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第1284話 書き人知らず 投稿日: 02/11/14 22:37 ID:3daoDlNT
小春日和の日差しがさしこむサンルーム。
紅茶とカフェ、湯気と香気が、やんわり立ち上る白くて丸いテーブルに、向かいで座っている2人の
少女がいました。

「ずっとアメリーの言いなり。 あなた、プライドを犬にでも食べさせたの?」
「私は自分の意志で賛成しておりますの。心外な言われようですわ。」
「イラクの家を家捜しして、お目当てのものが見つかるかしら? アメリーは別の目的があるのでしょうけど、
あなたに意味があるとは思えませんけど?」
「あるかないかは、探してみないと分かりませんわ。 使われてからでは遅いのです。」
「どうせ使われるのは、シオンの家に向けてでしょう? ああ、そうでしたね。 あなたのお父様のお約束が
そもそもの発端でしたわね。失礼失礼。」
「・・・昔、私の叔父はナッチ会の言葉を信じたばっかりに、ひどい目にあいました。あのときの失敗は
繰り返したくないのです。あのときは、ユーロ町もさんざんだったそうですよ。もちろん、あなたのお家もね。」 

永遠の好敵手、もっとも近い平行線、親密な犬猿。さまざまな形容詞がつく2人は、今日もたおやかな口論を
繰り広げています。

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