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第2352話
ab-pro
投稿日: 2005/09/29(木) 23:05:19 ID:xN1r1ulo
「キッチョム兄さん!」
「おお、我が弟、カンコ!」
そう言って、兄弟の絆を確かめ合うために、涙を流しながら抱き合う二人の
姿は、端から見れば目を背けたくなるような異様さですが、そんな他人の視線
があったとしても、今の二人にはまったくおかまいない事でしょう。
ここはキッチョム君の家。
どういう訳かカンコ君はここのところ毎日のようにキッチョム君の家に遊び
に来ては、キッチョム家が地球町に誇る演劇・「アリラン」を見て、上のよう
な光景を繰り返しているのです。
「やっぱり、ニッテイをコテンパンにやっつけた、ウリのアボジは偉大ニダ」
「ウリナラは偉大ニダ。ウリナラマンセー!!」
またひとしきり抱き合う二人。
ですが、
「では、今日の見学料をいただくニダ」
そう言ってキッチョム君が満面の笑みを浮かべて手を差し出すと、カンコ君
は急に渋い顔になりながら、リュック一杯に詰め込んだお菓子をキッチョム君
に差し出します。
「アリランは素晴らしいニダ。でも、毎日こんなにお菓子を取られたら、ウ
リが食べるお菓子がなくなるニダ」
「何を言っているニダ?
アリランは地球町1の演劇ニダ。その見物料がこれだけというのは格安ニダ」
そう言って、リュックを膨らませるお菓子の山を素早く受け取ります。
「でも、キッチョム兄さんの家に来るのも大変ニダ。
アメリーの家の警備員の目も厳しニダ・・・・」
それはそうです。
以前、まさに本家と元祖の戦を繰り広げていたキッチョム君とカンコ君の家で
す。今では直接喧嘩する事もありませんが、まだ二つの家は喧嘩を正式に止めた
わけではないのです。
二つの家の喧嘩を仲裁するために、アメリー家は警備員をカンコ君の家に派遣
しているほどですが、最近急接近するキッチョム君とカンコ君の仲に、アメリー
君もここのところ面白くないようです。
「騙されいるニダ!
アメリーはウリとカンコの仲を引き裂いておきたいニダ。世界一偉大な一族
であるウリとカンコが手を組む事めば、ウリナラが地球町の盟主になる事を知っ
ているからニダ!」
「キッチョム兄さん!!」
「分かったニダ。
チュウゴ君にお願いして、チュウゴ君の敷地を通ってウリの家のハイヤーを無
料でカンコの家に差し向けるニダ。
それに乗って明日からも来るニダ!!」
「・・ウ、ウリナラマンセー!!」
そして、またもや感動の抱擁を重ねる二人。
まあ、ある意味では本当に感動的なシーンですが、キッチョム君はニヤッと笑
いながら言葉を続けます。
「・・・だから、明日もお菓子を持ってくるニダ」
「分かったニダ!!」
こうして、二人の熱い抱擁は、まだ暫く続きそうです。
end
ニュースソースは
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/09/25/20050925000030.html
と、その前後の日付の各韓国の新聞と東京新聞。
ここのところ毎日のように南北直行の航空便が「アリラン祭(日帝の支配からの解
放と北朝鮮建国をテーマにしているマスゲーム)」観光の韓国人を運んでいるそうで
すが、二泊三日で100万ウォンを超える高額な料金に、当初予定されていた1万人
前後の観光客の数が減りそうだと予想されると、北朝鮮は北京−平壌間に料金無料の
臨時航空便の運行を決定。
来月中旬まで観光客獲得に頑張るようです。
しかし、その金で北朝鮮がフランカーでも購入するのでは?と心配してしまうのは
私だけではないはず・・・・
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