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第2494話 マンセー名無しさん 投稿日: 2006/02/14(火) 11:45:50 ID:oqjmgUW3
「Adam's Apple」

〜林檎を食べると歯茎から血が出るだろう?
           それはこれが、悪魔の実だからだ〜
             (Kogure, Demon. B.C.98038〜)
しゃりりっっ。
さわやかな音を立てて、ニホンちゃんがかじる林檎。
「あは、アメリー君ちの林檎っていつも美味しいねえ」
顔をキラキラさせて、嬉しそうに笑う。
俺んちに古くからある木になる林檎。最近さらに甘みが増して、
皆が美味しい美味しい言って食べてる。

皆が食べて残した種は、皆の家で芽を出して、俺んちの林檎は
どんどんどんどん広がっていくんだ。

俺はホクホク顔で家に帰って、外れの林檎の木の下へ行った。

「あ・・・あぁ・・・あぁぁ・・・・・・」
そこで見たのは、林檎の木に絡み取られ、虚ろな目でうめく男。
大方そこらへんを歩いてた旅人だろう。
蠢く幹に巻きつかれて、ずくずくと体液を吸い取られる。
きっとこのまま、全身をこの林檎の木の餌にされて、
彼の存在は忘れられていく。
彼の生命は林檎の木の養分となり、新たな実をつけるための元となるんだ。

まぁ、それも定めといえば定めだろう。
林檎に囚われて逃げられなかった彼が悪いんだから。

昔、この林檎の木は世界を支配する神だったそうだ。
人々はこれを崇め奉り、その恵みを受けて生きていた。
果実がもたらす知恵の力は、人々の文明をさらに高度にしていったという。

そこに現れたもう一つの神。
人々の目の前に異次元の世界を現せる窓を開くその神の力に人々は魅了された。

両雄並び立たず。

林檎と窓の二つの神は激しい戦いを繰り広げ、破れた林檎はわずかながらの信奉者と共に、
細々と生きることを強いられた。
そのまま、忘れられていく存在だったのだろう。

その林檎が、新たな力を知ったのは、
世界を旅する吟遊詩人を捕らえて喰らったときだった。

世界を歩き、見て回った男の知識を、経験を、その歌声を吸い取り、
実らせた果実。

一口食べればたちまち夢の中、二口食べれば心が躍りだす。
人々を快楽の渦に飲み込むその果実、再び人々の心をとらえるには十分すぎた。

知識を与える窓の神、快楽を司る林檎。
神の勢力図は、その形を変えつつある。

林檎をもぎ取って、かりりとかじる。舌の上に広がる甘酸っぱい香り。
悪魔の果実と言われる時もあるらしいが、別に構うことなんてない。
悪魔も神も、その場その場のカテゴライズに過ぎない、ただの記号だから。
俺らをいい気持ちにさせてくれれば、それでいいんだから。

解説 マンセー名無しさん 投稿日: 2006/02/14(火) 11:50:24 ID:oqjmgUW3
Microsoft vs Apple
ウィンドウズにシェアを奪われたマック。
ウォークマンが君臨する携帯音楽プレーヤー市場に
ipodを投入し、市場を大きく塗り替え、トップを奪い取る。

現在Apple社の収益のメインとなっているのは、ipodと音楽配信事業。


てのをネタにしてみたけれど、難しいな。

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