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第2629話
U-33 ◆JOCEixq6zU
投稿日: 2006/11/18(土) 13:06:44 ID:HeVPyiED
『手本は二宮金次郎』
ニホンちゃんがふくれっ面で帰ってきたので、ママが心配して聞きました。
「どうしたの?いじめにでもあったの?」
するとニホンちゃんは意外なことを言いました。
「秋の遠足は中止で、かわりにその日はおうちのお手伝いをして、そのレポートを提出するんだって」
びっくりするママに、ニホンちゃんは学校でのできごとを話しました。
「今度の遠足なんだけど、どこか行きたいところはある?」
とフラメンコ先生が、ホームルームの時間にみんなに聞いたのです。すると、みんなは口々に言いました。
「いろんなお仕事を体験できるテーマパークができたんですって」
「おもしろそう」
「先生、そこにしようよ」
ところが、先生はそれを聞くと、とっても不機嫌な顔になりました。
「貧しくて仕事をしなければならない子がいるのに、入場料を払ってお仕事体験なんて絶対変よ!だったら、
一日おうちの仕事を手伝わせてもらえばいいのよ。そうだ!今年は遠足の代わりそれにしましょう」
実は地球町はたいへんな格差社会で、年収がアメリー家や日ノ本家の数日分にも及ばない家がたくさんあり、
そういう家では子供たちは家の仕事に追われて、学校へ行くのもままならないのです。
先生たちは家庭訪問をしては子供を学校に行かせるよう説得するのですが、なかなか成果が上がらず
落ち込んでいたところだったのでした。
「ね、ひどい話でしょ」
でも、それを聞いたママは言うのでした。
「素晴らしいわ。先生は本当にいいことをおっしゃるのね。そういう体験はとっても大切なことよ」
ママに学校に抗議してもらおうと思っていたニホンちゃんは、あてが外れてしまいました。
数日後のこと、提出されたレポートを見ながら先生が一人一人に講評をしました。
ニホンちゃんのレポートを見た先生は言いました。
「お手伝いをしながら予習をするのはいいんだけど、これだと交通事故にあったりするんじゃないかなあ」
それを聞いたニホンちゃん、いつもはあまり自己主張をしないのですが、今日は先生に食い下がります。
「でも、これが日ノ本家の流儀なんです。パパもママも大絶賛してくれました」
レポートに貼られた写真には、荷物を背負いながら本を読んでいるニホンちゃんが写っていたのでした。
解説
U-33 ◆JOCEixq6zU
投稿日: 2006/11/18(土) 13:07:57 ID:HeVPyiED
(ソース)
お仕事体験テーマパーク「キッザニア」 5日オープン
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/21714/
ODAホームページ 開発教育ハンドブック「ミレニアム開発目標(MDGs)」
目標2.普遍的初等教育の達成
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs/handbook02.pdf
二宮金次郎(開くと音が出ます)
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/ninomiyakinjiro.html
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