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第1261話
にらた
投稿日: 02/10/29 07:13 ID:9hFfwTf/
「壁の向こうの平和」
カンコ「やいニホン!最近ODA賃が減ってるニダ!反省が足りないニダ!謝罪と(以下略」
ニホン「うう〜、そんなこと言われても、うちだってもうお金そんなに無いんだもん・・・(涙」
カンコ「やかましいニダ!!ウリの受けた屈辱を考えればニホン家がつぶれても払うのが当たり
前ニダ!!謝罪(以下略」
(ふー、やかましいわねぇ。家の権利取られた時期があったぐらいで何が屈辱よ・・・うちなんか
先祖代々ずーっと家がなかったんだから。ニホンちゃんもニホンちゃんよ、喧嘩中にはどこの家で
も大家にはひどい目に遭わされてるんだから・・・ナチス会みたく、特定の家を全滅させようとし
なかっただけ立派な物よ。)
鬱陶しげに二人を見ている紫苑ちゃん。そう、彼女の家には複雑な事情があります。
彼女の家は大昔に取られてしまいました、長い間放浪生活を続けている間に金融関係の仕事を始
めた紫苑ちゃんのお父さん(以後シオンパパ)。
放浪生活で身につけた独特の勘で仕事は大成功、ユーロ町中の家に部屋を借りて住むことになりました。
シオンパパの仕事柄、みんなに「守銭奴!ケチ一家!宿無しのくせに!」と言われる事もありま
したが、平和で幸せに暮らしていました。
しかし、その幸せも長くは続きませんでした。 (つづく
ゲルマン家のリーダーになったアドルフおじさんがナチス会を作って、あろう事か地球町征服の
ために紫苑ちゃん一家を皆殺しにすると言いだしたのです。
紫苑ちゃん親子は命からがら逃げ出しましたが、たくさんの親戚が殺されてしまいました。
その後、もうこんな事にならないために自分たちの国を作ろうということになりました。
家を持つためには保証人が要るので、地球町の自治会長でもあるエリザベスちゃんのお祖父さん
に保証人になってもらいました。
これで安心できると思ったのに問題はまだまだありました、なんとそこにはもう人が住んでいたのです。
唖然としながらも「ここはうちの家だ!保証書もあるんだぞ!出て行け!」と言うシオンパパ、
しかし住んでいる人たちも「うちだって保証書があるんだぞ!冗談じゃない!」と譲りません、保
証書も確かに本物です、エリザベスちゃんのお祖父さんのサインまであります。
しかし、二度とあんな目にあってたまるかと力ずくで家を占領してしまうシオンパパ、住んでい
た人たちを庭に追い払ってしまいました。当然住んでいた人たちは怒ります、家に石を投げつけた
り、爆竹を投げ込んだりしてきました、シオンパパもやり返します。
そんなこんなでまだ決着はつかないままです、ついこのあいだも紫苑ちゃんの叔母さんがケガを
したりしています。
・・・学校が終わって、紫苑ちゃんが家に帰ると腕に包帯を巻いた叔母さんが来ていました。
つづく
紫苑「いらっしゃい叔母さん!退院したのね!」
紫苑ちゃんうれしそうです。
叔母さん「元気そうね、紫苑、学校は楽しい?」
紫苑「うん!アラブ組の奴達は怒ってるけど、アメリーが言いなりだからたいていの無理は通る
し、エリザベスも保証書の事があるから
うちに堂々と意見言えないし、ユーロ班はアメリーがいるから口を挟めないし、アジア班はこっち
のことには興味ないもの。」
叔母さん、ちょっと複雑な表情です。でも小さい頃の事があるからこういう事を言うのも仕方な
いのかも知れません、小さく溜息をつく叔母さん。
紫苑「でもちょっとおかしな事言う子がいるのよね、ニホンちゃんっていうんだけど。まあ本人
は善意で言ってるかも知れないけどね、喧嘩は良くないからやめようとか事情も考えずに簡単に言
うし、相手が怒ってるとつけ込まれるのがわかってるのにすぐ謝るし。ほんと、現実を見ないで理
想だけ言うんだからたちが悪いわ。」
ニホンという言葉を聞いてちょっとうつむいた叔母さん、ちょっと間をおいて顔を上げ、紫苑ち
ゃんに話しかけました。 つづく
叔母さん「紫苑、実はね私を助けてくれた人はニホンちゃんのお祖父さんのニッテイさんなのよ。」
