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第2480話 黄 色 い リ ボ ン  ◆JBaU1YC3sE 投稿日: 2006/01/05(木) 23:36:27 ID:sLTC2BOU
  「 マネーウォーズはスマートに 」
 ウヨ君が校庭を歩いていると、5年生が何人かで話しているところに出くわしました。
 ちょうど、日之本家が昔ロシアノ家を破ったことを話しているようです。
 フランソワーズちゃんがエリザベスちゃんに言いました。
「あの時はお宅の祖先が賢かったわ。日之本家があれほど圧勝するとはね。
 ウチがロシアノ家に貸したお金は貸し倒れですもの」
「まあね。それでも、我がビクトリア家からお金を貸してもらえるのですから、
 日之本家には家の収入を借金の抵当に入れていただいたそうよ」
「お宅らしい抜け目の無さね」
「あら、日之本家には十分特別サービスしましたわ。両家の格の違いを考えたら、
 まず家計を押さえさせていただいてから、お金を渡すのが本来の取引の形ですけど」
(な!何を言っているんですか?エリザベスさん)
 あまりの驚きに、ウヨ君はその言葉を口に出すことが出来ませんでした。
 フランソワーズちゃんはいたずらっぽく聞きました。
「もし日之本家が危なくなったら、貸し倒れサービスってことになっていたかもよ」
「そんなことを許す我がビクトリア家ではありませんわ。
 たとえ食事を削ってでも、貸したお金は利子も揃えてちゃんと返してもらいますわ」
(そんな!)
 ウヨ君はズボンの裾をギュっと掴んだまま、目を見開いて立ち尽くしていました。
 そんなウヨ君にかまわず、フランソワーズちゃんも冷たい笑いを浮かべて話し続けます。
「相変わらずスマートフルね。どっちに転んでも損はしないってわけ?
 お宅の禿鷹振りにはかないませんわ。ウフフ」
「無理しちゃって。我が家と組んでいれば、お宅にもリターンがあったはずよ。
 お蔭様でウチの方は十分なものがありましたわ。フフフ」
 ウヨ君の心の中で、何かが大きな音を立てて崩れていきました。
(も、もう聞きたくないよ・・・こんな話)
 そんなウヨ君の両肩に、誰かの暖かい手がそっと後ろから。紫苑ちゃんでした。
「ちょっと、止しなさいよ。ウヨ君はこういう話苦手なんだから」
 エリザベスちゃんは少し慌てました。
「あ、やだ、少しばかりきつい言い方でしたけど、むしろ、
 それ程の要求をしてもいいくらい、日之本家を助けたってことですわ」
 しかしフランソワーズちゃんは、紫苑ちゃんを見て薄笑いを浮かべました。
「紫苑、一番こういう話が似合うのはあなたじゃなくって?
 幾度私達とおいしい思いを共にしてきたことやら。
 あの頃は家無き子だったのに、今は優しいお嬢様を気取るつもり?」
「今なんて言ったの」
 紫苑ちゃんの背後に蒼い炎が揺らめいて見えたその時、
 ウヨ君が初めて言葉を発しました。
「そんな言い方は止めてください。
 紫苑さんのお祖父さんは、うちのお祖父さんの恩人なんです」
「え、そうなの?」
 紫苑ちゃんの方が驚きました。ウヨ君は笑顔を取り戻して紫苑ちゃんを見上げました。
「あの時はとても助かったと聞いています。やっぱり紫苑さんも優しいんですね」
「べ、別にそんなこと・・・」
 おや?紫苑ちゃん、いつになく照れています。
 するとエリザベスちゃんが黙っていませんでした。
「ウヨ君、だったら我がビクトリア家にも感謝していただいてますわね?」
「え!あ、も、もちろん感謝しています」
「町内で、 い ち ば ん よ ね ?」
「はう!い、一番とかそういう言い方は、と、とても感謝しています」
 キーンコーン、カーンコーン・・・・
「あ!もう3年生の教室に戻らなきゃ!じゃあ失礼しまあす!」
 ウヨ君は脱兎のごとく走り去りました。
「もう、ウヨ君たら!」
 エリザベスちゃんは、少し離れていたニホンちゃんに駆け寄りました。
「念のためお聞きしますけど、一番感謝していただいてますわよね?」
「はうっ」

