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第2734話 黄 色 い リ ボ ン  ◆JBaU1YC3sE 投稿日: 2007/05/02(水) 23:48:42 ID:sHTfxIkD
   「 美女と野獣 」
 ニホンちゃんとエリザベスちゃんが並んで歩いています。
 エリザベスちゃんの手にはお菓子の箱が。
「ニホンちゃんの家に着いたら早く食べましょうね」
「うん、ウチにも柏餅があるから甘いものパーティーよ」
 二人が曲がり角にさしかかると、誰かが走ってくる足音が聞こえてきました。
 曲がり角から飛び出してきたのはアメリー君です。
 ぶつかりそうになってよけるニホンちゃん達。
 でもアメリー君の鞄がニホンちゃんの足に当たりました。
「ちょっと!アメリーくんたら」
 しかしアメリー君は立ち止まりもせず言いました。
「今度から気をつけてねニホンちゃん、今急いでるから」
 そのまま走り去るアメリー君。ニホンちゃん納得いきません。
「え?何でそうなるのよ」
「まあまあ落ち着いてニホンちゃん。お菓子は無事よ」
「エリザベスちゃんさすがだね、しっかり避けてたんだ」
「だって走ってきたのがアメリーだったんですもの」
 ニホンちゃんは俯いて呟きました。
「ねえエリザベスちゃん、聞いてもいいかな」
「あら、何でしょう」
「エリザベスちゃんはアメリー君と付き合うの、疲れる時って無いの?」
 エリザベスちゃんは含み笑いを浮かべました。
「確かにね、アメリーって、けだものみたいだから」
「え!け、けだもの?」
 驚くニホンちゃんをよそに、エリザベスちゃんは笑いを浮かべながら言いました。
「だってそうじゃない。人の言うことは聞かない、ボスになりたがる、
 馬鹿力で誰も逆らえない、少しは考えて行動したらって何回言ってやりたくなったことか」
 つい頷いてしまいます。
「だから普段から、あいつまたやるかなって予想しといた方がいいわ。
 アメリーって、昔からそうよ」
「そうなのよね、私最近困っちゃって。振り回されるっていうか・・・」
「でもね、ニホンちゃん。そんなアメリーでも、
 良い習慣や考え方を、人より早く取り入れている方だっていうのも事実よね」
「ひょっとして、エリザベスちゃんが内緒で教えてあげてるの?」
「まさか。言って聞くような紳士じゃないわ。
 だけどあれでも自分で気が付く時があるのよ」
「そりゃ、あるかもしれないけどさ・・・」
 俯くニホンちゃんを見てエリザベスちゃんは笑いました。
「そんなUFOみたいな言い方しなくてもいいわよ。
 つまりアメリーは自分で気づいたときだけは良いことするって事」
 ニホンちゃんはしばらく言葉を失いました。
「そんな男の気まぐれに付き合って、一々絶交するわけにも行かないでしょ。
 そのうち言うことが変わるんだから、
 向こうから親友面して声かけてくるのを待てばいいのよ」
 ニホンちゃんは目を見開きながら答えました。
「な、なんかエリザベスちゃんて、凄いね」
「馴れかしら。ニホンちゃんもお澄まししてればいいのよ。
 野良猫を飼いならすと思って。ウフフ」

 離れたところで、そんな会話を聞いていたウヨ君は呟きました。
「やっぱりエリザベスさんは違う・・・」
 すると横にいたフランソワーズちゃんが言いました。
「あら、女はみんなああなるのよ」
「ええ!姉さんも?」

   おしまい

解説 解 説 投稿日: 2007/05/02(水) 23:52:17 ID:sHTfxIkD
イギリスのブライスが、幣原喜重郎に語った対米外交
「アメリカ人の歴史を見ると、
 外国に対して相当不正と思われるような行為を犯した例はあります。
 しかし、その不正は、外国からの抗議とか、請求とかによらず、
 アメリカ人自身の発意で、それを矯正しております。
 これはアメリカの歴史が証明するところです。
 われわれは黙ってその時期のくるのを待つべきです」
http://blog.goo.ne.jp/yamakawa21/e/0f15f03960f4382f00a5059d8ec927ed
自民議連、慰安婦問題での訪米を中止
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/48382/
だからといって待つだけでいいとは私も思いません。
他の考え方も書いていきたいと思いますが、
今以上の力があった戦前のイギリスでも、このように考えていたということです。

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