紫苑「え?!」
叔母さん「ううん、それだけじゃない、当時マンシューにあったニホン家の別荘に逃げ込んで家
が無かった私たちのために家を建ててくれようとしたのよ。」
紫苑「だってニッテイさんはナチス会と一緒になって暴れ回ってたんでしょ?私たちの家なんて
建てるどころかかくまうことだってナチス会が反対するはずなのに・・・。」
叔母さん「ええ、ナチス会と手を組んでいたのはホントよ、ニホン家でもみんなが大反対したら
しいわ。でもニッテイさんはそんな私たちを見捨てなかった、それどころか私たちを公正に扱うよ
うにニホン家の人たちに掛け合ってくれたの。そのときに出た計画が『プロジェクト・フグ』、マ
ンシューの別荘を私たちの『約束の家』にしようと頑張ってくれたの、でもアメリー家がニホン家
に攻め込んでからはそれどころではなかったわ、私たちをそっと逃がしてニッテイさんはアメリー
家との戦いに行ったわ。最後に私たちに言ってくれた言葉は今でも覚えているわ・・・『この別荘
で「五族協和、王道楽土」を実現させると偉そうなことを言ったが、私の力不足で君たちとの約束
を果たせなかった、すまなかった』と言って私たちに謝ったの、逃げ込んできて迷惑をかけたのは
こっちなのに・・・ああ、これがニホン家の、これがこの人のすばらしさなんだって思ったの。あ
なたの言うニホンちゃんも、きっとニッテイさんに似ているからそういうことを言えるのよ・・・
現実から目をそらすのはいけない事だけど、理想を捨てるのはもっといけないことだと思うの、紫
苑、あなたもそのことを決して忘れないでね。・・・だから、ニホンちゃんの言う喧嘩は良くない
って言う気持ちはわかるの。」 つづく
紫苑「・・・でも、私たちは自分の家を守るために戦わなきゃいけないし、家族を守るために戦
わなきゃいけないのよ!叔母さんだって庭の奴らにケガさせられたじゃない!どうしてそんなこと
言えるのよ!!」
叔母さん「ねえ紫苑、私はいつか必ず喧嘩は終わるものだと思うの。だってみんな平和に暮らし
たいから、自分の平和を守りたいから喧嘩をするんだもの。みんなが平和を願っている限りきっか
けさえあればきっと喧嘩は終わるはずなの、たしかに小さい喧嘩は無くならないかも知れないけど
、ひどい喧嘩にはならないと思う。・・・紫苑は、そう思わない?」
紫苑「・・・思えないよ・・・思える訳無いじゃない!!」
そう言って紫苑ちゃんは自分の部屋に行ってしまいました。
紫苑「奴らは隙を見せればすぐに家を乗っ取って私たちを血祭りに上げるに違いないわ!負けら
れない!負けられないのよ!!」
防弾ガラスの窓とコンクリートの壁の向こうには、庭でテントを張って暮らしている人たちがいる・・・
紫苑ちゃんは窓を開けました、どうして開けたのかは自分でもわかりません何となく外の空気が
吸いたくなったのか、外の様子をうかがおうとしていたのか・・・壁の向こうからは子供達が遊ぶ
声が聞こえています・・・すると、なぜだか涙があふれてきた紫苑ちゃん、いままで我慢していた
何かがあふれ出したかのように・・・涙は止まらずそのまま大声で泣き出してしまいました・・・
つづく
紫苑「私だって!私だってこんな事したくないわよ!!だって・・・だってしょうがないじゃな
い!やっと手に入れた家だもの!二度と他人に追い回されないように強くならなきゃいけないんだ
から!!だって・・だって・・・うあぁ〜ん!!」
壁の向こうが静かになりました・・・紫苑ちゃんの泣き声に驚いたのでしょう、もう遊びは終わ
りのようです。
すると壁をよじ登って子供が二人家に入ってきました。一人はウヨくんぐらいの男の子、もう一
人は妹のようです、歳は男の子の3つ下ぐらいでしょうか、泣いている紫苑ちゃんに近づいて女の
子が話しかけます。
「おねーちゃん、どうしてないてるの?やなこと、あったの?だれかに、めっ!されたの?」
すると隣の男の子が「しょうがねーなーもう、こいつは敵だって言ってるのに。おい!いい加減
泣きやめよ、ティナのやつが気にしてしょうがねえんだからよ!」
つづき
