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第1981話 ばいおはざーど@58作者 投稿日: 04/09/14 20:19:18 ID:MlYjTgSd
[学校と王子様と私]


女の子はいつだって、心の奥底では「白馬の王子様」に憧れているものです。
いつか、私の前にも立派な殿方が現れて、私を見初めてくださる。
そして幸せな結婚式をして、皆に祝福されて、私と王子様は幸せなキスをするの。
「でも王子様がいないじゃんw」
「実際のも比喩的なのも、なw」
教室の片隅でニホンちゃんの乙女心を聞いていたタイワンちゃんとアーリアちゃん。
面白そうに笑うのです。
「うぐっ・・・そ、そうだけどぉ〜・・・でもでも憧れちゃうでしょ?ママだって真珠のネックレス持ってるんだよ」
「マサコ様は綺麗だったな。プリンセス、か・・・」
「アタシも憧れちゃう。プリンセスって素敵だよ・・・でも無理だよネェ」
「やっぱり選んでくれないかなぁ・・・」
そういって二人それぞれ自分の胸を見下ろして・・・ため息ひとつ☆ミ
見下ろさない美少女が一人いるのは秘密です。
「まあ、そんなことを考えるのは当分先だろうな」
「そう!早すぎるよ!アタシ達まだ五年生だよ!」
「そ、そうだよね。まだおっきくなるよね」
なにか一人勘違いしていますね。天然っぷりは健在のようです。
まあ、早すぎるという意見は当然のこと。なにしろまだ五年生。向こうで日直日誌を読んでるフラメンコ先生なんて・・・ゲフンゲフン。
しかし、この意見に敏感に反応しちゃう娘がいました。
「早すぎることなんてないよ」
ブルネイちゃん、ちょっと意外そうな怒ったような顔で言い切ります。
「だってあたし今度、王子様と婚約したもん」
「・・・」
「・・・」
「・・・え」
「「「えええーーーーーーーーーーっ!!!」」」

「えっ、ちょ、まっ、なに、どっ」
「とっとりあえず落ち着くんだ、タイワン」
「えーっ!えーっ!どこの王子様?いくつ?カッコイイの?背は?」
三者三様とは良く言ったものですが、皆一様に驚きは隠せません。
「だ、だって、けっこんだよけっこん!アタシなんてまだアレもきてないっていうのに」
「タっタイワンちゃん!声おっきいよっ!」
「どういう経緯で婚約に至ったんだ?やはり早すぎると思うのだが・・・」
ブルネイちゃんはそれからゆっくりと、いろんな事を話してくれました。
王子様は校庭で遊ぶブルネイちゃんに一目惚れだったこと。
ブルネイちゃんはいつも御公務でお目にかかる王子様に憧れていたこと。
王子様は宮殿にブルネイちゃんを呼んでプロポーズしてくれたとか。
そして・・・
「王子様とは13離れてるの。とっても大人なのよ」
「13ねー・・・じゅうさんん?」
「13よ?向こうは23歳で・・・」
「いや、それ絶対おかしいって!ロリコンだよ!王子様とか言ってる場合じゃないって!やめなよブルネイちゃん!」
「タ、タイワンちゃん、言いすぎよ・・・」
「いーや、おかしいって!アーリアもなんか言ってやってよ・・・あれ?」
アーリアちゃん、何時の間にかゲルマッハ君の近くでカンコ君を締め上げています。
「んー、ちょっと忙しそうね・・・」


タイワンちゃんが少し静かになったので、ニホンちゃん改めて聞きます。
「・・・ブルネイちゃんはいいの?」
「とっても幸せよ!」
ブルネイちゃん、一点の曇りもない笑顔でハッキリと答えます。
「周りの皆は口を揃えて、早すぎるって言う。王子様は異常だって言う。でもあたしは王子様が好き。大好きなの。もっとずっと小さい頃から大好きなの。あたしの王子様よ!もう誰にも渡さないわ」
一気にまくし立てると、ちょっと顔を赤らめて
「王子様も私が一番好きって言ってくれるのよ」
そう言うと足早に教室から出て行きました。
「・・・ブルネイちゃん、幸せそうだね」
「・・・アタシ、結婚の幸せとか良く分からないけど・・・悪いこと言っちゃったな。ロリコンとか・・・」
「タイワンちゃん・・・」
「明日謝るよ。・・・ブルネイちゃん許してくれるよね」
「私も一緒に謝ってあげる」
「ホント!?ニホンちゃん優しい!嬉しい!大好き!」
「きゃぁ♪ 大丈夫だよ。ブルネイちゃん優しいから」

(謝っても謝っても許してくれない誰かとは違うから)





解説 ばいおはざーど@58作者 投稿日: 04/09/14 20:20:51 ID:MlYjTgSd

ばいおはざーど@58作者です。

シェロさんのヒントにぴきーんとインスパイアを受けまして
ガガガッと書き上げてみたらこの作品に。
おかしいナァ・・・なにか光明が見えた気がしたんだけどナァ・・・

ソースはちらっとしか見てません。
その件についての責めを負う覚悟はできてます。
賠償はしません。しませんったらしません。


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