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第2話 放置=ウィン ◆fWnYLnDs 投稿日: 02/05/08 16:17 ID:ZIYzdW0O
【WWFのパロディ版】

今から200年程前。

ユーロ村はナポレオン台風という超大型台風に襲われていました。
その勢いはユーロ村の古い家屋を根こそぎ吹き飛ばし、伝説の
アンゴルモア台風の再来とまで言われました。

その風は遠く離れたアジア町にまでとどき、連日の激しく降る雨は
世界で異変が起こりつつあることを警告していましたが・・・

それに気付くものは、まだ誰もいませんでした。
「うぉーーーーー。サルマタケがたくさん生えてるバーーーイ!!」
アジア町はずれのボロアパート『日本荘』から奇声がします。
声の主はこのボロアパートに住む貧乏学生の徳川博夫(とくがわばくふ)
人畜無害・無芸大食という天性のお人よしです。

彼の住む四畳半の部屋は、連日の雨による湿気でキノコ(サルマダケ)が
大量発生していました。
このキノコを主食とする徳川にとって、この雨はまさに恵みの雨。
「これでラーメンライスの具ができたバイ」
と股間をぼりぼりと掻きながら、嬉々として徳川がキノコをむしりはじめました。

その時です。

コンコン・・・。

彼の運命を変えるドアが静かにノックされました。
ドアを開けるとそこには、雨でずぶ濡れになった美女が立っていました。
ぴったりとした白のドレスシャツは濡れそぼって、肌に張り付いており、
濡れた長い髪がとても。
彼女の名はステファニー=ネーデルランド。
徳川のクラスメイトで、彼に声をかけてくれる数少ない女性の一人でした。
「ス、ステフさん・・・。なんでこんな汚い場所に・・・。」
潤んだ瞳で淋しげなまなざしを向け、ステファニーはポツリといいました。
「帰る場所が・・・ないんです・・・。」
そう、彼女の住むネーデルランド家はナポレオン台風に飲み込まれ、帰るに
帰れない状態なのです。

徳川は無言のままで彼女を部屋に入れると、一夜の宿を提供しました。
「ごめんなさい・・・。」
彼女はそれだけ呟くと、泥のように眠ってしまいました。

こうして、徳川さんとステファニーの短い同棲生活が始まりました。
ナポレオン台風が一過してから、ステファニーは徳川家を後にしました。
彼女は狭い家には慣れていましたが、徳川の部屋はあまりにも狭すぎました。
「どうも、ありがとう。」
それだけ言うと、彼女はにっこりと微笑んで自分の町へと帰っていきました。

それから、数年の時が流・・・。
徳川はユーロ町に半ば脅されて買った商品の借金返済に苦しんでいました。
クーリングオフを求めても、彼らは取り合おうとはしません。
そんな時です。ステファニーが昔のお礼をしたいと申し出てきたのは。
彼女が仲介をして、クーリングオフをしてくれるというのです。
徳川は一張羅の袴に着替えると、嬉々とした足取りでステファニー家に
向かいました。
ステファニー家は台風の前と大きく変わっていました。
チューリップの花が咲く、ささやかだけど明るい日差しが似合った小さな家は、
色とりどりの宝石に飾られた大きな邸宅となっていたのです。
変わっていたのは邸宅だけではありません。
出迎えたステファニーは、白いシャツが似合うどことなく田舎っぽい少女から
黒いドレスを着こなす妖艶な美女に変わっていました。
「久しぶりね。」満面の笑顔で再開を喜ぶステファニーは、家の奥に彼を招くと、
契約書とペンを差し出しました。

それは、彼が騙されたインチキ商品の契約書と全く同じ内容でした。
「こ・・・これは、ステフさん、一体どういうつもりバイ!!」
気色ばむ徳川を軽く笑い、ステファニーは悪びれることなく言いました。
「どういうつもりって・・・私もみんなみたいにお金が欲しいの」
「ニャロ・・・ヒノモト家の男児を舐めたらいかんバイ!!」
「ほう。どうイカンというのかな」
徳川の野太い声が彼の背中でしました。
振り返ると、徳川にインチキ商品を売りつけたユーロ町の愚連隊がニヤニヤ
しながら立っていたのです。


