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第33話 シェロ 投稿日: 2004/06/27(日) 23:10 ID:bb/QZ7Pg
「門限破り」
「なぁ、いいだろ?ニホンちゃん・・・」
「んっ・・・。ダメだよアメリー君。あたし、帰らなきゃ・・・」
「いいじゃん。別に悪いことしてるわけじゃないし。トルコちゃんやカンコだっているんだぜ。」
「でも、おうちの決まりだから・・・パパやママとの約束だし・・・」
「もうここに来てる時点で一緒だよ。大丈夫。シシローおじさんがうまいことごまかしてくれるからさ。」
「でも、パパもママも心配するもん・・・」
「だから平気だって!これからが楽しくなるんだぜ?それに・・・」
「それに?」
「いざとなったら、俺がニホンちゃんを守ってやるから、さ。」
「アメリー君・・・・・・。もう。今回だけだよ?」
「サンキュ。やっぱ俺の言うこと聞いてるときのお前が、一番可愛いぜ。」
「やだ・・・何言ってるのさ、ばか。」

こうしておうちの約束は、少しずつうやむやにされていくのです。
やがて、破っても気にならないように。少しずつ。


「へぇ・・・ニホンも残るんだ・・・アメリーの野郎の言いなりか。ふ〜ん。」
物陰で二人の会話を聞いていたのは、アラブ町のダークヒーロー。
「どうせイラクの家から小遣いたんまりもらう気でいんだろ?なめやがって。
まぁ、奴の言いなりになるってことがどういうことか、教え込んでやんなきゃ、なぁ。」
人呼んでウー様。彼の手では、紅く染まったカッターナイフが鈍い光を放っていました。

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