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第2595話 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2006/09/08(金) 20:23:08 ID:yYi880Gb
『ごめんね』

「痛ーい」
「アイタタ」
 ある日のこと、
 廊下の曲がり角で、ニホンちゃんとチューゴ君が鉢合わせをしてしまいました。
 ニホンちゃんが思わず、
「あ、ごめんね」
 と言ったとたん、チューゴ君は、
「アイヤー、お前が悪いアル。謝罪アル。賠償アル」
 と猛烈な勢いでまくしたてました。
「ん、もう。あなたもよそ見してたんだから、その言い方はないでしょ」
 と言い返すニホンちゃんに、チューゴ君はなおも声を荒げるのでした。
「今『ごめん』と言ったアル。ニホンは罪を認めたアル」

「チューゴ君ってひどいわ。ぶつかったらお互いに謝ったらいいと思ったのに」
 ニホンちゃんはその日一日、不愉快な気分でした。

「痛ーい」
「アイタタ」
 数日後、
 廊下の曲がり角で、ニホンちゃんとタイワンちゃんが鉢合わせをしてしまいました。
 ニホンちゃんが思わず、
「あ、ごめんね」
 と言うと、すかさずタイワンちゃんも言葉を返しました。
「私こそごめんね。大丈夫?」
 それを聞いたとたん、ニホンちゃんはタイワンちゃんに抱きついて、涙声で言いました。
「タイワンちゃーん。あなたってほんんんっとにいい子ね」
 タイワンちゃんは、びっくりして、ニホンちゃんを不思議そうな目で見るのでした。
「ニホンちゃん、目をうるうるさせてどうしたの」

解説 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2006/09/08(金) 20:23:55 ID:yYi880Gb
(ソース)
<産経新聞>【外信コラム】台湾有情 「対不起」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/gaishin/18290/

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