一覧)
http://www.asahi.com/business/news/K2001071801339.html
(アサヒちゃんの壁新聞)
解説
雉虎
投稿日: 02/08/15 20:55 ID:tgYaPqOH
あとがき
すいません。
今回は(?)やたらだらだらと長くなってしまいました。
最近、強烈な電波を世界に発信しているカンコ君に猛烈な怒りを
感じてしまい文字にぶつけてしまいました。
ですので、文章はめちゃくちゃだし設定はおかしいし・・・
ごめんなさいです。
しかし、国土である竹島を私有地化し尚且つわが国の伝統ある日本海の
名称を変えられるかもしれないと言う時にメディアの扱いが
少ないですね。悲しいです。
尚且つ、この新聞のように決まってもいないのに諂うような態度・・・
わが国は一体どうなってしまうのでしょうね。
それを考えると欝になります。
それではまた。
ご感想、ご批判、真摯に受け止めます。
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