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第74話
KAMON ◆wzJSYC0I
投稿日: 2004/03/08(月) 01:10 ID:0mmjUxGE
「シャミンちゃん危機一髪」
ある日、シャミンちゃんが平和のためにデモ行進をしていると、知らないおじさんに声をかけられました。
「やあ、君はシャミンちゃんだね?」
「え? 何で私の名前を知っているの?」
「僕は君のお母さんの友達だからさ。」
学校の名札を付けているのをすっかり忘れて、シャミンちゃんは相手をすっかり信用してしまいました。
「そうなの? じゃあ、平和と友好のためにうちでお茶でもどうぞ!」
無防備にも見ず知らずのおじさんを家に上げ、お茶をごちそうしてすっかり和んでしまったシャミンちゃん。
しばらく談笑していると、おじさんがシャミンちゃんに言いました。
「シャミンちゃん、ゾウさんは見たくないかい?」
「ゾウさん? 見たいみたーい!」
「じゃあ、とびきりでっかいゾウさんを・・・」
目を輝かせるシャミンちゃんを後目に、おじさんは着ていたコートをがばっと広げました。
「うおりゃ〜〜〜〜〜! 俺の自慢のゾウさんだ〜〜〜〜!」
いうなり、とびきりちっちゃいゾウさんをシャミンちゃんの前に突きつけました。
そんなことは予想だにしていなかったシャミンちゃんは、ビックリ仰天。
「え、いや、そんな、ウソでしょ?」
「ウソじゃないのさ〜〜〜〜〜〜! 騙されたあんたが悪いのさ〜〜〜〜〜!」
冷や汗たらたらで後ずさりするシャミンちゃんを、中華キャノンの発射準備が完了したおじさんは、徐々に追いつめていきます。
部屋の隅に追い込まれ、為すすべもなく憲法9条を唱えてうずくまるシャミンちゃん。
すわ貞操の危機かと思われたその時!
「てめえ! そこで何してやがる!」
一喝と共に、竹刀が飛んできました。
ニホンちゃんの弟、ウヨ君です。
彼は、おじさんをめった打ちにすると、家の外へ放り投げました。
「今度何かやったら真剣でぶった切るぞ!」
とどめに跳び蹴りをかますと、おじさんはゾウさん丸出しで逃げていきました。
「大丈夫か?」
ウヨ君は、シャミンちゃんの肩を叩いて話しかけます。
その途端、部屋の隅でふるえていたシャミンちゃんは、急にふんぞり返って怒鳴りはじめました。
「まああああ! こいつ、暴力をふるうなんて、なんて野蛮な子なの!」
思わぬ一言に、鳩が中華キャノンを食らったような顔をするウヨ君。
「え? だって、お前、あのおじさんに・・・」
「どんな理由があろうと、暴力をふるっちゃダメに決まってるでしょ!」
「だって、俺がやってなかったら・・・」
「後もう少しで友好関係を築けたのに! そうしたら、あんな目に遭わずにすんだのに!」
「いや、あのおっさん、最初からヤる気満々・・・」
「そうよ! そもそも、あんたのおじいさんが昔あのおじさんをいじめてたのがいけないのよ!」
「はあ?」
「ウヨ! あんた、反省しなさい! あのおじさんに賠償しなさい!」
「てめえ、助けてもらっておいて何を・・・」
「別にあんたがいなくたって、無防備宣言すれば、あのおじさんはあたしに何もできないんだから!」
「その根拠はどこから・・・」
「兎に角、暴力なんて野蛮よ! あんたなんか嫌い! 早く出ていってよ!」
デムパを飛ばすシャミンちゃんに、「助けなければ良かったなあ・・・」と思うウヨ君なのでした。
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