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第1560話 名無しさん ◆9/am2bjpW. 投稿日: 03/06/12 03:25 ID:seZ3jA/g
 「もしもピアノが弾けたなら」
 ワッフルおじさんは愛妻家で有名です。その愛情といったら奥さんの前で演奏会をする程です。
それは毎年行なわれ町の多くの子供達が参加します。
 「武士、頑張ってね」
 「うん、姉さん」
 ウヨ君はピアノで参加します。尚武の気風を重んじながらも繊細な彼らしい楽器です。
 「ふっふっふ、一等はウリのものニダ」
 カンコ君も参加します。繊細とか芸術とかとは全く無縁そうな感じですが何はともあれ彼も参
加します。
 「嫌な予感がするなあ」
 誰かが言いました。何はともあれ開始です。
 「わああ、チューゴ君凄い」
 まずはチューゴ君の演奏です。クールかつ優雅でまるで凍てついた水の上で泳ぐ白鳥の様です。
続いてゲルマッハ君。堅実で無駄が無くその中に美を秘めた森の中の城の如きかなでです。
 「二人共凄いな。俺も負けていられないぞ」
 ウヨ君の番です。濃紫の夜の天幕と白銀の月を描いた繊細にして幻想的な調べでした。
 いよいよカンコ君です。もう始まる前からウリナラマンセー全開です。
 「ニダッハッ八ッハ、どうやらウリより上手いのはいないニダな」
 曲は意外と言えば失礼ですがいいです。激しいがそれでいて端正で調和のとれたワルツでした。
優勝は誰か、ちょっと難しい審査になりました。
 けれども発表の時がきました。カンコ君、もう自分が優勝した気で鼻の穴を膨らませエラをパ
クパクさせています。
 「優勝、ゲルマッハ君!」
 会場が拍手に包まれます。ゲルマッハ君が笑顔でそれに応えます。
 二位はチューゴ君、優勝したゲルマッハ君と握手をします。ウヨ君は五位でした。
 「五位か。優勝したかったけどここまでくると紙一重だしな。次頑張るか」
 立派な考えですね。しかし、全く逆の考えの人もいるのです。
「ニダーーーーーーーーーッ!!どうしてウリが優勝じゃないニダーーーーーーーーッ!!」
 やっぱりカンコ君でした。審査の結果に不服で暴れ始めました。
 「これはインチキニダ、ウリが優勝しないなんておかしいニダ、しゃ(略」
 寝転がって手足をバタバタさせて叫んでいます。もうこうなると誰にも手がつけられません。
 「いや、けどカンコ君、厳正な審査の結果だし」
 ワッフルさんがなんとか宥めようとします。
 「嫌ニダ、優勝しなけりゃ意味がないニダ!!」
 「しかし君も三位だよ。充分誇らしいことじゃないか」
 「それが嫌ニダ、ゲルマッハはともかくチューゴ君に負けるのは嫌ニダ!!!」
 「ほお」
 チューゴ君の目がきらり、と光りました。
 「それはどういう意味アルか?よく聴きたいアルな」
 「ァ、泡倭倭わわわあわわ・・・・・・・・・・・・」
 カンコ君真っ青です。しかし時すでに遅し。
 「ここじゃなんだからあっちへ行くアル。じっくりと聴きたいアル」
 そう言うとカンコ君の襟首を掴んでズルズルと引き摺っていきます。
 「アーーーーーーーーーーーーイーーーーーゴーーーーーーーオーーーーーーーーーーー!!!!」
 やがていつもの叫び声が聞こえてきました。

解説 名無しさん ◆9/am2bjpW. 投稿日: 03/06/12 03:27 ID:seZ3jA/g
エリザベート国際コンクールで韓国人が三位入賞したら父親が抗議した話です。ソースは
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/flash/20030609225703.html
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/06/09/20030609000020.html
日本人も入賞しています。
http://music.yahoo.co.jp/classical/music_news/classicnews/20030610/mcsent001.html
それにしてもこんな斜め上の行き方があったとは。
時事ネタなのであまり寝かさずに書きましたがお許しを。芸能版にこの話のスレが
ありますので貼っておきます。こちらも参考にしましたし。
http://news2.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1055177373/l50

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