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第40話
弓式
投稿日: 02/07/31 11:46 ID:S3uC96F5
Crusader
昔誰だったか、僕に泣き付いてきた。
名前はよく覚えていない。
その人は昔僕の神を冒涜した。僕の神、僕がEU町の人にわたしてあげた人形の事だ。
「そんな人形は神じゃない!神の人形なんか作っては駄目だ!」
みんなは僕たちの神を知らない。だから良かれと作っただけなのに,
なんで僕の気持ちがわからないんだ。もうこんな奴と友達でなんかいられない。
そういって別れた友達。今そいつが僕に頭を下げている。正直いい気味だと思った。
でもなんだか切ない気分だった。
そしてそいつは泣きじゃくってこういった。
「アッラー組の奴に虐められてるんだ助けて!」
確かそれが始まりだった。
この長い長い喧嘩の。
雨が降っていた。アッラー町は雨が少ない。だから水は凄く貴重だ。
よくアッラー町の人が水は天の恵みだと言っていつもなにか手を胸につけて飲んでいた。
今このアッラー町を歩いていてその時の気分がよくわかる。
雨が降らないときは体中がからからになる。そして頭がぼぉとしてくる。
ここいらで水飲まないと危険だ。脱水症状で倒れてしまう。僕も何回か倒れた。
そう雨に感謝していると前から人影が現れた。
トル子「おはよう。今日は良いお天気だね。」
ヨハネ「ええ・・・とても、ここに来て雨の日が良い天気だと思える時もあるのかと、知りました。」
トル子「これで3回目だね。じゃあ始めますね。」
ヨハネ「今回は負けません。主のお導きのままに。」
トル子「ハァッ!」
トル子先輩はいきなりナイフで斬り付けてきました!
しかし僕はそのナイフをまるで何事もなかったかの様に避けます。
そして僕は自分の持っていた。長刀。ゆうは身の丈の3倍はあるかという剣でトル子先輩を斬りかかります
トルコ先輩はそれを小さなナイフで受け止めます、しかしさすがに受けきれないのか後ろへ吹き飛ばされました。
そこにヨ僕の剣が振り落とされます。
ヨハネ「トル子先輩。これでおわりです!」
トル子先輩は絶体絶命の危機に瀕しているはずなのに顔が普段と変わりません。
それどころか笑っているような表情をうかべています。
トル子「ごめん」
トル子先輩はそういうと、なんと僕の剣を白羽取りで受け止めました。
そして一瞬でヨハネ君の首にナイフを突きつけます。
ヨハネ「・・・また負けですか。」
トル子「ごめん。でももう辞めようよこんなこと!もうあれはあの子の嘘だって気付いてるんでしょ!」
そしてトル子先輩はナイフを離しました。
ヨハネ「それはできません、ゴホッ、ウッ!?」
トル子「どうしたの?ヨハネ君!顔が真っ赤。もしかして」
意識が朦朧としてる。トル子先輩がおでこで温度を測っている。温かい。
温かい・・・
トル子「ヨハネ君!?ヨハネ君!!!ヨハネ・・ヨ・・」
頭が冷たい。何だろう?頭に手を当ててみた。なんだかパサパサしてる。
雪?これは雪?ちょっと待ってください。わたしはアッラー町にいたはず、アッラー町に雪なんてない。
眼を開けてみた。そこは家の中だった。ベットに寝ている?
