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第2618話
ゆーじ
投稿日: 2006/10/22(日) 20:16:47 ID:yCZOT4ew
「遠くても、遠くても」
「あうう〜、やめてよ〜追いかけないでよ〜」
「Bow wow!!」
アメリー君のお庭に落としたボールをとりに行ったニホンちゃん、ボールを見つけていないのに大きな番犬に見つかってしまいました。
「ど、どうしよう。こことここは行き止まりだしまっすぐ行くと確か・・・」
アメリー君のお庭の隅の小さな小さな一角は、アメリー君もうかつに近寄れないほどとても怖い人が住んでいると聞きました。
でも、このまま立ち止まっていたら大きな犬に噛まれてしまうかもしれません。
「だ、誰かー!助けてください!!」
その時でした、
「お前、日本家の、娘か?」
浅黒い肌をした眼光の鋭い男の人が飛び出してきました。
男の人が番犬を一睨みすると、犬は尻尾を巻いて逃げていきます。
「あの、助かりました!有難うございます!」
「気にするな、日本家の人間、私たちの兄弟、肌の色、自然を愛する心、同じ」
男の人の身なりは粗末ですが、話しかけてくる言葉はとても温かでした。
「付いてこい、犬いない抜け道、兄弟の娘、教えよう」
男の人は先に立って歩いていきます
見れば庭の片隅には小さな小屋があって子供たちが首飾りを作ったりおばあさんにお話をねだったりしています
アメリー君が言うような乱暴で怖い人などどこにもいません。
「アメリー君はここの人のことを悪く言っていたけど、何でかな。この人たちは何でこんなに狭いところに住んでいるんだろう」
アメリー君は大切な友達です、でもお兄さんもとてもいい人です。考えれば考えるほどわからなくなってニホンちゃんの目には涙があふれてきます。
「この柵の間から、道に出ろ、裏口が近い。」
「あの、お兄さん。お兄さんはどうしてアメリー君たちと仲が悪いんですか?」
男の人は少し考えてから言いました
「この家は、昔私たちの家、あの一家、後から家を建てた、家をなくして私の祖父たちは苦しくなった、だから戦った、そして大勢が死んだ、彼らも、私たちも」
「彼らに、私たちの家を、荒らして欲しくない、だから、追い返す、けれど、兄弟は別だ」
「どうして別なんですか?私もアメリー君の友達ですごく仲がいいのに。嫌じゃないんですか。」
「なぜ、嫌う?兄弟が、私たちを、傷つけたことが、あるか?」
ニホンちゃんは黙って首を振ります。
「兄弟は、私たちの誇りだ。また家族を連れて、遊びに来い、私の、母親が会いたがっている」
「お母さんが?」
「北の娘に、よろしくと、伝えてくれ。あの子の踊りは、病気で死んだ、母の妹と似ている、すぐにつっかえるところが。」
ニホンちゃんは裏口に向かって走りながら、一度だけ振り返りました。
白々と光る柵の向こうで、お兄さんと小さな子供たちが大きく手を振って笑いる姿がちらりと見えました。
解説
ゆーじ
投稿日: 2006/10/22(日) 21:15:36 ID:yCZOT4ew
・・・・いとふゆ
うーん、初投稿とはいえ拙い文章ですみません。まだまだ、精進しなければと思いました。
元ネタは「石と宝石の不思議な話」(うろ覚え)にあった、日本人の鉱物学者の実話から。
アメリカで調査中に警察に追いかけられて、ネイティブの人たちに「日本人は同胞だから」と助けてもらって抜け道から逃げ出せたそうです。
ソースがあいまいでごめんなさい、でもいい話だったから一度皆さんに報告したかったんです、はい、動機はそれだけです。
実際、世界の少数民族が集まる会議でアイヌの代表の踊りを見たアメリカ代表が「部族の伝統の舞にそっくりだ」と驚いたそうで。
もしかして、日本人とアメリカ先住民には同じ血統が混ざっているのかもしれないですね。
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