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第20話 名無しさん ◆x3A1GrPw 投稿日: 2003/10/11(土) 03:19 ID:jQSgzmLA
                    「当てが外れて」
 カンコ君は部屋の片付けをしていました。彼にしては殊勝ですがオモニに言われ
嫌々やっているのが実情です。
 「何でウリがこんなことしなくちゃいけないニダ」
 ぶつくさ不平を言っています。
 「物置の中なんてどうでもいいニダ。どうせ大事なものなんて一つもないニダ」
 出るわ出るわガラクタが。トンチャモンのビニール人形にテコンVの超合金、ええっと・・・
パワーモンのぬいぐるみ。色々ありますね。
 「ろくなものがないニダ。そもそもこんなことやっても意味がないニダ」
 ところがあるのです。ほら
 「ん?何ニダ」
 出てきたのは一枚の絵。
 「こ、これは・・・・・・」
 それを見てカンコ君の顔色が変わります。同時にある本を見つけました。
 「な、成程・・・・・・」
 それを見てカンコ君二ダリと笑いました。
 「これでニホンをへこませられるニダ」
 次の日登校するや否やカンコ君は真っ先にニホンちゃんのところへ行きました。
 「ニホン、これを見るニダ」
 「?」
 後ろから何かを取り出しました。それは一枚の絵です。
 「あれっ、それって」
 ニホンちゃんの家の昔の絵でした。浮世絵です。
 「あ、これって・・・」
 「ウリの家にあったニダ。そしてこれを読むニダ」
 次に見せたのはカンコ君の家の本でした。
 「えーーっと・・・。ニホンの絵画は精巧でない。そしてウリナラに何の影響も
及ばさなかった。ふーーーん」
 特に表情を変えることなく文章を読んでいます。
 「どうニダ、町中に影響を及ぼしたと言われている浮世絵の評判なぞ所詮こんな
ものニダ」
 得意げに言います。
 「カンコ君家でもそうだったんだ、成程」
 「ニダっ、ウリナラでも!?」
 意外な言葉にカンコ君たじろぎます。
 「実はうちでも浮世絵って大して価値はなかったのよ。ふすまが破けたらそこに
貼っていたし」
 「な、そんな事に?」
 浮世絵が今どんな価値があるかはカンコ君も知っています。その価値を貶める為に
持って来たのに。・・・通じてません。
 「役者さんの絵なんかもあるよ。死んだ時にはプロマイドみたいに出てたし」
 それどころか懐から何枚かの浮世絵を取り出してきました。
 「ダンジューローさんとかね。ほら、こんあのもあるよ」
 「・・・・・・・・・」
 それは今将に腹を切ろうとする絵でした。あまりの凄さに芸術に疎いカンコ君も
唖然としています。
 「こんなのが普通に安売りされてたのよね。本当にセンスないよね」
 「そ、そうニダな・・・」
 「ところでカンコ君」
 急にニホンちゃんが話を振ってきました。
 「な、何ニダ!?」
 いきなりなので慌てています。
 「前浮世絵はウリナラ発祥とかシャラクはカンコ家の人間とか言ってなかったっけ。
だったら何で大した事無いとか言うの?」
 「そ、それは・・・アイゴーーーーー」
 また墓穴を掘ってしまったカンコ君でした。
 御意見御批判に作品でお答えしようと思いまして新作を。本スレが復旧したらそっちに
のせます。
 風刺、キャラの書き方が解らなくなってきた、これでいいかなあ。

解説 名無しさん ◆x3A1GrPw 投稿日: 2003/10/11(土) 03:22 ID:jQSgzmLA
 今回のソースはこちら。
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/10/09/20031009000056.html
 資料にもなった死絵。特に塩谷判官の八代目団十郎と三代目田之助がいいですね。
ttp://www.rekihaku.ac.jp/kikaku/index59/egakikata/egakikata.html

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