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第2298話 更科うどん ◆Kcw/NGE69M 投稿日: 2005/07/10(日) 22:20:49 ID:W4eXK/c5
   " Don't Wanna Try "


 ソファーに座って天井を見上げたまま、僕は彼女の繰言を
ぼんやりと聞くともなしに聞いていた。

 ───僕の部屋はこんなに殺風景だったろうか。

 ふたりも人がいるのに、がらんとして寒々しい空気に触れながら、
ふと、そんなことを思う。
 ほとんど彼女の話を聞いていなかった僕に、突然、不意打ちのような言葉が襲ってきた。

「それでね。……あの、お願いがあるの」
「やり直す事、できないのかな?」

 その言葉だけがやけに響いて聞こえたのは、内心ちょっと驚いたからだろうか。
予想はしていたけれど、まさか本当に言うとは思わなかった。

 ───いまさら何を言うの? どうしてそんなことを言うの?

 喉まで出かかったセリフを飲み込み、ついまじまじと彼女の顔を見てしまう。

「もう一度。……お願い、もう一度だけ」

 ───僕は、言わなきゃいけない。

「もうごめんだ。これ以上は嫌なんだ」

 罪悪感。
でもそれ以上に、言って楽になった自分がいる。

「…………。」

 彼女は本当に悲しそうな顔でうつむいて、その場に立ち尽くしてしまう。

 ───何でこんな悲しそうな顔が出来るんだろう。

 いつだってそうだった。気まぐれに優しいから、
いつも僕だけが苦しんで、
いつも僕だけが悪者になる。

「無理だよ。わかるだろ? 僕らにはもう、ケンカしかする事が残ってない」
 黙ってしまった彼女に、僕は弱々しく微笑みかける。
「ならせめて、笑って終わりにしたいんだ」

 ───最低だ。何で僕はこんなに優しい声出してるんだ?

 寒々しい空気に耐えながら、僕は最後の結論を出そうしていた。
その時、思わぬ珍客が乱入してきた。


      ******************************


「アメリ〜く〜ん! ウリはアメリー君とソッチョクにお話がしたいニダ。タイセツなお話ニダ〜!」
 勝手知ったる他人の家。いつものようにアメリー君の部屋へ
アポなし不法侵入してきたカンコ君は、思わぬ先客にたたらを踏みます。
「むむっニホン!」
 なにやら深刻な表情で話し込んでいたニホンちゃんとアメリー君は、
カンコ君の顔を見てなぜか更に深刻で複雑な表情をしてみせます。
 でも我らがカンコ君は、当然というか期待にたがわずというか、
そんな微妙な空気まったく読めないのでありました。
「あー、カンコか。ちょうどお前の話をしてたところだ」
「ウリはキッチョム兄の事でお話がしたいニダ。
 アジア班のバランサーとしてヒジョーに事要な提案があるニダ!」
「( ´_ゝ`)フーン 」
「花火のことは大目に見てあげるニダ。キッチョム兄にお小遣いとご飯を上げるニダ。
 そうすればキッチョム兄は満足しるニダ。きっとみんなとの話し合いに応じてくれるニダ。
 お小遣いとご飯はアメリー君とロシアノ君とチューゴ様とニホンがやればいいニダ」
「( ´_ゝ`)フーン 」
 アメリー君、もはや突っ込む事さえめんどくさいといった様子です。
アメリー君の予想外にうっすいリアクションに戸惑いながらも、
カンコ君は例によって斜め上の世界へ孤独な旅を続けます。
「みんなキッチョム兄が困っているのだからぶらじゃーの為に尽くすべきニダ!
 アメリーもロシアノもチューゴもニホンもみーんなそうニダ!
 だいたいアメリーはひどいニダ!
 偉大なるぶらじゃーの事をキモヲタだのヒッキーだのロリだのペドだの
 ディレルバンガーだの佐賀県佐賀市17歳だの、
 アメリーは撤回しる謝罪しる賠償しる
 ミンジョクはひとつウリナラマンセェェェエエエエ!!!」

「はああああ〜〜っ………」
 がっくりするニホンちゃんに、アメリー君は笑いをこらえながら目配せします。
「な、無理だろ?」



                                               END



解説 更科うどん ◆Kcw/NGE69M 投稿日: 2005/07/10(日) 22:24:48 ID:W4eXK/c5
AEI「韓国と友好的離婚をする時」
ttp://japanese.joins.com/article/article.php?aid=65361&servcode=200§code=200


そういえば、たらいま本スレ(おそ!)
4周年おめでとう。誕生日プレゼントは漏れの体で払(ry

というわけで久しぶりの投下ですが、
ええい、なんだこのこっぱずかしいSSは!

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