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第2050話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/11/16 23:02:35 ID:x9/Gn4Mg
             「悪口の後で」
 ニホンちゃんのお家の前は最近の車、とりわけ大きな車の往来が
激しくなっています。そのトラックが時々家に突っ込んで事故を
引き起こしています
 今日も激しく揺れています。その時ニホンちゃんはマエミちゃん
の襲来で荒れていたニイガタの間の修理をしていました。
「ううん、大分傷んでるなあ」
 もう夜になり部屋に灯りをつけて修理をしています。かなり傷んで
いて少しでも気を抜くと危ない状況です。
 そんな状況でも家の修理をしていました。ウヨ君やジエイタイ三兄弟
も手伝ってくれますがいつも彼等の助けを借りるのは好きではありません。
 その時でした。一際大きなトラックが家に突っ込みました。
 グラリ
 家が大きく揺れました。特にそのトラックは傷んでいたニイガタの間
のすぐ側を特に早い速度で突っ込んできたのです。
「キャッ!」
 部屋の中の建物が崩れました。ニホンちゃんはそれに巻き込まれ怪我
をしてしまいました。
 ニホンちゃんは腕を怪我してしまいました。かなり酷い
ものでしたが何とか学校には行ける程度ではありました。
 彼女の怪我の話は既にクラス全体に知れ渡っていました。
彼女が来ると皆心配そうな顔でやって来ました。
「僕の家もマエミの奴が『あたしハリケーンよ』とか言って
暴れているんだ。お互い辛いけれど頑張ろう」
「心配したアルぞ。中々助けに行けないアルが。怪我がすぐ
に治ることを祈るアル」
 アメリー君だけでなくチューゴ君も心配そうです。特に
タイワンちゃんはニホンちゃんの腕を見て自分のことの様に
心配しています。
「大丈夫!?普段とか一人でやっていける!?」
「うん」
 ニホンちゃんはこくり、と頷きました。こうした時に
お友達というのは本当に有り難いものです。
 タイワンちゃんに助けられながらランドセルを下ろし席
に着きます。皆本当に彼女が心配なのです。
 けれど中には一人ヘソ曲がりがいました。
「フン、ニホンが怪我をしたのは天罰ニダ!」
 カンコ君は一人悪態をついていました。
「日頃の行いが悪いからそうなるニダ、そもそもニホンは
反省が足りないニダ、ウリも行ってやるニダ、そして
ニホンが怪我したことを祝ってパーティーを開いてやる
ニダ、天罰ニダ!」
「・・・・・・・・・」
 それを見る皆の目が急激に冷めていきます。そして皆
カンコ君に対して軽蔑の言葉を浴びせかけました。
「最低だな、御前」
「こんな奴クラスの一員として認めたくないYO」
「そうアルな、どっか行くよろし」
「ニダ!?」
 カンコ君思いも寄らない事態に戸惑っています。
「クラスメイトの困っている時にそんな罵声浴びせるなんて
最低よ。バカンコ、あんたもうニホンちゃんに二度と近寄ら
ないでよね。もし近寄ったらあたしがただじゃおかないわよ!」
 タイワンちゃんが何時になく厳しい顔で彼を睨んでいます。
こうしてカンコ君はクラスから村八分にされました。
 こうして数日が経ちました。ニホンちゃんの怪我も少し回復
してきました。
 学校からの帰り道です。ニホンちゃんはタイワンちゃんに
付き添われて下校していました。
「ニホン」
 そんな彼女を呼び止める声がしました。
「誰?」
 見ればカンコ君です。彼は電柱の陰から出て来て何かモジモジ
としています。
「あんた、性懲りもなく」
 タイワンちゃんが前に出ようとします。しかしニホンちゃんが
それを止めました。
「待って」
「けど」
 タイワンちゃんはニホンちゃんを振り返ります。ニホンちゃん
はカンコ君をぶっ飛ばそうとする彼女に対し首を横に振っています。
「・・・・・・わかったわ」
 彼女は微笑んで頷きました。そしてスッと後ろに下がりました。
「どうしたの、カンコ君」
「そ、その・・・・・・」
 カンコ君はまだモジモジしています。けれどやがて意を決した
顔で後ろから何かを取り出しました。
「これやるニダ」
 それは大きなペットボトルに入ったお水でした。
「これって」
「見舞いニダ、受け取るニダ」
 カンコ君は顔を真っ赤にしてそのお水を差し出します。
「うん」
 ニホンちゃんはそれを手にしました。怪我をしていない方の
手でそっと受け取りました。
「この前の言葉は悪かったニダ、それは謝るニダ」
 カンコ君は早口でまくしたてます。
「しかし忘れるなニダ、ウリはニホンは大嫌いニダ、だから
ウリがニホンを好きだなんて思わないことニダ、これは単なる
プレゼントニダ」
「それって見舞いなんじゃないの?」
 タイワンちゃんの突っ込みに顔を真っ赤にして反論を返します。
「違うニダ!ウリがどうしてニホンにそんなものやらなくては
ならないニダ!いい加減なこと言うなニダ!」
(本当に素直じゃないわね、こいつは)
 タイワンちゃんは内心そう思っていました。
「そういうことニダ、折角ウリが水をやったニダ、だからすぐ
その怪我を治すニダ!」
 そう早口でまくしたて終わると彼はすぐに走り去ってしまい
ました。雨が降ってきて彼の後ろ姿は見えなくなってしまいました。
「・・・・・・ニホンちゃん?」
 タイワンちゃんはニホンちゃんにも早く帰るように言おうと
しました。けれど彼女はその場に立ち続けていました。
「有り難う、カンコ君」
 彼女は雨に濡れながらも微笑んでいました。髪も服も濡れながら
もその気持ちは温かくなっていました。
 暫くしてニホンちゃんの怪我は治りました。その話を聞いた
皆もカンコ君をまたクラスの一員に受け入れました。

解説 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/11/16 23:09:51 ID:x9/Gn4Mg
 今回のソース。新潟の地震とアメリカ、中国、台湾、韓国の
人達の掲示板でのコメント。韓国はNEVERです。あと
こちらの援助。
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/10/27/20041027000037.html
 NEVERのレスにはかなり頭にきましたが。

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