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第2183話 青風: ◆BlueWmNwYU 投稿日: 05/03/09 00:54:41 ID:z9B25r6o
「世界は廻る、乙女の周りを」

 アメリー君は妹想いのお兄さんです。
そんなアメリー君だから、ラスカちゃんの云う事は何でも
聞いてあげちゃいます。もちろん、こんな事ではいけない、
とは思うのですが、上目使いでおずおずと
「ねぇ、お兄さま。ラスカね、お願いしたい事があるの・・」
なんて云われると、百年の決心も一瞬で吹き飛んでしまいます。
そう、丁度今日の様に・・・

「お兄さまぁ、あのね・・」
「どうしたんだいラスカ。云いたい事があるなら行って御覧」
「あたし、お友達と映画に行きたいの。でも、お洋服が・・」
 どき どき どき どき
 神様、お友達って誰だい?なんて聞かれません様に。
 一番かわいい私をあの人に見て貰えます様に。
神様へのお祈りが通じたのか、アメリー君の返事はこうでした。
「しょうがないなぁ、ラスカは。
 良いよ、お兄ちゃんがどうにかしてあげる」
にっこりと笑うと、自分の部屋に向かうアメリー君でした。

 部屋に行ったアメリー君はちょっと困った顔をしていました。
ラスカにかわいい服を着せてはやりたい。
でも、今月のお小遣いは既に使い切っていました。
「しょうがないな、またあの手で行くか・・」
彼はパソコンとプリンターの電源を入れました。
 数時間後、アメリー君はニホンちゃんの家にいました。
「やぁ、ニホン。今日はとっても耳寄りな話を持ってきたんだ」
彼の笑顔に何となく嫌な予感のするニホンちゃんです。
「実は今日、数ヶ月後に絶対利子が付いて還ってくる
素晴らしい債券を持ってきたんだ。」
此処で断ると、新型種の犬、ラプターも売ってくれなくなります。
何より、近所をキッチョム君がおなかをすかせて彷徨いているのですから
彼がへそを曲げるとちょっと困るのです。
仕方がないので印刷したての債券を買う事にしました。

 さて、ニホンちゃんも是では困ります。
「しょうが無いわね。またあの手で行こうかなぁ」

 数時間後、ニホンちゃんはカンコ君の家にいました。
「カンコくーん、今日はとっても便利な工作機械を持ってきたんだ」
彼女の笑顔に何となく嫌な予感のするカンコ君です。
「是さえ有れば、いろんな機械を造ってお金が儲けられるよぉ」
此処で断ると、カンコ君の家の仕事が立ちゆかなくなります。
本当はその機械の作り方が知りたいのですが、流石にそれは無理です。
仕方がないので、彼はニホンちゃんの工作機械を買う事にしました。

 さて、カンコ君も是では困ります。
「しょうがないニダ。またあの手で行くニダ・・・」
 数時間後、カンコ君はチューゴ君の家にいました。
「チューゴニム、今日は凄い機械を持ってきたニダ」
彼の笑顔に何となく嫌な気分のするチューゴ君です。
「このウリナラ特性の機械さえ有れば、
 いろんな服とか作れるニダ」
此処で断ると、もっと高い値段でニホンちゃんの家から
仕入れなくてはなりません。
別にそれでも良いのですが、それでは宗主国としてのプライドに傷が付く
ような気がしてならないのです。
仕方がないので、彼はカンコ君の持ち込んだ機械を買う事にしました。

 さて、チューゴ君も是では困ります。
「仕方ないアル。またあの手で行くアル・・・」

 ぴんぽーん
アメリー家の玄関のベルが鳴ります。
はーい、という返事と共に、とたたたたと云う足音が近づいてきます。
「まいどどうもアル。注文もらた女の子向けの洋服アル」
「・・・・どこかで会った様な気がするんですけど?」
「気のせいアル!受け取りにサイン下さいアル」

どこかで見た様な人に受け取りへサインして渡すと、
いそいそと受け取った洋服の包みをもって自分の部屋へ
駆け込むラスカちゃんです。

 あの人は、是を着た私を見てなんと云うかしら

そう、世界は恋する女の子の周りを廻っているのです。

解説 青風: ◆BlueWmNwYU 投稿日: 05/03/09 01:05:25 ID:z9B25r6o
後書き云い訳その他諸々

ははは、長文続きでは読むようも疲れるでしょうと
自分なりに気を遣って小ネタを書いたつもりが
気が付けばこの長さ・・・・・・

反省だけはしています

さて、元ネタです。
アメリー家の消費生活を支えているのはニホンちゃんの債券購入です。
ニホンちゃんはカンコ家に対してはぶっちぎりの貿易黒字です。
カンコ君はチューゴ君に対しては黒字です。
もちろん、チューゴ君はアメリー家に対して黒字です。

まぁ、世の中そういうものです。

もちろん、ニホンちゃんは他の家も黒字だし、
チューゴ君はニホンちゃんの家にさえ小物を売っています。
その他諸々有りますが、

  ウ リ は 理 解 の あ る 読 者 が 好 き で す

そういうものです。

そうそう、
感想、批判、ご要望、日ノ本家の米国債の数程もお待ちしております。

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