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第2395話 シェロ 投稿日: 2005/11/22(火) 21:48:21 ID:+HPHwdWz
「大艦巨砲主義」

きんこんかんこーん

休み時間を知らせるチャイムがなると、少年達は連れ立ってある場所へ行きます。
そこは女人禁制、男だけの聖地。この世界で己の器をさらけ出せる数少ない場所。
共に己を晒すことで、彼らはさらに仲を深めていくのです。
そう、男子トイレに共に行くことは、少年達の友情の証。

しかし、その一方で行われる行為は、自分がどれだけ優れているかを競いあうこと。
自分の存在を誇示し、矮小なものをあざ笑い、屈服させる行為。
友情を深め合う中に潜む、プライドをかけた男だけの戦い。いわばP−1グランプリ。

そして今まさに、五人の少年達の間で世紀の戦いが幕を開けようとしていました。

5人並んで、便器に向かいます。
便器との距離と自信の大きさは反比例するという精神物理学的法則に基づき、少年達はスタンスを決めます。
別にいいんですけどお前ら掃除する人のこともちょっとは考えてください。

さて、胸を張って一歩離れて用を足すのはアメリー君。
惜しげもなくその荒鷲を羽ばたかせるその姿は、まさにセイキ末覇者裸王。
『俺にかなうやつなんかどこにもいねぇよ』と言わんばかりに周りを見渡します。

その姿を見てニヤリと笑うのはブラジー君。
自堕落な生活をやめ、アメリー君とともにトレーニングに励んだ成果をどうだとばかりに見せています。
思わずアメリー君もヒュゥと口笛を吹きました。

それを鼻で笑ったロシアノビッチ君。
腰を突き出し、かつて東の横綱の異名を持った自慢の逸品をひけらかします。
彼の実家が寒いせいで縮こまっていましたが、ウォッカを流し込んで体温を上げることで
徐々にその栄光を取り戻してきているのです。

クックックッと笑うチューゴ君。
両手を大きく広げ、我の生き様を見よとばかりに小皇帝を露にしました。アメリー君は眉をひそめます。
連綿と続く名家の歴史ともいえるその勇姿は、アジア町の盟主たらんという鉄の意志を持って
鍛え上げられたものなのかも知れません。

そんな4人を見てため息をつき、我関せずと用を足すのはイン堂君。
しかし、この戦場にいて一人傍観者たることはできないのです。
一足先に用を足し終えたアメリー君が、ニヤニヤと笑いながらイン堂君に近づきます。
「や、やめろよ!」イン堂君は抵抗しますが、アメリー君はやめる気など毛頭ありません。
戦場に来た以上闘わなければならないのだという哲学のもとに、イン堂君を引っ張ります。
その力に思わずイン堂君がよろめいたそのとき。

そこにいたのは、破壊神シヴァ。


一同息を呑み、言葉に詰まりました。

地球町の隠れた俊才であるイン堂君。その知識に基づいた科学的トレーニングによって、
昔の彼では想像もできないほどの成長を遂げていたのです。

そう、少年は誰しも、一皮剥けて大きくなる時がくるのです。

解説 シェロ 投稿日: 2005/11/22(火) 21:52:49 ID:+HPHwdWz
解説
インドは巨象

ウソです。
BRICs各国の好況の理由
ブラジル:財政引き締めとインフラ整備、アメリカ経済との連動。
ロシア:石油価格高騰効果。
中国:好調な製造業。鉄鋼とか。
インド:IT産業。

そんな感じです。

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