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第2527話
U-33 ◆JOCEixq6zU
投稿日: 2006/06/20(火) 20:11:42 ID:rDGBgd8k
『フィンガーボウル』
今日はエリザベスちゃんのお誕生日。クラスのみんなを招いてお食事会が開かれています。
お料理がおいしくないと定評のあるエリザベス家ですが、さすがに特別な日のメニューは別格、
みんな楽しく談笑しながら、出されたお皿を次々に平らげていきます。
コースも最後になり、フルーツの盛り合わせのお皿、そして手についた果汁を洗うお水の入った
フィンガーボウルがテーブルに出されました。
クラスメイトの一人のクーロイ君が、フィンガーボウルを手にとりました。
「ちょうどのどが乾いたところだったんだ」
彼は、飲み物と勘違いしてフィンガーボウルの水を飲んでしまいました。
「まずいよ。あの子、フィンガーボウルを飲み物と間違えてる」
その場に気まずい空気が流れました。
その時です。エリザベスちゃんが、おもむろに自分の前のフィンガーボウルを手にとりました。
そしてそれを口につけるとごくりと飲んだのです。
それを見て、みんなも一斉にフィンガーボウルの水を飲みました。
「これは、手を洗う水じゃないニカ。みんな、それを飲んでるとはなんと無作法な……」
そういいかけたカンコ君の足ををチョゴリちゃんが思い切りけとばしました。
「アイゴー、何するニカ」
すかさず、ニホンちゃんがカンコ君に耳打ちしました。
「あれはね、お客様に恥をかかせないための気配りなの。カンコ君、空気を読んでね」
そしてエリザベスちゃんは、執事を呼んで命じました。
「あら、手を拭くものがないようね。セバスチャン、皆さんにおしぼりをお持ちして」
なんとも心憎い一言です。
ニホンちゃんに説明されて事情を呑み込んだカンコ君は、
「ううむ。さすがはウリの家をルーツとするエリザベス家。ウリと同じでセンスがいいニダ」
と、いささか斜め上の感動のしかたをしています。
「感動するのはいいんだけど……」
ニホンちゃんは、出されたおしぼりの袋をパーンと音をたてて勢いよく破り、顔や襟首をごしごし
拭いているカンコ君を見て思いました。
「エリザベスちゃん、カンコ君へのフォローにも困ってるんじゃないかな」
解説
U-33 ◆JOCEixq6zU
投稿日: 2006/06/20(火) 20:13:16 ID:rDGBgd8k
(ソース)
よーしパパ、新人さんに便乗してエリザベスネタやっちゃうぞ。というわけで、
エリザベス女王の心配り
http://www.bijin-no-osahou.com/iihanasi.html#QUEEN
この話、エリザベス1世の逸話との説が多いようですが、ビクトリア女王だとかオランダの女王だという
説もあるようです。
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