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第1366話
KAMON ◆9awzJSYC0I
投稿日: 03/01/07 00:28 ID:qg+Um0eZ
「遺されしもの」
ロシアノビッチ君には、たくさんの妹がいました。
しかし、家が没落してしまった時に、妹たちはほとんどが周りの家に引き取られ、
今はみんな離ればなれになって暮らしています。
ウクライナちゃんもそんな中の一人でした。
彼女は、ロシアノビッチ君の妹の中でも一番年上でしっかりした子で、
ロシアノビッチ君に、今の家を離れて独立することを説得して了解させた中の一人です。
今もロシアノビッチ君の健康を一番気にかけていますが、
その次に気にかけているのは・・・
「どうしよう、これ・・・」
彼女が腕組みをして考え込んでいる目の前にあるのは、
家の前に刺さっている大量のロケット花火。
これらは、ロシアノビッチ家がまだ羽振りが良かった頃、
セキュリティのために家中に張り巡らせた花火で、
家が没落したあともこうして残っているのでした。
が、これが彼女にとって最大の悩みの種。
火をつけて発射するのも、地面から抜いて取り除くのも、
危なくてとても彼女一人では出来ません。
専門家を雇うととてつもないお金がかかってしまいます。
かといって、そのままにしておくだけでもものすごい維持費がかかります。
実際、小さい花火が何本かなくなっているような気もします。
頼みの綱のロシアノビッチ君は、あの体たらく。
「そう言えば、xxxちゃんがこの花火欲しいって言ってたなあ・・・」
「そのままにしておいてもお金が出ていくだけだし、いっそのこと売っちゃおうかな・・・」
「でも、他の人に渡したら危ないよなあ・・・」
「先生が危ないから処分しなさいって言ってくるしなあ・・・」
花火と言えば校長先生はキッチョム君やイラク君のことで頭がいっぱいですが、
彼女も花火のことで悩んでいる一人なのでした。
解説
KAMON ◆9awzJSYC0I
投稿日: 03/01/07 00:34 ID:qg+Um0eZ
久々の新作! KAMONです。
ウクライナほかCIS諸国家の一番の悩みは、
旧ソ連時代に配備された核。
維持するにも、発射するにも、ミサイルから弾頭を取り除くにも、
莫大な資金を必要とします。
維持しきれなくなって他の国に売ったり、
スーツケース爆弾などは盗まれてしまったりで、
どんどん周辺に核が拡散してしまっているそうです。
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