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第2676話 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2007/03/04(日) 15:25:32 ID:r6yVodtP
『いい加減にしろカンコ』

 ウヨ君は、幼稚園のときはチョゴリちゃんと大の仲良しで、いつも一緒に遊んでいました。
 けれど遊んで家に帰ってくると、サヨックおじさんやアサヒちゃんがウヨ君を責めるのです。
「あんな暴力じいさんが支配している怖い家の子なんかと遊ぶもんじゃない」
「ウヨはチョゴリちゃんにチューしてもらったから、仲良くしてるんじゃないの」
 と、まるで悪いことをしているような言われようなのです。

 でも、ウヨ君たちが小学校に進む頃になると、カンコ家の羽振りがどんどん良くなってくる一方で、
サヨックおじさんやアサヒちゃんがほめたたえてきたキッチョム君一家が、ひどい暮らしぶりらしい
ということが分かってきて、おじさんたちはいつの間にか黙り込んでしまいました。

 その頃ウヨ君はチョゴリちゃんの家に遊びに行くたびに、家の人にこんな話を聞かされていました。
「そもそも日ノ本家に伝わる美術品は、みんな昔ウリの家が作り方を教えてやったものニダ。なのに
ウリの家に残ってないのは、日ノ本家の連中がやって来てすべて破壊してしまったからニダ」と。
 最初ウヨ君はそれを聞いて、本当に申し訳ないと思っていたのでしたが、そのうちだんだん疑問が
湧いてきました。
「そんなにあとかたもなく壊しつくせるものなのかなあ。それに、僕の家はチョゴリちゃんの家に
悪いことしかしてこなかったんだろうか」

 そこで、ある日チョゴリちゃんの家に遊びに行ったときにウヨ君はそんな疑問を口にしました。
するとそこにいあわせたカンコ君の顔がみるみるキムチ色に紅潮し始めたのです。
「アイゴー!妄言ニダ!謝罪しる!反省しる!」
 理屈も何もありません。ただつばを飛ばして一方的に怒鳴るばかりなのです。あっけにとられていた
ウヨ君は、そのうちだんだん腹が立ってきて、とうとう大声で叫んでしまいました。
「いい加減にしろ!」

 翌日、教室でウヨ君と目が合うと、チョゴリちゃんはプイと顔をそらしてそそくさとその場から
立ち去ってしまいました。
 そんなチョゴリちゃんを見てウヨ君は小声でつぶやきました。
「チョゴリのこと、嫌いになんかなってないよ。今でも好きさ。姉さんの次に……」
 その声がチョゴリちゃんの耳に届いたかどうかは分かりません。

解説 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2007/03/04(日) 15:27:21 ID:r6yVodtP
(解説)
SF作家豊田有恒さんをウヨ君にしてみました。
「日本の次に韓国が好き」という言葉は、『韓国が危ない』(PHP新書)の中に書かれています。
http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-64622-0
http://www.php.co.jp/fun/people/people.php?name=%CB%AD%C5%C4%CD%AD%B9%B1

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