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第14話 有閑工房 投稿日: 2003/09/27(土) 09:29 ID:/AsHhtM6
『はねをやすめて』

夢を見た。穏やかな日差し、シエスタの午後。
遠い記憶、空を横切る飛行機雲。

刺すような日差し、誰かが呼ぶ。甘やかな響きの低い声。

幸せを叫ぶ声は遠い。私は身近にあることを知っている。
遠くから叫び掴み取るものではなく、身近に見つけ感じるもの。

不平不満を漏らす大げさな声。私は言えることが喜びと思う。
幸せは造るものでなく、風のように頬をかすめていくもの。

永遠ではない、一瞬。
掴めない光ではなく、耳にするささやかな音。

見渡す空は遠く高く、風は笑いながら壁も水面もすり抜ける。
帰ろう、いるべき場所へ。見つめ流れゆくままに。


「ベトナ。」
 まどろみに兄さんの顔がある。
「わたし、寝ちゃってた?」
 答えの代りに、微笑みが返ってくる。
「帰ろうか。」
「うん。」
 掴むかいなに笑みを乗せて、わたしはまた立ち上がる。



たまにはソースなしで。

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