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第2537話 憂国@名無し 投稿日: 2006/07/01(土) 08:38:38 ID:AbkL+JEw
題名:「鉄男おじさんの時代」
 ある冬の日地球町の子供会では、ロシアノビッチ君の家の庭にあるウラル山で耐寒登山を行うことになりました。
引率者は、バチカンおじさん、サヨックおじさん、参加者は、ロシアノビッチ君、ヨハネ君、トル子ちゃん、ネシアちゃん、ニホンちゃん、ウヨ君、アサヒちゃん、シャミンちゃん、タイワンちゃん、チューゴ君、カンコ君です。
参加者全員、日帰り登山の予定だったので、みんな昼ごはんのお弁当のみを持って山に入ったのでした。
ですが、引率者が引率者だったので、お約束通りウラル山の冬の吹雪に巻き込まれパーティは、遭難してしまいました。
散々山の中を徘徊して、ようやくのことで山小屋を発見しました。
バチカンさん「神のご加護です。あの山小屋に避難しましょう。」
といってみんなで山小屋に避難しました。お昼ごはんは、山小屋で食べて、吹雪が収まると下山しようということになり、みんな山小屋にいます。
・・・・・・・つづく
「鉄男おじさんの時代」〜2
ですが、吹雪は全然おさまる気配がありません。だんだんみんなのお腹も減ってきました。
ニホンちゃん「あ〜、お腹がすいたよぅ〜。」
そこで、バチカンさんは、言いました。
「神様にパンをくださいとお祈りしましょう。」
バチカンさん&ヨハネ君、ロシアノビッチ君「天にまします我らが神よ・・・・・・」
その横で、トル子ちゃんとネシアちゃんは、「あっち」の方角を向いて体を投げ出すようにしてお祈りしています。
ニホンちゃんとウヨ君は、二礼二拍手一礼を行っています。
それを見た、サヨックおじさん、アサヒちゃん、シャミンちゃんは「軍国主義の復活だ。軍靴の足音が聞こえる〜。」と大騒ぎです。
(なにやってんだこいつら・・・・・汗)Byヨハネの心の声
そんな中、タイワンちゃんの大声が響きました。
「あ〜、神様が笑ってるからお願いきいてくれないよー。」
そこで登場チューゴ君「何、タイワン、ココは、朕に任せるアル。」
チューゴ君とタイワンちゃんは線香をたいて何かやっているようです。
これも、神様へのお願いの儀式なんですかね。
「アイヤー、神様怒ってるアル。朕の願いを聞いてくれないアル。」
(ダメジャン)Byヨハネの心の声
「ウリの出番が無いニダ」Byカンコ君
このメンバーでは全く収拾がつきません。(笑)
その時、サヨックおじさんが立ち上がりました。
・・・・・・・・つづく



