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第2342話 マンセー名無しさん 投稿日: 2005/09/18(日) 07:35:21 ID:sMtWgvMN
古き良き戦場へ


(1/3)

 今日は歴史の勉強ということで、各家に伝わる武器を持って集まる事になりました。
 一番手は我らがニホンちゃん。刀身そのものを芸術のレベルまで高めた、世界に名だたる日本刀を持っての参戦(?)です。
「備前長船長光が打ちし、大般若長光を持ってきました!」
 すらりと鞘から引き抜いたその刀は、硬軟の鉄を鍛えた美しい地景をもった逸品です。
 何せ国宝です、そこらへんにある刀とは一味も二味も違います。
 その国宝をずんばらりと抜いた瞬間、ニホンちゃんの目がぎらりと光ったのは気のせいでしょうか?
「大般若長光は、長篠の戦功を賞して、徳川家康から(中略)、長船長光の第一等の傑作として有名で(中略)、他に殆ど比類を見ないほどの六百貫という高価で(中略)、天正19年(1591)の奥書のある刀剣書に「諸国鍛冶代付の事」の一条があり、それによれば(以下略」
 とまりません! ニホンちゃん、とまりません! クラスメイト全員が引いていますが気にしません。
 息継ぎすらせずに、肺活量の世界記録を目指すがごとく、マシンガン説明をし続けます。
「ににに、ニホンさん! ありがとう、よぉぉぉぉっくわかりました」
 ほんの隙をついて、フラメンコ先生がどうにか制止できました。
 なかにはフラメンコ先生に、音が出ないように拍手をしている生徒もいます。
 もうちょっとどころか、まだまだ喋りたい雰囲気をかもし出しつつも、おとなしく席に戻ったニホンちゃんでした。
(2/3)

「では、気を取り直して」
 何気に失言してます、先生。
「次は誰に出てもらいましょうか?」
 皆、手を上げ。自分を指してもらおうとしています。
「そうねぇ。ゲルマッハ君、アーリアちゃんにお願いしようかしら」
 この理論と規則と論理が好きな二人なら、先ほどのニホンちゃんのように暴走することはないと思ってのことでしょうが。
 ちょっと甘いです。
「では、自分より説明させていただきます」
 まずはゲルマッハ君が、槍並に長い大剣を持ち出してきました。
「見ての通り、一撃必殺を目指した剣でありますが。特大のガードが着いており、盾としても利用できる。我が家に伝わる必殺の武器です」
 ツヴァイハンダーを構える姿は、まさにドイツ騎士。おお~と、拍手がわきあがります。
「では、次は私だな」
 アーリアちゃんが、波打った刃を持つ優雅な剣を取り出しました。
「この剣は、一般的にフランベルジュといわれている。波打った刃は、骨を折るよりも肉をずたずたに切り裂く。死より苦しみを与えるための剣だ」
 ふふふふふふふ、と怪しげな目つきで刃物を見つめるのはやめてください、アーリアちゃん。怖いです。
 先ほどのニホンちゃんとはまた別な意味で、教室中引いていくのがわかります。
 ゲルマッハ君も、引くのはやめてください。兄である君にしか止めれないのですから。
 フラメンコ先生も「失敗だったか!」と頭を抱えています。
 いったでしょう? 甘いって。
(3/3)

 生徒に任すのは少々どころか、かなり危険だと判断したのか。まずは自分がお手本を見せようと、フラメンコ先生自身が剣をとりだしました。
「せ、先生が持ってきたのはトレド・ソードです」
 ちょっと顔が引きつっていますよ。
「ハンドガードを見てください。金の装飾がされていて綺麗でしょう」
 たしかに先生が持ち出してきた刀剣はハンドガードが、そして刀身までもが光り輝いているようです。
 その美しさに、皆うっとりとしてしまいました。
 その時、どこからともなく美味しそうな匂いがしてきました。
「上手に焼けたよ、Massimo di!」
 ガラガラガラと、教室を戸をあけて入ってきたのはマカローニ君でした。
 何故か両手に、大きなピザを掲げての登場です。
 戸は多分足で開けたのでしょう、礼儀がなってませんね。
「僕の武器はこれさっ!」
 両手のピザをクラスメイトに配っていきます。
「マカローニ君……これは何のつもりですか?」
「愚問ですよInsegnante! これが僕の武器だからです。女性を落とすには甘い言葉と美味しい食べ物ですよっ!」
 少しそこで考え込んでから。
「……薔薇の花束の方が良かったかでしょうか?」
「廊下にたってなさい」
 そんな彼らのやり取りを見て、
(よかった。花火の発射ボタンを入れた、この黒いカバンを見せなくて本当に良かった)
 と、アメリー君が冷や汗を流していたとかいなかったとか。
 それは本当に危ないから、金庫になおしておきましょうね、アメリー君(汗

解説 処女作? 投稿日: 2005/09/18(日) 07:41:18 ID:sMtWgvMN
以下解説?

あぷろだにあった、とんぼさん(絵師さん)の武器持たせシリーズを元ネタにしたものです、無断で(ぉぃ
そこでは
フラメンコ先生はカットラス
ゲルマッハ君はトライデントなのですが
ちょい趣味を優先させ、装備変更させていただきました(ぺこり
マカローニ君のピザはそのままですけどね(ぇ

アメリー君はボーイー・ナイフにしようと思ったのですが、まぁ、あの国だし
ということで、常に持ち歩いている例の黒いカバンです、アレですアレ

フラメンコ先生のトレド・ソードは↓を参照してください、本当に綺麗ですw
http://www.medieval-store.com/html/tizona.htm

評判がよさそうでしたら、このシリーズの続編も書かせていただこうと思っております
刀剣っていいよねw

刃物が怖いからといって、モーニングスターを持ち出してエグイことをするハプスブルク先生もだしたかったなぁ、と悔やむ処女作?でした

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