するとティナと呼ばれた女の子が「にーにー!そうゆうことゆったらめっ!なの!」
紫苑ちゃんが顔を上げると、女の子が「これ、あげるの〜、だからもうないたらめっ!なの〜」
と言って一輪のオリーブの花を差し出しました、紫苑ちゃんはぎこちなく「あ・・・ありがとう・
・・」と言ってその花を受け取りました「あの・・・あなた達って・・・」紫苑ちゃんがそう言っ
たとき壁の向こうから「パレスー!ティナー!どこにいるのー!」二人の母親でしょうか、帰りが
遅いので迎えに来たのでしょう。「やばい!壁越えたのがばれたら飯抜きだぞ、おいティナ!いく
ぞ!あ、それとお前!絶対家は返してもらうからな!!」
ティナ「ばいばいなの〜♪」
壁を越えて帰っていった二人をぼーっと見ていた紫苑ちゃん、オリーブの花を花瓶に入れてつぶ
やきました「いつかは・・・おわるんだよね・・・この戦いも・・・辛いんだよね、あの二人も・・・」
つづく
・・・・次の日の朝・・・・
ニホン「おはよー、紫苑ちゃん」
紫苑「あ、おはよー」
・・・しばらく歩いて・・・
紫苑「ねえ、ニホンちゃん」
ニホン「ん?なあに?」
紫苑「ニホンちゃんはどんな理由があっても喧嘩で物事を解決するのはいけないと思う?」
ニホン「うーん、そうだね〜、やっぱり喧嘩は良くないと思うよ」
紫苑「・・・ねえ、ニホンちゃん」
ニホン「うん?」
紫苑「あたし、ニホンちゃんのそういうところ・・・大ッッキライ!」
ニホン「ええ!・・・なんで!ううっ・・・」ニホンちゃんマジで泣きそうです^^;
紫苑「あたしは大嫌いだけど、きっとそれでいいのよ、やっぱり正しいのはニホンちゃんだと思う
。あたしみたいな人がいて、ニホンちゃんみたいな人がいる・・・それでいいのよ、きっと」
ニホン「でも私は紫苑ちゃんのこと好きだし、仲良くしたいと思ってるよ」まだショックが残って
いるのか半泣きのニホンちゃん^^;
紫苑「ふふふっ・・・ほんとにやな子ね、いいんじゃない、それで♪」
どうやら怒っている訳ではなさそうです、ほっとするニホンちゃんですが、どうして大嫌いと言わ
れたのか理解できずに首を傾げるニホンちゃん(うーん、すごくうれしそうに笑ってるのになぁ)
・・・とそのときです
カンコ「ぐうぉーるぁ!!ニホン!またウリのお小遣いが減らされたニダ!賠償ニダ!謝罪ニダー!!」
ニホン「ふえぇーん、関係ないよ〜う(泣
紫苑(あの二人・・・まさかこいつみたいにはならないでしょうね・・・
ちょっと不安になる紫苑ちゃんでした。
解説
にらたまぞうすい
投稿日: 02/10/29 07:34 ID:9hFfwTf/
オリーブ:花言葉は「平和」
本当に平和が来るといいですね紫苑ちゃん♪
ソースは↓です・・・しかし・・・長い^^;
http://www.melma.com/mag/50/m00021350/a00000074.html
http://www.melma.com/mag/50/m00021350/a00000075.html
http://www.melma.com/mag/50/m00021350/a00000076.html
初投稿です、ニホンちゃん、カンコ君のキャラが壊れてないか心配です。
個人的にはニホンちゃんは常に弱腰切れるとこわひ、カンコは常にハイで
体スネオで行動ジャイアンと考えてます。
紫苑ちゃんメインの話になりましたがホントは安江仙弘(やすえのりひろ
:ここではニッテイさんになってます)の話を知って
書きたくなりました、夢中になってたら・・・夜が明けてました(爆
やや歪曲(特に後半)しているとはおもいますが、本人なりに気合い入れ
て情報集めて書いたつもりです・・・書いてるうちに紫苑ちゃんに情が・・T_T
みなさんのお口に合えば幸いです。あ・・・あとパレス&ティナは既出ですか?情報あったらお願いします
こんな作者ですがみなさんどうぞお引き立ての程を・・・駄文ですみませんm(_ _)m
率直なご意見をメールででもいただければありがたいです、次回の参考にします。
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