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第2606話 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2006/10/08(日) 13:06:15 ID:0NnesRyV
『キムチは作れるの?』

 ニホンちゃんたちが地球小学校に入学したときのお話です。
 入学式が終って、はじめて教室に入ったニホンちゃんは、隣の席に座った女の子に声をかけました。
「こんにちは、わたし日ノ本さくら。仲良くしてね」
「うん、お友だちになろうね。わたしは美麗っていうの。タイワンって呼んでね」
 ニホンちゃんは、いろんなお話をしたいと思いましたが、その子のことをあまり知らないので、何を
話題にしていいか分かりませんでした。そこで、うろおぼえの知識で話しかけました。
「タイワンちゃんって、たしかあそこに座ってるチューゴ君と同じおうちの子なんだよね」
「えー、全然ちがうわよ」
 すごい勢いで否定されてしまったので、まずいと思ったニホンちゃんは話題を変えました。
「あ、そうだ。タイワンちゃんのおうちって、いつもキムチを食べてるんだよね。あなたも作れるの?」
「ひどーい」
 その言葉を聞いたとたん、タイワンちゃんは、目に涙をいっぱい溜めて走り去ってしまいました。

 その日、タイワンちゃんは、しょんぼりとうなだれておうちに帰りました。
「せっかくお友だちになれそうだと思ったのに、なんてひどいことを言うんだろう」
 でも、しばらく考えているうちに、タイワンちゃんは思い直しました。
「ニホンちゃんはいい子みたいだし、あんなことを言ったのも、わたしをいじめようとしたんじゃなくて、
本当に何も知らなかっただけなのね。だったら、こっちから教えてあげなくちゃ」

 次の日、登校してきたニホンちゃんに、タイワンちゃんはこう言いました。
「ねえ、ニホンちゃん。わたしのおうちのこと、おうちに伝わるお話とか食べ物のことを教えてあげるよ」
 ニホンちゃんとタイワンちゃんが親友になったのは、それがきっかけだったのです。

(ソース)
「本当の台湾知って」 青森日台交流会
http://mytown.asahi.com/aomori/news.php?k_id=02000000610060004

(蛇足)
ニホン「ねえアサヒちゃん。これ、ほんとにアサヒちゃんが書いた記事なの?」
アサヒ「か、勘違いしないでね。べ、別にいい話だなんて思って書いたわけじゃないんだからね」

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