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第1962話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/08/28 23:21 ID:45Gy/6Hr
                 「時には夢見る乙女」
 香ちゃんはチューゴ家の中ではかなりおしゃまな女の子です。時にはお兄さん
のチューゴ君ですら言い負かしております。
 彼女の好きなのは色々ありますが最近はアメリー君の家のドラマがお気に入り、
今日も自分の部屋で見ています。
「いいなあ、私もあんなふうになれたらなあ」
 ドラマを見ながらうっとりとしています。
「そうしたらもっともっと楽しいのに。たまにはお空を飛んでみたいわ」
 かなり夢見モードに入っているようです。その目もうっとりとしています。
 彼女の部屋は電化製品が一式置いています。チューゴ家ではかなり豊かな方です。
その中には電子レンジもあります。
 プスプスプスプスプスプスプスプスプスプスプス
 その電子レンジが急に煙を噴き出しました。
「まさか・・・・・・」
 実はこの電子レンジかなりの中古です。香ちゃんはそれを見て咄嗟に逃げようと
思いました。
 しかし扉まではちと遠い。その前に爆発しようとしています。
「どうしよう」
 窓から、けれどあまりにも危険です。しかしここで運命の神の贈り物が。
「そうだ、これがあったわ!」
 見れば窓の側に傘が一本ありました。何と都合がいいのでしょう。
 さあ傘を手にしました。そしてそれを開いて窓から飛び降りました。
「今見ていたドラマみたい、上手くいったわ!」
 窓を出たところで爆発が起こりました。中古の製品ながらその爆発力
は素晴らしいものがあります。
「・・・・・本当に危ないところだったわ」
 香ちゃんは窓から出る煙と火を見ながら言いました。
「けれど良かったわ、何とか助かったし。ドラマも役に立つのね」
 しかし。
 香ちゃんの身体は傘で飛ぶには少し重過ぎたようです。落下速度は落ちる
ことなくそのまま一直線に落ちます。
「えっ!?」
 しかも傘が下からの風圧に巻け折れてしまいました。これで万事休す、
です。香ちゃんはそのまままっ逆さまに落ちて行きました。

「・・・・・・一体何を考えているアルか」
 香ちゃんは脚を骨折して入院することになりました。見舞いに来た兄
チューゴ君は呆れた顔で妹に対して言いました。
「う〜〜ん、やっぱりドラマみたいにはいかなかったみたい」
「当然アル。もし何事もドラマみたいになったらそいじょそこらでヒコウ
を突かれた人間が爆発しているアル」
「・・・・・・また懐かしい例えね、兄さん」
「・・・・・・・・・」 
 チューゴ君、妹の突っ込みはとりあえずスルーすることにしました。
「ともかくアル」 
 チューゴ君は咳払いをしてから妹に対して言いました。
「これからは無闇にドラマの真似は止めるよろし。さもないと今回の様に
大変なことになるアルぞ」
「うん」
 珍しく素直に納得する香ちゃんでした。
「わかればいいアル。僕としても御前にカンコみたいな馬鹿なことをして
怪我をしてもらったら困るアル」
 打算少々、愛情多々の心で言いました。
 その後香ちゃんだけでなくチューゴ家では所々に消火器等を置くように
なりました。

解説 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/08/28 23:24 ID:45Gy/6Hr
 今回のソース。中国で窓から傘で飛び降りた人が骨折
したそうです。ソースはこちら。
ttp://www.excite.co.jp/world/english/web/body/?wb_url=http%3A%2F%2Fwww.ananova.com%2Fnews%2Fstory%2Fsm_983923.html&submit=%83E%83F%83u%83y%81%5B%83W%96%7C%96%F3&wb_lp=ENJA&wb_dis=2&wb_co=excitejapan
 メアリーポピンズみたいな馬鹿事件ですね。

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