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第1708話 名無しさん ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 03/11/10 06:13 ID:GwSPYEHw
              「お薬の話」
 アメリー君との喧嘩に負けたイラク君の家には今色んな家の人達が復興の為に来ています。
その活動は様々で中にはトラブルもあります。
 「それは仕方無いさ。俺は喧嘩に負けたんだし。けどな」
 イラク君は一呼吸置いて言いました。 
 「俺は誇りまで失なっちゃあいないぞ」
 彼にも誇りがあります。たとえ負けてもそれだけは失なってはいけませんね。しかし。
 中には誇りも無く他人の誇りを容赦なく踏み躙る輩もいます。
 「フン、ウリ達は戦勝家ニダ」
 毎度毎度同じ事を言っている彼です。イラク家の人達は彼に親指まで突き立てる程嫌悪感
を示しています。それはなぜでしょうか。
 「訳をしりたいか?」
 ええ、とても。
 「・・・じゃあ教えてやるよ」
 
 
 「これ見てみな」
 イラク君が差し出した物、それは薬です。何やらあまり見かけない文字ですね。
なんか丸と棒線ばかりですが。
 「・・・だろ。けど誰の家のやつかはわかるな」
 はい。それにしても何の薬でしょう。
 「あおつに聞いても教えてくれねえよ」 
 イラク君の機嫌がさらに悪くなります。けれど何の薬でしょう。
 「聞いて驚くなよ、それは犬の胃腸薬だ」 
 え!?
 「俺達にくれたのは他にちょっとした風邪薬だけだ。俺は犬じゃねえぞ」
 その黒い瞳に怒りの炎が宿ります。
 「許せねえ、俺達を喧嘩に負けたってだけで犬と同じ扱いをするなんて・・・。
あいつは何時か叩きのめしてやる」
 ぞんざいにふるまうカンコ君を怒りの目で見ています。果たしてどうなるか。

解説 名無しさん ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 03/11/10 06:16 ID:GwSPYEHw
 ソースはこの朝日の記事。
 特派員メモ ナーシリヤ(イラク南部)
「ぜひ、見に行ってほしい。某国軍の援助した薬が犬の胃薬だったんだ」ー。
イラク南部のナーシリヤで知り合った薬剤師は、日本の記者と知るとそう訴えた。
翌日、半信半疑でその病院を訪ねた。イラク戦争中、捕虜になった19歳の
米女性兵救出作戦で有名になった病院だ。
 薬局に並べられた78種の薬を見て驚いた。薬の成分、効能、使い方が
分からない。某国の言葉しか使われていない。説明もなく一方的に渡された
ものだという。
 頭を抱えた薬剤師長(30)が、砂漠にある同国軍の診療所まで説明を
求めに行ったが、「忙しい」と断られた。仕方なく、一部のアルファベットを
手がかりにインターネットで調べ、半分まで使途を割り出した。
 その結果、犬などの動物用の胃腸薬であることを確認した、という。
この国では、犬は不浄として嫌われている。現地の家畜用、あるいは外国軍の
軍用犬用ということかもしれないが、結局、患者に処方できるのは、正体の
分かった風邪薬2種類だけ。
 残飯を投げ与えられたような屈辱感だった、薬剤師長が言った。
「南部に来られる自衛隊の援助は、こんなものではないと信じています」

引用 朝日新聞2003年11月7日9面
 とこれ。
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031014-00000754-jij-pol
 本当だったら実に酷い。人を馬鹿にするにも程があります。

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