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第1768話 属国魂! 投稿日: 04/02/22 09:32 ID:fox/9bma
ニホンちゃんはボランティア活動もしています。
様々な町で大人の手伝いをして、橋を造ったり、木を植えたりと、多種多様な仕事をいつもしています。
そんなある日、イラク君家にアメリー君と一緒に水道管を直しに行きました。
「気をつけろよ。イラクはあいつによく似てるからな。」
「あいつ?」
「すぐ金をせびりにくるキテガエだよ」
ニホンちゃんの脳裏には、興奮しながらよく唾を吐く言語を喋る、ご先祖が熊のpu−さんであるお隣の名前が、自然と浮かんできました。
「カンコ君?まさかぁ。」
ニホンちゃんは信じられませんでしたが、アメリー君はそれだけ言うとつかつかと先に行ってしまいました。

それはそれとして、とりあえずイラク君家につき、ニホンちゃんはアメリー君の言葉を思慮に入れつつ、恐る恐るノックしました。
「おお。ニホンちゃん。待ってたんや!いや、今回も来てくれたのか。ありがとねー。アメリー君も・・・」
イラク君はニホンちゃんに手を胸に当てて挨拶をし、アメリー君にも来てくれてありがとうと感謝の意を示したのでしょう、仲間の功績を讃えるように力強く親指を立てて、アメリー君を歓迎していました。
それをされたアメリー君は何故か不機嫌そうに頬を釣り上げました。
その理由はイラク君家では、親指を立てることはアメリー君が中指を立て侮辱するのと同じ意味であると、修理が終わってから聞かされて初めて知ることになりました。
そして、何も知らないニホンちゃんは台所に行くと、水道管の修理をするために、シートを広げました。
水道管から出る水で床が汚れないようにするためです。
シートは外れないように床に軽く杭を打ちます。少し床に傷が付いてしまいますが、その分の修理代はキチンと払います。
ニホンちゃんはポケットから50万円をぽんと出すとイラク君の手に渡しました。
かなり出し過ぎな気がしますが、ニホンちゃん家は地球町で一番物価が高いので、ニホンちゃんにとってはお小遣いくらいのものでした。
「なんでやねん。ほんまおもろいわー」
いきなり、意味不明な言葉を放つイラク君にニホンちゃんは驚きました。
「え?何が?」
「ギャグやろー。床こんな傷つけてんやから。1億円は払わなあかんやろ。ここがわいのショバだってこと忘れとんのか?われ?」
どう考えても1億円払いすぎです。それじゃイラク君の台所が何個買えるのでしょうか?いえ、それよりもニホンちゃんが信じられないのは、こちらは善意で水道管を直しているのに、まるでヤクザが一市民を脅すような口調でお金をせびってくることでした。
「でも、修理代はこのくらい・・・」
「何いっとんねん?マジ、いてまうぞ、オラァ!」
イラク君の顔が目の前まで来て、鼻と鼻がつき合うくらいの位置で、ニホンちゃんは怒声を浴びせかけられました。
ニホンちゃんは泣き出してしまいました。
「うえぇえん。でも、でも、今、2000万円しか持ってないよぅ・・・」
ニホンちゃんは左手で目を擦りながら、右手でポケットのサイフの中身を見て言いました。
イラク君はニホンちゃんがしっかり握りしめるサイフを指を外して、強引に奪い取ると、
こんなことを言いました。
「まあ、いいわ。半分の5000万にしといたら、まだあるねんやろ?明日学校にがん首揃えてもってこいや!」
ニホンちゃんは今もなお、イラク君家で水道管を直し続けています。

解説 属国魂! 投稿日: 04/02/22 09:46 ID:fox/9bma
http://www.h3.dion.ne.jp/~jupiterx/newpage21.html
(・∀・)σ 親指を立てるイクナイ。
掌見せることイクナイ。
http://www.asahi.com/international/update/0216/002.html
ヤクザに金渡すイクナイ


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