 その翌日、ウヨ君が3年生の教室に入ると、みんなの視線がウヨ君に集中しました。
「なに?どうかした?」
 キウィちゃんがニヤニヤしながらいいました。
「ウヨ君やるじゃない。上級生2人も落としちゃったの?」
「え、何の話?」
 ウヨ君が自分の机を見てみると、そこには2本のお花がおいてありました。
 添えられているカードから、それが紫苑ちゃんとエリザベスちゃんからのものと
 わかります。チョゴリちゃんが言いました。
「これには裏があるニダ!金持ち同士何か企んでいるニダ。真に受けちゃダメニダ!」
 ラスカちゃんが意外な顔をしています。
「ウヨ君、あたしの家抜きに人と付き合うこともあるんだ」
 するとキウィちゃんがラスカちゃんに耳打ちしました。
「でもこの2人は、あたし達の家と一番お付き合いしてるお姉ちゃん達よ。
 同級生同士だけでなくウヨ君とも付き合っておいても、
 先々安心だってことじゃない?」
 今度はヨハネ君が、ウヨ君とみんなの間に割って入りました。
「皆さん目を覚ましてください。人間の心の一番奥にあるものは何でしょうか。
 永遠に善なる魂です!今は感謝の心こそ、呼び起こされるべきなのです」
「そうだね!」ウヨ君はヨハネ君と微笑みを交わしました。
「やっぱり嬉しいや。2人とも今度家に招待して、お汁粉でもご馳走しよう」
 そこへハプスブルグ先生がやってきました。
「それでいいのよ、ウヨ君。疑ってばかりでは誰ともお友達になれないわ。
 自分のハートで、思惑も立場も乗り越えるほど迫っていけばいいのよ。
 さあ、みんな席に着いて。授業を始めるわよ〜」
   おしまい

解説 解 説 投稿日: 2006/01/05(木) 23:44:07 ID:sLTC2BOU
日露戦争と国債
http://www.nri.co.jp/opinion/chitekishisan/2005/pdf/cs20050402.pdf
煙草と塩の専売制度は、外国に担保として渡すため生まれました。
http://www.kantei.go.jp/jp/gyokaku/1006kiki2-besi.html (少し下の別紙2から)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%A9#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E3.81.AB.E3.81.8A.E3.81.91.E3.82.8B.E5.A1.A9.E3.81.AE.E5.B0.82.E5.A3.B2
高橋是清の奮闘
http://blog.mag2.com/m/log/0000139973/106187140?page=1
帝政ロシアとユダヤ人
http://www.myrtos.co.jp/index.html?url=http://www.myrtos.co.jp/magazine/200302/shilony66.html
昭和天皇からイスラエル歴代大使への感謝のお言葉
http://www.myrtos.co.jp/index.html?url=http://www.myrtos.co.jp/magazine/200510/kase82.html
シフについての本が刊行されました。「日露戦争に投資した男」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106101432/250-4480519-8721857
シフがイギリス人の銀行家に「管理人を日本に派遣せず、名前だけの抵当とした場合、
万一抵当権を実行する時はどうするのか」と聞いたところ、
イギリス人は「軍艦!」と答えてシフを納得させたとか。
そして日本の勝利の後に、そのイギリス人は高橋にそれを打ち明けたそうです。
高橋是清伝よりhttp://www.bk1.co.jp/product/1430526
大戦後、チャーチルが吉田首相と岸首相に対し、
「日英同盟を切ったことは失敗であった」と言ったことが、お花の根拠です。
「戦史に見るリーダーシップの条件」山梨勝之進提督 著 より
お花の本気度がどれくらいなのかは、皆さんで謎解きと言うことでw
結婚による同盟で覇者となったハプスブルグ帝国 略史
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/5639/rekishi/hapus.htm
スマートという英単語には、抜け目無いと言う意味があると言われますが、
なかなか実感できないのではないでしょうか。ユーロ班が野獣の頭を持っているのに、
日之本家はペットの頭で付き合いを考えてきたのかな?と思います。

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