サヨックおじさん「存在しない神様にお願いしてもパンなど出てくる訳が無いだろう。」
さすが筋金入りのマル教信者、でも、言っている事は微妙にまともかも知れません。サヨックおじさんは言葉を続けました。
「ここは、ロシアビッチ君の家じゃないか。ロシアビッチ君のおじさんの鉄男さんにお願いするのが筋だろう。」
確かに、そうかも知れません。大声で騒げば、もしかしたら、鉄男おじさんに聞こえるかもしれません。
そこで、アサヒちゃんがいいました。「せーので、鉄男おじさんにお願いしてみましょう。せーの。」
みんな「鉄男おじさーん、お腹すいたよー、パンくださーい。」
・・・・・・つづく
「鉄男おじさんの時代」〜3
それから一時間後、空からヘリコプターの爆音と大音量の「いんたーなしょなる」が流れてきました。
驚いた子供たちは、避難していた山小屋から飛び出して空を見上げます。
空には、鉄男おじさんの乗ったヘリコプターがパンを満載にして飛んでいるではありませんか。
作者注(当然あの山小屋には盗聴器が仕掛けられていました。)
鉄男おじさんは「困っている子供たちを助けるのは私の義務だ。さあ、このパンをお食べ。そして無事に家に帰るのだよ。と言いました。
遭難していた子供たちや、約2名の大人は口々にお礼を言っていました。
特に、アサヒちゃん、サヨックおじさん、シャミンちゃんは、「鉄男おじさんバンザーイ」とまで言って大騒ぎをしていました。
そこで登場、我らがカンコ君。
・・・・・・つづく
「鉄男おじさんの時代」〜4
カンコ君「やあ、ファンファン大佐、助かったニダ。ウリナラは半万年前からお腹をすかしていたニダヨ。」
おぃおぃそれはちょっと違うんでないかい、カンコ君。
・・・・・なっ、ファンファン大佐、このガキャー、絶対、シベリアに送ちゃる、鉄男おじさんは、目元がピクピク状態です。
状況が読めないカンコ君、「今日は助けてもらってありがたいニダ。本来なら、ニホンに謝罪と賠償を要求するところニダがヤメにしておいてやるニダ。」
ニホンちゃん「え〜、カンコ君それは違うよぅ。何で私が謝罪と賠償をしなければならないのぉ〜。」
カンコ君「サヨックは、お前の家の一族ニダ、と言うことは、全てお前の責任ニダ。そんなことばっかり言うとやっぱり謝罪と賠償を・・・・以下略」
カンコ君とニホンちゃんが言い合っているときに、満面に笑顔を浮かべたファンファン大佐、もとい鉄男おじさんが入ってきました。
「君は、カンコ君ていったけなぁ〜。君は、とっても聡明そうだねぇ。おじさん、一つお願いがあるのだけど聞いてくれるかな?」
「いいニダよ。今日は、助けてもらったお返しに何でもやるニダヨ、ファンファン大佐。」
鉄男おじさんに額には、青筋が浮かんでピクピクしています。でも、そこは、やっぱり、鉄男おじさんは大人です。あくまでも、笑顔を崩さずに、でも、目は逝ってますが、
カンコ君に話しかけます。
・・・・・・・つづく
「鉄男おじさんの時代」〜5
鉄男おじさん「おじさんはすごく忙しいのだよ。わかるねカンコ君。」
カンコ君「うん、わかるニダ。確かにおじさん忙しいニダネ。」
(忙しい人が、自らパンを持って山小屋に来るのかねぇー。By作者)
(作者め、つまらんことを言いやがって、後でシベリアに・・・・。By鉄男おじさん)
鉄男おじさん「そこで、聡明なるカンコ君にお願いがあるわけだ。ロシアビッチ家には、シベリア庭という庭があるのだけれど、そこに生えている杉の木の数をおじさんの代わりに数えてきてくれないかなー。」
カンコ君「いいニダ、ウリは、半万年前からやってきたことニダ、ウリナラマンセー」
(おぃおぃカンコ君、そりゃ違うやろ。By作者)
鉄男おじさん「じゃあ、おじさんと一緒にいこうか。」といってカンコ君は、鉄男おじさんと一緒にヘリコプターに乗り込みました。そして鉄男おじさんは「地球町の良い子のみんなは、早く家に帰るのだよ。」と言って去っていきました。
それを見てロシアビッチ君がつぶやきました。「カンコ、うちのシベリア庭がどれだけ広いかわかっているのかなー。しかも今、冬だぜ。」
一方のカンコ君は、「1、2、3、・・・・98,99,100、・・・・998,999,1000・・・まだ終わらないニダ。いつになったら終わるニダカ?、終わったらニホンに謝罪と賠償を・・・・以下略。」
そして、その日、ロシアビッチ家のシベリア庭にカンコ君の「アイゴー!!」という叫び声が響き渡りましたとさ。
おしまい

解説 憂国@名無し 投稿日: 2006/07/01(土) 10:22:41 ID:AbkL+JEw
スターリン時代のソビエト逸話で、神様にパンをくださいと祈ってもパンが出てこないのにスターリンの名前を唱えたらトラックいっぱいのパンが届いたと言う話が元ネタです。
ただ、スターリン時代は、一方で独裁的警察国家、シベリア送り等に象徴されるような暗い時代でもありました。
作者的には、今回の登山パーティの中で真っ先に送られそうなのはカンコ君のような気がしたのでカンコ君に逝って貰いました。
あと、鉄男おじさんのことをカンコ君がファンファン大佐と呼ぶのは、ウィッキーさんの岡田真澄さんの項目のリンク先になぜか、スターリンの名前があったところから参考にさせていただきました。
今回は思ってたよりも長くなって疲れました。
駄文スマソ

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