ネーデルランド家の玄関の前に、ボロ雑巾のように横たわる男がいました。
服はボロボロに引き裂かれ、腫れ上がった顔は青あざと鼻血とたんこぶの
三重奏を奏でていました。
「オイドンは・・・オイドンは・・・負けんバイ・・・」
やがて、男は立ち上がると、欠けた歯を食いしばり、涙をぬぐうことなく
よろよろとその場を去って行きました。

解説 放置=ウィン ◆fWnYLnDs 投稿日: 02/05/08 16:31 ID:ZIYzdW0O
【キャラ設定】

ヒノモト=サクラ

デビュー戦でいきなりタイガー=ジェット=シナからアジア王者を奪取し、彼を引退に追い込む
衝撃のデビューを飾る。
普段は身長120cmにも満たない子供だが、バンプアップで170cm50Kgのスーパーボディになることが
できる。ただし、スタミナはない。

キメゼリフ:
If you smell what the SAKURA is cookin'!(SAKURA様の妙技を味わいな!)、
Just bring it!(とっととかかってこい!)
ビクトリア=イングランド

東インド株式会社の女社長。
下品で乱暴なロシアビッチと抗争を繰り広げるが、パートナーのリンダがトリプルBに襲撃されたことで
行き掛かり上、ロシアノビッチと共闘することになる。
シェイン=アメリカーナ

ビクトリアの実子。デビュー当時は野暮ったい感じを馬鹿にされていた。
世界恐慌後は表舞台に顔を出すことはなかったが、WW2で電撃的に復帰。
アラスカなどを買収して驚かせた。
受身の上手さには定評があり、サクラのパールハーバーアタックを見事に受けきった。
スティファニー=ネーデルランド

ビクトリアの愛娘。
リング上にマイクを持って立つだけで、観客から「あばずれ」コールが沸き起こる大物ヒール。
登場当初はアルマダの脅威にさらされる可憐な乙女であったのが、帝国主義体制になってから豹変し、
トリプルBと手を組んでビクトリアと闘うことになる。
リンダ=フランソワ 

ビクトリアのパートナーで、帝国主義の最高経営責任者のビックフォーの一人。
しばしば暴走するビクトリアやスティファニーに歯止めをかける重要な役割をしている。
トリプルB(ベルリン・ビザンティウム・バクダット)

もともとはローマ帝国の末裔というイヤミなキャラクターだった。
ワイマール条約を骨抜きにして、極悪非道のファイトを行い、トップヒールの座を手に入れる。
反ロシアノビッチの陰謀を画策し、血で血を洗う抗争を繰り広げた。

キメゼリフ:I am the GAME and I am that damn good!
(俺様がゲームの王様、俺様が最高の男だ!)
ロマノフ=ロシアノビッチ

どこのグループにも属さず “一匹狼” を続けるスーパースター。
1905年にヒノモトサクラとの試合中に負傷し、しばらく休養を余儀なくされる。
1917年に二度の手術を行い、翌年に復帰。シベリアンコールド・ヨシフ・ヴィサリオノヴィチ・
ジュガシヴィリ(SYVS)と名乗り、サクラを含める全レスラーとシベリア・バトルロイヤルで
対決し、実質的な勝利を収める。
その後はアドルフと共闘していたが、彼の裏切りが原因で決別。まさかの仇敵ビクトリアと同盟し、
サクラに対しても襲撃を行い、ついにはビクトリア・アメリーと「ヤルタトリオ」を結成する。
気に入らない相手は問答無用でぶん殴り、ウォッカを浴びるほど飲むのが大好きな野蛮な性格。
国連会議場でウオッカを飲みまくっていた勇姿は、今でも語り草である。
テロリスト・ボーイズ
世界史登場時は要人を暗殺する行為が非難を浴びていたが、次第に男女問わず、誰彼かまわず被害にあわせることで需要が出て、いつの間にか大人気チームになった。決めワザは爆破攻撃と機関銃乱射
アルマダ=アンダーテイカー

帝国主義最古参選手。
初めて世界チャンピオンになった時に破った相手は、オスマン=トルコだった。
南米進出でブレイクし、胡椒貿易などでその地位を確立。
義理の弟ポルトガ=カインとの抗争劇でメインをしばらく独占していた。
悪の貴族階級ハプスブルグと手を結び、ネーデルランドを誘拐し、欧州の全権掌握を目論むも
ビクトリアに阻まれ、病院送りにされてしまう。
しばらく休養していたが、最近になって復帰し、フランコと改名。不良バイオレンスキャラとして
ナチスドイツと共闘する。

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