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第1259話
書き人知らず
投稿日: 02/10/24 22:20 ID:j3LM2z1s
〜 カンコ君 休む 〜
個性的な面々がそろう5年地球組ですが、みんなそれぞれに取り得があります。
もちろん、カンコ君にもあります。 それはタフだということです。
(ニホンちゃんは、そのタフさに困っているワケですが)
「おはよ〜タイワンちゃん。」
「おはよ〜ニホンちゃん。 あれ、今日はなんか教室が静かね。 どうして?」
「カンコ君が来てないのよ。 どうしたのかなぁ。」
「静かでいいんじゃない。 それよりさぁ〜。」
この時は、ニホンちゃんもタイワンちゃんも、そんなに深く考えていませんでしたが、
カンコ君は次の日も、その次の日も学校に来ませんでした。
「カンコ君学校来ないねぇ〜。 ホントにどうしたのかしら?」お人よしのニホンちゃんは心配しています。
「心配しなくっても、そんなヤワじゃないわよ。アイツは。」ジャマなカンコ君がいないので、ゆっくり
ニホンちゃんとおしゃべりできるタイワンちゃんは、むしろ嬉しそうにも見えます。
そしてまた次の日。 カンコ君は今日もお休みです。 ニホンちゃんは、様子を見に行くことにしました。
「だって、やっぱりお隣さんだし。心配じゃない。」
「優しいのねぇニホンちゃん。 でも、そんな大げさな話じゃないと思うよ、きっと。」 お付き合い、
ということで、タイワンちゃんも一緒に行くことにしました。
〜 カンコ君 休む 〜 (その2)
「カンコく〜ん。」ニホンちゃんが呼んでも、家からは誰も出てきません。
「タイワンちゃん、どうしよう?」
「家に入りましょう。」気は進まないけど、と思いつつタイワンちゃんは提案しました。
「カンコく〜ん、入るよ〜。」
唐辛子の臭いがプンプンする家に、2人は入りました。 そこには、ネットゲームに夢中になっているカンコ君が
いました。その顔は、いつにもまして土気色。 生気もなにも感じられません。よっぽど長くやっていたに
違いないでしょう。
「カ、カンコ君何してるの!」
ニホンちゃんの声に、カンコ君はハッと振り向きました。「勝手にウリの家に入るなぁぁぁぁ。謝罪しる!」
「バカンコ! アンタが心配だから2人で見に来たのよ! アンタこそ学校に来ないでなにをしてるの!」
「ネットゲームは、すごく面白いニダ。 時間を忘れてしまうニダ。」
「・・・帰ろっか、ニホンちゃん。」
「そうね・・・。」2人は疲れた足取りで、カンコ家を後にしました。
次の日、カンコ君は登校してきました。 クラスの視線がとても冷たいのですが、それにめげるカンコ君
ではありません。 ニホンちゃんを見つけると、早速ちょっかいを出し始めます。
「は〜ぁ、たまに心配するとコレだもんね。 なんならずっとネットしててくれればいいのに。」
タイワンちゃんは、ため息混じりに、そっとつぶやきました。
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