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第2705話 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2007/03/30(金) 00:14:35 ID:Y8ypvSty
『罪なきもの・2007』

「さあ、早く帰って週末のおミサの支度をしなくちゃ」
 おうちへ急ぐヨハネ君の目に、一人の子がおおぜいに取り囲まれているのが見えました。
「あれは放送部の人たちだ。何をしてるんだろう」
 近寄っていくと、どうやらその子はみんなに吊るし上げられていたようなのです。
「どうしたんですか。何かあったんですか」
 とヨハネ君が聞くと、部員の一人が勢い込んで答えました。
「こいつ、この間の校内放送で嘘っぱちをしゃべったんだ。そんなやつは放送部を除名してやるんだ」
「ふうん」
 その答えを聞くとヨハネ君は興味を失ったようにしゃがみこんで、指で地面に何かを書き始めました。
「なんだよ。お前こいつを許せないと思わないのかよ」
 するとヨハネ君は立ち上がって言いました。
「ねえ、この中でいいかげんな放送をしたことがない人からこの子を責めたらいいと思うよ」
 すると部員たちは黙り込み、一人また一人と去っていって、とうとう誰もいなくなってしまいました。

 実は、部員たちは思っていたのです。
「最近、俺たちが嘘ばかり放送しているって先生に睨まれてるから、ここらであんまり嘘が目立った
やつを一人除名にしておけば、風当たりも弱くなるだろう」と。
 でも、どうやら放送部を取り巻く情勢はそんな甘いものではなかったようです。

「それは私たちにも不適切なところはありました。でも、古いチョコレートを溶かして新品として売る
なんてことはしてませんよ。おたくの生徒さんは何の根拠があってそんなでたらめを流すんですか」
 血相を変えたお菓子屋さんが、校長室で校長先生を問い詰めています。
「と、とにかく事実関係をよく調べて善処します」
 校長先生はタジタジになってひたすら弁明しています。
 放送部がまたまたいい加減な放送をしたおかげで、そのとき新たな騒動が持ち上がっていたのです。
 お菓子屋さんが帰っていった後、ぐったり疲れた校長先生は思わずつぶやきました。
「放送部は当分活動停止にすべきかな」
(ソース)
民放連、関テレを除名 あるある捏造問題
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/45058/
みの「朝ズバッ」報道、不二家「事実歪曲ある」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/media/45207/

 以前コテをつける前にアサヒちゃんスレに投稿したものをリメイクしました。

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