「あれ?起きた?」
声がした。
トル子「おはよう。ヨハネ君!」
ヨハネ「ここは・・・いたた。」
トル子「あ!無理しちゃだめだよ!まだ寝てなきゃ、風邪は長引くと大変なんだぞ。」
ヨハネ「・・・ありがとうございます。貴重な雪を使って。看病してくださって」
トル子「全然いいよぅ。それよりヨハネ君が苦しまなければいいんだよ。それより脇あげて、
体温計いれるから。」
ヨハネ「あ!はい。」
なんだか体が火照っている。風邪の所為でしょうか。
いつもはこんな感じではないのに。
体温計をつけるとしばし沈黙が流れた。
人形?あそこにあるのは?まさか昔僕が作った。
ヨハネ「なんで僕の人形が?あなたのところは人形をつくっちゃいけないんでしょう?あの子と同じで」
トル子「え?これ?だってヨハネ君から貰ったのを簡単に捨てたりしないよ。
それに神は平等、みんなの神様だよ。自分と違うの作ったからって怒ったりしないよう」
ヨハネ「その言葉・・・あの子から聞きたかったですね。」
なんだが温かい。この人といると・・・
そして僕は家に帰りました。
すぐにまた、戦いの準備をします。いつものことです。でも今は・・・
ヨハネ「あんな人と争っていたなんて。」
本当にこの人と戦いつづけなければいけないのでしょうか?本当に戦うべき相手がいるんじゃないか・・・
自分の脳裏に考えてはいけないことが浮かんだ。
いや!だめ、それだけは。
しかし・・このままでいてもトル子先輩と戦いつづけなければならない。一回あの人と会ってみましょうか。
そしてアッラー町に行く前にあの子。ギリシア君に会いに行った。
ギリシア「ヨハネじゃないか?トル子との戦いはてこずっているようじゃないか。これじゃあまた
私が虐められるよ。もっと頑張ってくれよ、私を虐めさせたくないだろう?」
ヨハネ「もう知ってるんです。それはあなたの嘘だってことが。」
ギリシア「ぐっ。なんだ知ってたのか、でもなぁ、考えても見ろあいつさえ倒せば
アッラー町のすべてを我々の者にできるのだぞ。塩も服もトル子もだ。それに・・・」
ヨハネ「今なんていいました!?」
僕は驚いた。この人がそんなこと考えているだなんて。昔のこの人の言動からは考えられなかった。
ヨハネ「そんなこと言う人だったなんて。幻滅です。」
ギリシア「そうか?大体喧嘩に人を助けるなんて利益にもならない物を考えるよりよっぽど現実的だろう?
大体お前もあの女を欲しいと思わないのか?」
ヨハネ「その言動は許せません!!」
僕は激情に駆られた。この人間の全てを憎んだ。今この瞬間だけ。そして気付かないうちに
自分の剣を振り下ろしていた。そしてギリシアさんの肩に剣は突き刺さった。
ギリシア「貴様ぁ!同じ神様を信じる私を斬ろうってのか!?」
ヨハネ「神様に違うも同じもありません。同じか違うかと考えるのはあなただけです!」
ギリシア「ゴホ、詭弁だ。お前は私の金が欲しいんだ、ゴホ神様なんか存在、ゴホ、・ない」
ヨハネ「・・・・・・」
ヨハネ「おはようございます。ウヨさん。どうされたのですか。その顔の傷は?」
ウヨ「カンコにやられた。たくあいつに絶対仕返ししてやる眼には眼を歯には歯を」
ヨハネ「ウヨさんそれは良くありませんよ。左の頬を・・・」
ウヨ「ああ。もういいよ。それは・・・大体なんかしないとあいつは際限なくやってくるじゃないか」
ヨハネ「人に仕返しなどしても面白くありませんよ。主もそれをお認めになるはずです。」
ウヨ「そうかねぇ・・・まいいや今回はやめとこう」
ヨハネ「では一緒に祈りましょう。アーメン」
ウヨ「・・・南無阿弥陀仏」
終わり
解説
弓式
投稿日: 02/07/31 11:58 ID:S3uC96F5
最初のは仏像禁止令の話で
基本的に第三十字軍と第四十字軍が主体です。
トル子がヨハネを看病した話はサラディンがリチャード1世に(病気だっけか?)雪を送った話から出しました。
とりぁえず長いのでこちらに収録。させときます。三毛さんと同じく外伝ですので
まあつっこみは無しで。(・∀・)ニヤニヤ
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